write by pc works 記事掲載2001/12/02 記事更新/訂正2002/06/18

※このWEBサイトの記事を見て行ったいかなる行為について、私は一切責任を負いません。改造、改良はあくまで個人の責任で行いましょう。また、この作業を行うことによりメーカからサポートを受けることが出来なくなります。



CPUをアップグレードする HDDをアップグレードする OS入れ替え-XP HOME TDPデザインガイド

Presario1400のOS入れ替え-XP HOME EDITION編(Rev0.3w)

windows xp  WindowsMEは普通に使う分は良いOSなのだが、Presarioを開発用途に使うようになってからというもの、安定性に難が出てきた。そこで、WindowsME→WindowsXPへOSの入れ替えを行うことにした。なお、XPにはHOME版とPRO版があるが、使用用途の限られるノートPCということで、今回はHOME版を選んだ。

■はじめに〜MEとXPの違い■
 OSの入れ替え作業前は、何が変わるのか抑えておくのは基本中の基本である。まずは各OSの特徴を知る。

 Presario1400(以下Presario)の標準OSはWindowsME(以下ME)。古典的OSで16bit、32bit処理が煩雑に入り組んでいるOSである。処理が煩雑な分、安定しているとは言い切れないOSだと言えよう。今回はこのMEをWindowsNT/2000系であるWindows XP HOME EDITION(以下XP)に入れ替える。まずはじめに、ME、XPの違いを簡単にまとめてみよう。

OSの比較(詳細コメントは後記の説明参照のこと)
Win9x(参考) ME XP
OS自体の動作 ストレスなく動作 やや鈍い 鈍い
安定性 不安定 やや不安定 堅牢
ハードウェアの対応 数多く対応 数多く対応 現存デバイスはほぼ対応
ソフトウェアの対応 数多く対応 一部不具合あり 未知(Win2k対応ならば動くケースが多い)
OS自体の動作 …比較的軽快な動作を約束されていた9x系に比べ、XPの動作は非常に鈍い。MEを使っている感覚でXPを使おうとしても、それは無理な考えであろう。XPはCPU、メモリ、HDD等、パーツ全体に速度や余裕を要求する。特にメモリは192MB つんでいても立ち上げ直後の状態で50〜65%程度使われているため、できるだけ多く積んだほうが良いかもしれない。また、場合によっては環境設定で演出効果をきることが望まれる。
 
安定性 …安定性は文句なくME(悪い)<XP(良い)。稼動中に常にリソースの心配をしなければならないMEに比べ、その心配の要らないXPは非常に効率よくPCを運用できる。さすがはNTカーネルといったところだろうか。また、何かソフトウェアがハングアップ(フリーズ)した時、MEの場合はOSを巻き込むことがしなしばあるが、XPの場合は大抵問題のあったソフトウェアだけが強制終了する程度。この点もMEに比べて優秀である。MEをXPに変える理由はほとんどこれが目当てだろう。
 
ハードウェアの対応
※1
…サポートするハードウェアの数はMEに比べ少々劣る。やはり最新OSの弱点である「サードパーティのドライバ提供」が致命的。しかし、現在流通しているハードウェアの大半はサポート内/サポート予定なので、それほど心配することもないだろう。ただ、最新のハードウェアをよく利用する人にはXPはまだ進められるレベルではないと思える。
 
ソフトウェアの対応
※1
…ソフトウェア面では割と柔軟な設計になっているようで、普段、ME、Win2k環境で使っているソフトウェアの大半がXPで動作できた。例を上げると「Roland VSC-88 Ver3.2」、「Paint Shop Pro6」、「MS VisualC++6」、「PowerDVD2000」、「ホームページビルダー2000」などである。細部では何か不具合があるだろうが、最低限の動作はまず大丈夫のようだ。これはMEと比べても割と好感である。
 
 ※1ハードウェア、ソフトウェアのXP対応はWin2k用のものを流用できることがある。

上記のことよりMEとXPの違いがある程度わかると思う。逆にWin2kと大差ないこともお分かりかと。
■OS入れ替え作業■

 1.OSの入れ替え前に考慮すべきこと
  1)機能しなくなるもの、使えなくなるソフトウェア
  2)BIOSが最新のものであること
  3)ドライバの対応状況
 2.インストール
  〜クリーンインストールの場合〜
  〜アップデートインストールの場合〜
 3.インストール後の設定

