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折り込みチラシ 〜 兵器簡易解説 for SS版 ワールドアドバンスド大戦略 〜
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 ここでは各兵器の簡易解説を行っている。
 ただし、初心者でもなじめ、かつ興味を持ってもらえるよう、出来るだけ簡単に、簡潔にまとめたつもりである。
 アフィリエイトも兼ねて記事を起こしているが、そういったことは特に気にせず、各々の兵器に興味を持ってもらえれば幸いだ。

 項目によってはSS版の事を言っているのに、MD版に準拠した内容の記述があるかも知れない。
 出来るだけ間違えないように書いているつもりではあるが、もし間違えた箇所があれば脳内で変換して読んでいただきたい。




 陸上兵器 航空兵器 ゲームソフト・攻略本・書籍 DVD・ブルーレイ

■ 陸上兵器   陸上兵器 航空兵器

ドイツ第三帝国 大日本帝国 アメリカ合衆国 イギリス帝国 ソビエト連邦

ドイツ第三帝国
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PSW222 (Sd.Kfz.222 装甲車)

 前兵器の221式の強化として開発され、あらゆる戦線にて大戦全般に渡り使用された20mm機関砲搭載4輪装甲車である。
 外見こそ221式に似ているが、それと比べ武装、装甲は強化されており、実質的には上位版と考えても良いだろう。(ただし武装強化が影響し、少し背が高くなっている。)

 細部を良く見てみると改良点は多岐にわたるも、使い勝手は平凡であったようだ、が、平地ならば時速80kmを上回る機動性を発揮し、アフリカ戦線などでは好評であった。
 反面、気候が悪く、悪路の多かった東部戦線では著しい機動力の低下を招き、そのような戦線ではハーフトラックタイプ、多輪タイプの装甲車に交代している。
 生産自体は大戦中期に終わったが、本車が投入された部隊によっては、改良、修理が施されて運用され続け、終戦まで任務を継続した。

 ゲーム中ではほぼ初期から生産が可能で、オーソドックスな装甲車として運用が可能である。
 例に漏れず、移動力が大きい、戦闘力が低い、コストが安い、策敵範囲が広いという、典型的な装甲車であり、威嚇に使える程度の対空火力ももっている。
 進化先はPSW231で、対空火力がなくなる代わりに策敵が1広がり(策敵4→5)、さらに若干の装甲アップとなる。
 筆者は、装甲車=被害を気にせず強行策敵が主任務で使い捨てと考えているが、大事に運用しているプレーヤーは進化時に対空火力か、総合能力かを選ぶ事になるだろう。


PSW231 (Sd.Kfz.231 8-rad 装甲車)

 四輪偵察車が軽装甲車であったことから、それに対をなす重装甲車として開発された車両で、六輪、八輪型が同じ形式名称で混在している事から少々ややこしい車でもある。
 当時の偵察車は一般的なトラックやジープなどのシャーシを参考に用いて開発される車両が多かったが、本車では八輪という形状からそれに当てはまらず特殊な形状が用いられた。
 特に全ての車輪が操作可能と言う点は非常に高度な技術で、さらに前部、後部にそれぞれ運転席が設けられていたことから極めて高い機動性と俊敏性を得るにいたっている。

 武装は軽戦闘車両としては一般的な20mm機関砲が採用されており、偵察車としては標準的な仕様であるが、前述の機動性・俊敏性から本車との相性は良かったようである。
 六輪型が悪路走破性に劣る点が弱点であったのに対し、本車は悪路にも強く安定した性能を発揮できたため、大切に運用されつつ若干の改良を受けながら大戦を戦い抜いた。
 欠点としては高い性能を得るために機械的に複雑化したこと、それによって高コスト化したことが挙げられ、「量より質」を重視するドイツ帝国軍らしい車両と言えるのではなかろうか。

 ゲームでは序盤からPSW222からの進化、もしくは時機到来による即生産で入手が可能で、良くも悪くも標準的で安価な偵察ユニットである。(八輪型が登場)
 索敵範囲は広く機動力も十分で使い勝手は良いが、PSW222が対空牽制が可能であったのに対し、本車では対空火力が無くなってしまう点が惜しい。
 進化先はPSW234系となるが、装甲車自体それほど大切に運用しなければならない兵器でもないため、損害を気にせず積極的に索敵範囲を広めていきたいところである。


PSW234 (Sd.Kfz.234 装甲車 ※234/2非公式名称プーマ)

 悪路に強く、運用性の高かったPSW231(8輪装甲車)の後継として開発され、基礎能力の高さから改良によって多くの武装バリエーションが登場した重装甲車である。
 PSW231は運用性の高い車両であったが、コストの割りに装甲が薄く打たれ弱いという弱点を抱えていたため、本車ではその点が最初から念頭に置かれて開発がなされた。
 足回りはPSW231の細かい反省点を多く改善し走破性を向上、また、武装についても臨機応変に火力支援が出来るよう、20mm機関砲を搭載した車両、戦車砲を搭載した車両がある。

 バリエーションとしては50mm戦車砲タイプ、20mm機関砲タイプ、はては車体に見合わぬ長砲身75mm戦車砲などが存在し、亜種も生まれるなど非常に豊かなものであった。
 どの型も決して多いとは言えない生産台数であったが、PSW231以上の走破性に装甲車とは思えない火力を与えられた本車は終戦まで忠実に任務をこなしている。
 ただ、ヒトラーの考えによって生まれた75mm長身砲を搭載した型ではさすがに無理が生じ、戦闘継続力、防御力の低下が顕著で、どちらかと言えば対戦車砲に近いものだった。

 ゲームでは中盤に差し掛かるあたりから現れ始め、20mm機関砲タイプ→50mm砲タイプもしくは特殊弾/榴弾砲タイプ→75mm砲タイプと時期を経過するごとに進化していく。
 進化元はPSW231だが元々即生産できる時期が中盤からと比較的早い上、戦闘が主任務でも無い事から特に損害を気にせず使ってよいだろう。(育てるなら話は別)
 進化はマイナーチェンジ一色で、最終型の75mm砲タイプは火力抜群だが弾数が2と任務継続力に支障出るため、50mm砲タイプのPSW234/2をメインにするのがベストか。


II号戦車 (軽戦車)

 先の大戦で敗北し、兵器開発を禁止されていたドイツ帝国は、密かに農業用トラクターとして戦車の研究開発をしていた。
 本車はその過程で訓練用・ノウハウ蓄積用に開発された戦車群のうちの1つである。

 本来は研究・訓練用に用いられる計画であったが、主力戦車の開発遅延からくる戦力不足のため暫定的に戦闘に用いられることとなり、ここで思わぬ汎用性を発揮した。
 この戦いで良好な機動力、大戦初期の戦力としては十分な火力が認められ、一躍格上げされ正式化がされることとなったのである。
 大戦初期の間、しばらくは主力戦車にも引けを取らない活躍を見せたが、第一線での能力不足が指摘され始めると、徐々に偵察など戦闘以外の任務へと転換された。
 また、本車体は数多くの兵器に転用され、目立ったものではマーダー対戦車砲自走砲、ヴェスペ自走砲などがある。

 ゲームでの本車は装甲車と同じく移動力、索敵範囲に優れる偵察用戦車として扱われる。
 戦闘能力は低いものの装甲車よりはやや硬く、コストも安く移動範囲も広いため、手軽なレーダーとして活躍が期待できるだろう。
 進化先は本車のマイナーチェンジで改良先も多く、その点では面白みがあるが、手数をかけるほどの兵器ではないため、やはり偵察用と割り切ったほうが良い。


38t式戦車 (38(t)戦車:PzKw38t:LT-38 軽戦車)

 元々はチェコスロバキアで開発されていたものだが、生産の真っ只中発生した政治的な併合によりドイツ帝国軍に接収され、同軍によって生産・運用された戦車である。
 大戦初期の軽戦車としては非常によく考えられた設計がされており、同時代のIII号戦車に匹敵するほどの性能を持っていた事から生産された多くが正式に部隊配備された。
 前任の35t式同様、総合的に優れていた性能であったが、唯一装甲の貧弱さが初期から問題として挙げらていたため、これは後に装甲厚の変更・追加装甲などに結びついている。

 武装は時代に沿ったもので、主砲37mm砲、副砲7.92mm機銃が搭載され、登場時としては十分な火力を持っていたが、主砲の旋回が手動であったため機敏性にはやや劣る。
 多くの車両は性能の高さから大戦初期に重宝され主戦力並みの活躍を見せたが、ソビエト戦が始まる頃には軽戦車の衰退と共に前線から徐々に退いていった。
 前線から遠のいた後は警備任務などに割り当てられたが、一部の車体は長砲身を搭載した対戦車自走砲、連装機銃を搭載した対空戦車などへ流用されている。

 ゲーム中では序盤から生産が可能で、A型、E型が登場するが、いずれも軽戦車としての評価は微妙なものであり、前線へ積極投入する価値はほとんど無い。
 ただ、車体自体は価値があり、特に作戦ファイルでは比較的序盤からマーダーIIIへ進化できる事は大きく、その点では有用だ。(一方、鋼鉄での登場時期は微妙である。)
 主任務での活躍にはあまり期待できないが、改良の素材としては面白いため、序盤に2、3ユニット持っていると「こんな兵器にもなるのか」と本作の醍醐味を味わえるかもしれない。



coffee break
〜装甲車と軽戦車〜

 装甲車とは文字どおり装甲を施した車両であり、軽戦車とは分類的には戦車に属すものの激しい戦闘を考慮した正式な戦車とは違った安価で小型・軽量な車両の事である。

 現代において軽戦車は主力戦車の高度な発達によって存在意義がほとんど無くなってしまったため、特殊なケースを除いてほとんど採用されなくなってきたが、装甲車はより安価で対テロ、暴動鎮圧、護衛などに有効な車両として今でも軍事・民間の双方において幅広く使われている。第二次世界大戦ではいずれの車両も幅広く戦線に投入され、前線においては偵察、火力支援、後方では治安維持、反政府組織の取締りなどに積極運用された。ただ、欧州方面では戦車の発達が著しかった事から大戦半ばあたりから軽戦車が積極的な戦闘に参加する事は徐々に減っていった。