1.OSの入れ替え前に考慮すべきこと

  以下の点をよく考慮しておくべきである。


 1)機能しなくなるもの、使えなくなるソフトウェア
   機能しなくなるもの、使えなくなるソフトウェアを以下に記す。

   ・オーディオコントロール用パネル…
    音楽のコントロール専用ボタンはボリューム以外動作せず。
   ・アプリケーションアクセスキー…
    メール、ブラウザ、ショッピング専用アクセスキーはすべて動作せず。
   ・CyberBlade i1のDVD再生支援機能…
    ドライバレベルで未対応。
   ・プリインストールソフトウェア各種…
    いくつかのソフトエアはリストアCDにしか含まれていない。

 !2002/06/18現在、COMPAQサイトで各種アクセスキーサポートソフトが公開中。

 2)BIOSが最新のものであること
   BIOSが最新のものでない場合、使えない機能が出てくる可能性がある。使用しているBIOSが古いバージョンならば、更新したほうが良い。BIOSについてはマニュアルを参照。なお、BIOSの更新を行う場合、PCの扱いに自信のない人はメーカに問い合わせたほうが無難である。

 ※日本で販売されているPresario1400は、すでに最新BIOSになっているようだ。米国版のBIOSを入手し、使用してみたが、どこがどう変わったのかも不明である。よってBIOSの更新は基本的にしないものとする。(2002/05/28追記)


 3)ドライバの対応状況
   Presarioの標準ハードウェアはXP上ですべて認識される。ハードウェアが持つ固有の機能は動作するかどうか未確認だが、すくなくとも認識しない、または「!」アイコンのつくハードウェアは無い。なお、以下のハードウェアは即更新が可能である。なお、Cyber Blade i1はXP最新ドライバでもDirectDrawにバグがある模様。

   タッチパッドソフトウェア → Win2k用のものが流用可能(Ver5.4.0a) ※3
   Cyber Blade i1 → Windowsアップデートで更新可能

   ※3 デバイスマネージャから更新、インストーラでの導入は不可
Front key
Net Button

2.インストール
  以下に簡単なインストール手順を記す。なお、ここでは詳細説明は割愛させていただく。なお、OSの入れ替え作業の前に、必ずバックアップを行うこと。バックアップを行わないで逝った場合は悲惨。

 〜クリーンインストールの場合〜
 1)BIOS設定で、BOOT設定のCD-ROMを一番上(優先順位最高)に設定する。
   リストア/リカバリ部分のマニュアル参照。
 2)XPのディスクをセットして、再起動を行う。
 3)CDブート準備が始まり、メッセージが出てきたら「F6キー」でセットアップ開始。
   インタフェース、各コントローラの導入メッセージが出てくるが、これはスキップして問題ない。
 4)メッセージに従い、ドライブの設定を行い、インストールを開始。
   OSのライセンスチェックが入るが、これは起動ドライブにME/98が入っていれば問題ないはずである。
 5)画面に従い、インストールを終了まで行う。

 〜アップデートインストールの場合〜
 1)MEが起動しきったら、常駐ソフトウェアをすべて終了する。
 2)XPのディスクをセットして画面に従いインストールを開始する。
 3)画面に従い、インストールを終了まで行う。

 OSのインストールに失敗した場合、無理にインストールを継続しようとせずに、一度リカバリを行えば安全ではなかろうか。

3.インストール後の設定
 XPのインストール直後に以下のメンテナンスを行うことを推奨する。インストール直後の状態ではとてもまともに使える状態ではない。

 ・システムのプロパティ→詳細設定→パフォーマンスを開き、「パフォーマンスを優先する」に設定
 ・Windowsアップデートで更新出来るものすべてを更新(ドライバ含む)

 ※Windowsアップデート後は動作速度がかなり改善されているため、「パフォーマンスを優先する」の部分をいくらかデザイン重視に設定しても大丈夫だろう。


■インストール後の使用感■
 インストール後の使用感は「動作が重い」の一言。とにかく何をするにも重い(パフォーマンス設定がデザイン重視の場合)。人によってはパフォーマンス重視の設定でも重く感じる人がいるかもしれない。その一方、安定性は完璧である。NT、Win2kと同様に安定した運用が可能だ。いくつかのアプリケーションを起動しても動作速度を犠牲にするだけで、逝ってしまうということはない。

 Win2kが導入してあればXPは必要ないが、現在MEを使っていて、安定性に不安がある人はXPを導入しても良いだろう。ただし、私の使用する改造Presarioでも重く感じる部分があるので、動作速度の遅さには覚悟が必要だ。

 画面イメージ