 本作における装甲車、軽戦車は安価かつ索敵範囲が広い事から主に偵察用のユニットとして存在する。基本的に武装・装甲が貧弱で戦闘は苦手であるものの、車両によってはある程度の火力を持つものもある。能力をよく理解した上で完全に索敵任務に徹するか、場合によっては火力支援も担うか、その辺りを考慮して運用していきたい。また、対空火力を持つ車両は敵空軍の移動を妨害する牽制ユニットとしても配置場所に気をつけたい。

III号戦車 (中戦車)

 ドイツ帝国戦車部隊の主力となるべく、IV号戦車と共に開発された戦車である。
 本車は同時期に並行開発の行われていたIV号戦車と共に運用される計画であったが、生産は遅れに遅れ、対仏開戦前後からようやく本生産となり、その数を増やしていった。
 主砲は初期37mm、中期〜後期50mmと計画どおり拡張されたが、M4シャーマンやT-34などの他国戦車と対峙するには常に火力不足で、新型戦車の登場と共に一線を退いた。
 運動性能だけは比較的良好であったため、車体を流用し、火炎放射戦車、突撃砲などへ転用されたが、主力戦車としては物足りない結末であったように思える。
 そのままでは75mm砲塔を搭載できない車体のため、仕方ないといえば仕方ないのだが、あまりの短命さに同情を禁じ得ない。

 ゲームでの本車も比較的史実どおりの扱いで、進化ではマイナーチェンジを繰り替えし、最終的には多種の兵器へと転用するか、退役させる定めとなる。
 攻撃精度が比較的高いため、序盤からIII号突撃砲G型、IV号F型の登場までは嫌でも使わなければならないが、正規戦車としてはその後の活躍はほとんど期待できない。
 後期型搭載される50mm砲L60をもってしてもシャーマン系にはやや不利、T-34/85に至っては先制は何とか取れるがほぼ返り討ちと、はっきり言えば進んで使うメリットはない。
 あまり関係ないが、筆者は「戦車はIII号戦車のみ生産可能」という縛りでキャンペーンをクリアまでプレイしたことがあるが、非常にしんどかった事を今でも覚えている。
 その時、初めて75mm長砲身のありがたみが理解でき、旧式兵器の無理な、無駄な運用について考え方が変わった。


IV号戦車 (中戦車)

 元々はIII号戦車を補助する役割として設計された戦車であるが、III号戦車の能力的限界が早く来てしまったことから主力戦車の座に着いたのが本車である。
 初期は補助的な火力支援としての性質が強く75mm短砲身を採用していたが、前述のとおりIII号戦車の能力が限界に達すると75mm長砲身を持つようになった。
 長砲身砲を搭載してからの活躍は目をみはるものがあり、ロンメル率いる北アフリカの部隊で運用されたIV号戦車はマークIVスペシャルとして連合軍に恐れられたほどである。

 本車の車体は優秀な設計であり、運用された期間も長いことから、対空砲や自走砲、対戦車砲、ほか様々な兵器へ転用されている。
 さすがに次期主力戦車には劣るものの、持ち前の生産性とコスト、扱いやすさ、整備性など優れた点は数多く、事実上の主力戦車として活躍した。
 生産性の問題から大戦末期まで改良は続き、生産が続いたが、その頃にはパンターやティーガーに大きく見劣りし、能力不足は明らかであったが終戦まで戦い抜いた。

 ゲームでは中盤の主力戦車の1つになるはずなのだが、悲しいことにすぐ後にパンターが導入されるため、主役である時期は非常に短い。
 中盤までは短砲身砲であることから火力不足に悩まされるが、長砲身砲(F2型以降)が採用されると大幅に使い勝手が良くなり、問題点はいっぺんに改善される。
 進化先はマイナーチェンジが続き、続いてティーガー(F2型はティーガー(P)→マウスへも可)、改良先はフンメル、メーベルワーゲンなど進化・改良には極めて優れている。


パンター (V号戦車 中戦車)

 3号、4号戦車をもってしてもはなかなか倒すことのできなかったソビエトのT-34中戦車は、ドイツ帝国にとって大きな脅威となりつつあった。
 これに対しドイツ帝国の出した答えが、これまでの戦闘経験を踏まえたうえでT-34中戦車を徹底して研究し、加えて多くの技術を投入した新型戦車の開発であった。
 その成果が本車であり、それまでのドイツ帝国軍戦車と違った緩やかなカーブ、傾斜を持つ車体はT-34の特徴に近いものである。

 手堅い設計と言うにはやや遠く、比較的新しい技術が多く投入されており、これが原因で初期型では多くの車体で問題が発生し、稼働率はあまり良くなかった。
 しかし、投入が急がれたせいもあり、投入と改良は同時に進められ、時間が掛かりつつも多くの改良が施され次第に次期主力戦車としてふさわしい能力を持つに至る。
 メンテナンス方法は非常に難しいものであったらしく、戦後、鹵獲した本車を運用したフランス軍では運用方法の難しさに驚き、本格的な運用をあきらめたようである。

 ゲーム中では中盤を越えたあたりでD型が即生産投入され、続いてすぐに改良・即生産でG型への切り替えが行える。
 長砲身砲はティーガーIの主砲よりも対装甲火力が高く、攻撃精度も22と他国中戦車の上をいき、避弾経始を反映した防御力も優秀と、非常に頼れる戦車となっている。
 進化・改良先もヤークトパンター、ティーガーII、E-50と強力なものがそろっており、本車が生産可能になったならば全ての戦車を本車へ切り替えても良いくらいである。


E-50 (中戦車)

 数々の戦車を生み出したドイツ帝国では、他国戦車よりも固体性能の優れた戦車を持つ結果となったが、反面、種類の多さから整備・生産効率の低下が問題になりつつあった。
 この状況を改善するため、部品の共通化・戦車区分の一新を図るE計画が発動され、本車もこの計画に則り開発・生産が予定されていた。

 すでに劣勢になった状況での開発下のうえ、資源も乏しい状況となっていたドイツ帝国では思うように開発は進まず、結局は完成しなかった。
 一説によると主砲は75mm、88mmなどと言われてはるが、あくまでも計画過程・設計過程の話の上、あまりにも確証・明確な記録が少ないため定かではない。(当然、名称も)

 ゲームでは終盤に差し掛かりパンターから進化が可能となる。
 主砲には88mmL71が搭載されており、移動力は7、装甲もJS戦車並みという極めて高い戦闘能力で、中戦車クラスの戦車ならば問題なく一方的に攻撃が可能だ。
 進化元は性能の高いパンターで、進化するまでの経験値稼ぎも楽、進化先は移動力・精度は落ちるものの、さらに装甲・火力の上がるE-75と、こちらもインチキくさい性能である。
 ルートによっては登場しないが、ドイツ帝国を選んでいるならば、是非、本車で大戦車軍団を作ってみてほしい。


マーダーII (マルダーII 駆逐戦車:対戦車自走砲)

 対ソビエト戦初期から優れたソビエト軍戦車の強さに悩まされていたドイツ帝国軍では、既に能力不足の車体などを転用し、対戦車車両を生産する事を決定した。
 車体には時勢からお役御免に近い状態となっていたII号戦車(F型)が採用され、主砲には75mm長砲身砲が採用されている。(初期型はD/E車体に鹵獲76.2mm砲を搭載)

 本車は車両不足・火力不足に陥っていたドイツ帝国軍の危機的な時期を支えており、対ソビエト戦中期における陸軍を大きく支援している。
 また、同軍他戦車に比べ、比較的早く搭載された76.2/75mm砲は同時期の敵国戦車を撃破できる能力を有しており、撃破能力に限ってみれば能力は極めて高かった。
 しかし、その分、装甲、戦闘室はかなり簡素な作りとなっており、被弾した場合の生存率は著しく低く、激しい戦闘に耐えられるものではなかった。

 ゲーム中では中盤に差し掛かるあたりに解禁され、改良(II号戦車より:L型は除く)もしくは即生産という形で手に入れることが出来る。(※作戦ファイルでは若干早い登場)
 火力はIV号戦車H型同等の強力なものではあるものの、弾数、防御力に難があり、鋼鉄の旋風では長砲身IV号戦車等と登場時期がほぼ同じという扱いになっている
 一応、マーダーIIIに進化は出来るものの、本車を使うくらいならば、他の戦車を運用するほうが良いだろう。


マーダーIII (マルダーIII 駆逐戦車:対戦車自走砲)

 開発に至った経緯はマーダーIIと同等であり、特性や武装も似たようなものであったが、こちらは旧式化がより進んでしまった38t式戦車の車体を用いて作られている。
 武装はマーダーII同様、初期型ではソビエト軍から鹵獲した76.2mm砲を、後にドイツ帝国軍標準の75mm砲を採用しており、実質的にマーダーIIと同等と言ってよい。
 場当たり的な兵器である事は誰の目にも明確で、歪な形状で防御性は低く、生存性を犠牲にした設計であったが、反面、火力は強力で同軍の即戦力となった。

 当時の現行戦車であったIII号・IV号戦車では撃破の難しかったT-34相手にも火力は十分で、ヒトラーが本車の月産化を指示したほどであった事から有用であった事が伺える。
 生産は細々と続いたが車体の規模、設計思想から長く使われるような兵器では無かったため、設計のよく練られた駆逐戦車ヘッツァーの完成と共に生産は打ち切られた。
 本車からは改良によって「貴重な資源を余さず使い尽くすと言うドイツ帝国軍ならではの思想」が見て取れ、元の38t戦車と共に改良・流用種をたどると面白いかもしれない。

 ゲームでは長砲身砲をもつ力のある兵器であるが、同等の砲を持つ中戦車と登場時期がほぼ重なっているために優位性は低く、不遇な兵器となっている。
 優れるのは火力のみと言う半端さ、さらに後に即生産が可能、と正直なところ進んで使うような価値は無い。(※作戦ファイルでは序盤から38t式戦車の改良で入手可)
 一応、ヘッツァーなど同じ車体を持つ種に改良できるが、進化・改良に恵まれているとは言えないため、戦局を考慮して少数を投入する程度にしか使えないだろう。


III号戦車 突撃砲 (駆逐戦車:突撃砲)

 歩兵の火力支援を行うため開発された戦車であり、派生型を含む生産数はドイツ帝国で最も多い。(初期、後期で兵器の性質が違うため、一概に一まとめにはできないが。)

 初期にはあくまで歩兵の火力支援に徹していたが、大戦の激化、戦車戦の増加に伴い、後期には長砲身主砲へと換装され、駆逐戦車としての性質が強くなった。
 本車は全周砲塔ではないため、激しい機動戦には向かない戦車であるが、守備戦の多くなっていた時勢での登場のため、その点はあまり問題ではなかったようである。
 75mm長砲身が採用されたG型では、十分な火力、増強された装甲を持ち、T-34の脅威から多くの兵士を保護した。

 ゲーム中でメインとなるのはG型で、III号戦車J型より進化が可能であり、時機到来により生産も可能となる。
 G型は移動力が4と抑えられているが、75mm長砲身の解禁と同時に進化が可能となるため、その時期に即投入できるならば火力は約束される。

 登場直後はコストが安く戦闘力が高いといい事だらけではあるが、すぐに長砲身IV号戦車、パンター、ティーガーが投入されるため、あまり活躍の機会はないだろう。


IV号駆逐戦車(/70) (駆逐戦車:突撃砲)

 戦力として極めて優れた兵器であったIII号戦車突撃砲の後任として開発されたが、評価的にはやや微妙で、あまり目立たなかった車両である。
 本車は車体に余裕のあるIV号戦車を用いた上でIII号戦車突撃砲の良い点を組み込み、大幅な戦闘力向上を目指したものだったが、部分部分でのバランスは良くなかった。
 主砲は当初パンター同等のものが使われる予定であったが、パンターとの優先度の違いから後期型まで標準的な75mm砲が使われるなど、その扱いもやや不遇なものがある。

 III号戦車突撃砲を生産していたアルケット社の工場が爆撃され、その生産が一時止まった時には本命視された時期もあったが、工場復旧は迅速に行われそれもならなかった。
 生産台数は多いとは言えず、2,000台前後の数が戦場へ送り込まれたと言われているが、この数の少なさはIII号戦車系に比べIV号戦車系の生産性の悪さが影響したのだろう。
 ヒトラーが本車を気に入っていたという話もあるが、パンターと被っていた武装や生産性・機動力などを考えると成功した車両とは言えず、念入りな開発がされていればと惜しまれる。

 ゲームでは中盤を過ぎた頃にIV号戦車後期型からの改良、一部マップでの即生産で手に入り、まず75mmL46砲型が、次に75mmL70砲型が続けて改良・投入される。
 後期型をもってしても劣化パンターと言ったところで強力な総合能力は無いものの、火力はあり主力戦車より安価な点は利点だ。(資金の少ないスタンダードマップ等では有効)
 戦車群の優秀なドイツ帝国軍では必須とは言えない地味な戦車だが、より強力なヤークトパンターに進化できる等面白い点もあり、趣味で1、2部隊持っても良いかもしれない。


ヘッツァー (駆逐戦車:突撃砲)

 連合軍の爆撃被害により駆逐戦車の生産ラインが途絶えてしまったドイツ帝国軍は、以前より要望の出ていた車高の低い駆逐戦車の件と合わせ、新型駆逐戦車を開発した。
 これが本車であり、小型かつ低車高、IV号戦車と同じ長砲身を搭載していると言う特徴をもっている。
 生産は大型施設をもたないBMM社で行われており、中型・大型戦車用部品の製造が行えない制約が付きながらも38(t)戦車の車体を上手く改良し、コンパクトにまとまっている。

 既存の戦車から流用された部品・技術が多く、極めて短い期間で完成された本車ではあるが、若干バランスの悪い部分が目立ち、機動性、居住性などは良くなかった。
 どちらかと言えば機動性を持った対戦車砲という性質が強く、運用には難しい部分はあったが、戦力低下により不足した火力を補うため、前線に配備され奮闘している。

 ゲームでは中盤より登場するものの、ほぼ単発兵器であることと、他ドイツ帝国軍戦車の優秀な点が目立ち、どうしても霞んで見えてしまう存在ではある。
 単体としての性能は低くなく、寧ろ中戦車として扱うならば優秀な部類に入るのだが、キャンペーンでは前述のとおり存在・運用価値は低くなってしまう。
 他駆逐戦車との進化ラインの違いから進化・改良も不利な点が多く、進んで運用するほどの兵器でもないが、コストが安いため、シングルマップでは有効かもしれない。


ヤークトパンター (駆逐戦車パンター 駆逐戦車:突撃砲)

 本車はパンターの車体を利用し、車体を拡張、ティーガーIIと同口径の88mm砲を搭載した駆逐戦車である。(突撃砲とも呼ばれる)
 装甲は元のパンターに少し強化を施しただけではあるが、良好な被弾経始を得られているため、思ったよりも打たれ強いようだ。
 強力な主砲、改良された装甲は確かに戦闘能力を高めたが、一方でほぼそのまま流用された機械系に大きな負担をかけ、機械寿命は酷く縮まったようである。

 本車は、本来、対戦車部隊に配備される兵器であるが、その戦闘能力の高さから配備要求が高く、一部通常の戦車部隊にまで配備されていた。
 そのことから考えると、もしかすると、本車はドイツ帝国で一番戦闘能力の高い戦車なのかもしれない。

 ゲームでは時機到来でパンターG、E-50から進化・改良が可能となる。(E-50からでは弱くなることに注意、他にもこういったケースは幾つかある、気をつけるべきである)
 火力は申し分なく、精度も24と大抵の戦車からは先制が取れ、かつ移動力は6、しかもパンターより硬いといいこと尽くめである。
 副武装が対空威圧の出来ないMG、E-50がすぐ出てくる、進化先がヤークトティーガーに限られてしまうため、大量配備はお勧めできないが、この性能は非常に魅力的だ。
 パンターの幾つか(筆者的には2〜3ユニット)はヤークトパンターにしてもよいだろうと思う。


ヤークトティーガー (駆逐戦車:突撃砲)

 最前線での大火力支援と、早期(遠距離から)敵戦車撃破が出来る戦闘車両が必要であるという要望が戦地から上げられ、その要望どおり生まれたのが本車である。
 本車は、ティーガーIIをベース車体とし、主砲に128mm砲を搭載、装甲においては最厚部で250mmと言う前代未聞の火力・装甲を持つ。
 また、初期にはポルシェ式エンジンが採用されていたが、いつもの例に漏れずこのエンジンも大問題となり、後に換装・改良されている。
 スペック的には、かなりの距離であってもほぼ全ての連合軍戦車の装甲を貫通可能、被弾時性能も極めて高く、机上理論ではドイツ帝国軍に有望なものだった。

 実際にはエンジン換装後も重量から来る駆動系の問題が山積みであり、熟練戦車兵の少なくなっていた状況が問題に拍車をかけ、結局はほとんど活躍の場は無い。
 末期にはパンツァーファウストを用いた自軍誤射による撃破や、性能的優位があってもアメリカ軍を撃破できない等のエピソードもあり、全般に渡って不運な戦車であった。

 ゲーム中では終盤にヤークトパンター、またはティーガーIIから進化・改良が可能だ。
 戦闘には有り余るほどの能力を持っているのだが、如何せん移動が3と鈍足で、ほぼ防衛要員、もしくは遅れてくる支援要員といった運用法が適している。
 進化元からは若干精度が下がるものの(いずれも24→22)、十分に練度を積んだ本車は心強い戦力であり、何も無くとも1ユニット位はストックしておいても良いだろう。


ティーガー (VI号戦車 重戦車)

 大戦で登場した戦車の中で最も有名であり、最も人気が高く、ドイツ帝国軍戦車の優秀性を世界に知らしめた重戦車である。
 全般的に保守的な設計であり、傾斜装甲を持たず無骨な外見だが、ファンから言わせると、その無骨な感じがまた良い・・・のだそうだ。
 開発は非常に複雑な過程をたどっており、ヒトラーとポルシェ博士が絡む事もあって、完成までにいろいろとややこしい状況であった。(楽しい部分ではあるが話は割愛する。)

 先にも述べたとおり傾斜装甲は採用されていないが、当時としては強力な前面装甲厚が採用され、防御性能は極めて高く、連合軍戦車では撃破が非常に難しかった。
 また主砲には88mmL56が採用されており、この大火力は同時期の敵戦車を殆ど葬り去ることが出来、ソビエトを含む連合軍兵士を恐怖の底に落とし込んだ。
 しかし、全体をよく見てみると火力・装甲は申し分ないが、足回りが非常に弱く、その重量のために移動地域が制限される(橋・悪路など)こともしばしばあったようである。

 ゲーム中では時機到来によりIV号戦車(F型以降)から進化が可能で、一部のマップでは即生産も可能だ。
 使い勝手の面からパンターには劣るものの、火力は十分で精度も22と高く、進化元のIV号F型からティーガー(P)→マウス系と特殊な兵器に進化できるのも魅力の1つである。
 正統な進化先はティーガーIIとこちらも強力・有名な戦車であるため、ドイツ帝国タイプを選んでいるならば一度は使いたい。


ティーガーII (ティーガーB:VI号戦車 重戦車)

 ケーニヒスティーガー、キングタイガー、ロイヤルティーガーなど多くの異名を持つ重戦車で、戦場でのその火力、圧倒的存在感から多くの連合軍兵士を恐れさせた。
 主砲にはほとんどの連合軍戦車をアウトレンジから狙撃できる大火力の長砲身88mm砲が採用されており、これによって連合軍戦車を一方的に葬り去る威力を誇っている。
 また、基礎的な部分は保守的な設計が多かったものの、分厚い装甲に加え傾斜装甲が採用された事により防御性能は著しく上昇し、大抵の砲弾を跳ね返すほどであった。

 火力・防御力ともに極めて優れた戦車であったが、重戦車の中でもかなり重い車両であったため足回りが弱く、しばしば駆動部位に故障を招いたりとこれが弱点であった。
 しかし、本戦車が登場した時勢にはドイツ帝国はほぼ守りに入っており、局地的な守備戦闘が多かったため、足回りの悪さはさほど問題にはならなかったようである。
 攻勢時の運用では機動性の悪さから評価は良くないが、守備戦では非常にうまく使われ、どちらかと言えば強力な防衛用兵器としての評価が高いと言えるだろう。

 ゲームでも高い性能は十分再現されており、火力、精度、防御力、弾数が高いレベルでよくまとまっており、弱点は機動力程度となっている。
 精度の高さによってほぼ全ての敵戦車から先制を取れる点は頼もしく、ソビエト重戦車相手でもやや優位、アメリカ・イギリス帝国戦車が相手ならば優位という具合である。
 進化/改良で拠点防衛に最適なヤークトティーガーや、128mm砲を持つE-75への進化が可能となるため、本車の性能を堪能した後は好みで進化させると面白いだろう。


E-75 (重戦車)

 E-50の開発経緯同様、戦闘車両の多さから発生した整備・生産効率の低下問題を解決するために予定されていた「E計画」に基づいた車両の一つである。。
 各部のパーツは共通化され、E計画における他車両部品が数多く流用可能となる予定であったが、パーツの一部分が完成した時点で終戦を迎え、やはり予定のみであった。
 この完成した一部分というのも、終戦間際の物資不足のせいでほめられたような出来ではなく、品質・性能は予定の性能よりもかなり低いものであったと言う。

 主砲にはティーガーIIに搭載されていた88mm砲を改良したものが搭載される予定であったらしく、仮に実践投入されていたならば恐らくソビエト重戦車をも軽く葬る火力であったろう。
 計画自体は比較的有名ではあったが、実際にはまったくの未完成と言ってよいレベルであり、この計画が成功していたら末期ドイツ帝国の抵抗は激しくなっていたかもしれない。
 煩雑になってしまった戦車区分の整理は非常に優れた考えであったが、計画した時期が時期だけに、その発動はあまりにも遅すぎたのである。

 ゲーム中では88mm砲でなく128mm砲が搭載されており、精度は22とやや劣るものの火力は155と極めて高い攻撃力を誇る。(ティーガーII、ヤークトパンターなどは精度24)
 持ち前の重装甲に加え、機動力においても移動5と優遇が半端ではなく使い勝手も良好だが、精度22という弱点を持つため、すべての戦車を本車へ進化させることは避けたい。
 ティーガーII 、E-50などから進化で得ることが可能だが、最終進化車両であるため、進化はここで終わりとなる。


エレファント (フェルディナント 重駆逐戦車:突撃砲)

 正式採用されなかったポルシェティーガー、車体VK.4510(P)の扱いについて検討に検討を重ねた結果、ドイツ帝国ではお約束とも言える自走砲としての流用が決定した。
 本車はエレファント(フェルディナント)と呼ばれ、元々頑丈な車体にはさらに厚い装甲を追加し、主砲には大口径長砲身88mm/L71が採用されている。
 装甲は最厚部で200mmをほこり、このうえ砲の威力も桁外れと攻守の能力は非常に高いものであった。(無線が使いにくい、前期生産分は機関銃が無い等弱点もあった。)

 本車にはポルシェ博士が関わっているため、例外なく当時としては革新的だった電気ハイブリッド式エンジンが採用されている。
 過去の研究・資料では鈍足の上に故障が多いとされていたが、近年の研究では本当はトラブルが少なかったのでは無いだろうか、といった見解が多く見られるようになった。
 さて、このエンジンは幾つかの重戦車に採用されているが、果たしてその性能はいかがだったのだろうか、興味は尽きない。
 全般的にやはり無理が多く、当時としては革新的な戦車ではあったが、総合的にはやはり運用しにくいといったところが正直なところではないだろうか。

 ゲームでは中盤〜終盤にさしかかる頃にポルシェティーガーより改良が可能、そして駆逐戦車系へと進化が繋がる。
 火力・防御力は魅力的ではあるが、鈍足(移動3)、機関銃を持たないなど他戦車に比べて使い勝手は劣るため、採用の可否はプレーヤー次第だろう。


マウス (重戦車:超重戦車)

 例により、ヒトラーからの強い要望で開発が始まり、ナチスと良好な関係にあったポルシェ社が開発を請け負い「実際に動く」レベルまで完成したのが本車である。
 (ヒトラーの要望を簡単にまとめると、現時点で最高峰の戦車を作れというものであったようで、また、本車は動くことは動くが完成というレベルではない。)
 ポルシェ博士の得意(得意と言ってよいのか・・・)とする電気式エンジンや、あまりにも重過ぎる車体など、いろいろと問題の多い本車であったが、見た目のインパクトは激しい。

 主砲128mm砲、副砲75mm砲+機銃と総火力は極めて高く、装甲厚も最厚で240mmと言うこれまでにない防御力であったが、そこから来る重量増加は無視できないものだった。
 190トンに近い自重は前述のエンジン問題もあり、橋を渡る事が出来ない、そもそも故障せず自走できるかどうかも怪しいと、随所に悪影響をもたらしている。
 ヒトラーの要望どおり、最高火力、最高装甲、最高技術で成り立つ戦車であったが、結果的にはバランスの悪い失敗作だったと結論付けできるだろう。

 ゲーム中では終盤にティーガー(P)から進化が可能となり、ポルシェ系重戦車の最終進化体となっている。(IV号F2 → ティーガー(P) → マウス の流れ)
 移動力が3と言う鈍足な重戦車であるが、見た目のインパクト、JS-3並の防御力、128mm砲の威力(しかも弾数は3しかないが)はプレーヤーに強烈な印象を残すだろう。
 ポルシェ系重戦車の変態的な癖(鋼鉄では川にも侵入可能など)は、どう運用するか毎回悩まされるが、その癖さえ楽しむ事が出来るのが上級者なのかもしれない。


ヴェスペ (自走榴弾砲)

 対フランス戦の時点で能力不足、特に装甲において防御力不足が明らかとなったII号戦車の車体を流用し、105mm軽野砲を搭載したのが本車である。
 搭載されている野砲はドイツ帝国陸軍の運用する野戦野砲と同じものではあるが、II号戦車の車体とよほどよ相性がよかったのか、非常に高い評価を受けた。
 どちらかと言えば場当たり的な流れで作られた物ではあるものの、予想外の運用性能、火力、信頼性、コストなど優れた点を持つこととなり、一躍主力榴弾砲の座に着いた。

 本車の性能は、ヒトラーが「II号戦車は全て本車に転用せよ」と指示を出したほどと言われていることから、当時としては極めて高い運用性能であった事が伺える。
 なお、車体はII号戦車ではあるが、随所に改良が加えられており、改良後の車体は実質的にヴェスペ専用の車体であったようだ。

 ゲームでは中盤以降から生産が可能となり(II号戦車の改良でも得られる)、標準的な105mm野戦野砲をそのまま自走化したような性能は非常に使い勝手の高いものである。
 また、上位のフンメルに比べてやや多めに弾数を搭載しており、ある程度補給を干されても継続して後方支援を続けられる面は心強い。(マシンガンもあり)
 防御性能は他国自走榴弾砲と同じように皆無といってよいが、コストが安く即生産が可能である事から、被害を受けてもあまり気にせずに済むだろう。
 進化先は150mm砲を搭載した上位のフンメルで、こちらは強力な火力を持つことから、進化解禁後は出来るだけ早めに進化を行いたい。


グリーレ (グリレ 自走榴弾砲:自走重歩兵砲)

 ドイツ帝国軍は旧式化した兵器を再利用し、上手い組み合わせと高度な技術によって強力な兵器を数多く作り、出来る限り兵器を余らせないようにしていた。
 本車もその中の一つであり、車体には38t型戦車、砲にsIG33重歩兵砲を採用し、いずれも旧式な兵器の組み合わせながらも非常に優秀な兵器として完成している。
 なお、前期H型では38t型戦車の車体がほぼそのまま使われ(マーダーなどと同等)、後のK型で最適化された車両が使われていたが、実際には平行生産していたようだ。

 採用されていたsIG33重歩兵砲はやや旧式な砲であったが、歩兵部隊に配備される砲では最大級のものであり、150mmと言う口径から得る火力は極めて強力である。
 一見すると小型車体に大口径砲という組み合わせは非常にアンバランスに思えるが、これが良い意味で裏切られ、ヒトラーからは早期生産指示が出るほどの性能であった。
 前線ではその戦闘能力は極めて好評で非常に重宝されたが、生産数は多いと言えず流用元の車体が他兵器へ転用され始めると生産は渋られ、新規生産は完全に終了した。

 ゲームでは作戦ファイルで正式追加されており、中盤前から開発表に登場、38t戦車からの改良で手に入れる事が可能である。(鋼鉄では開発表が伏せられている。)
 現物が自走重歩兵砲である点を考慮してか性質もそれに合わされており、防御力は皆無で射程は3と短いが火力は同軍150mm野砲同等というややアンバランスな兵器である。
 使い勝手を考えるとヴェスペ、フンメルの方が優秀であるため、序盤でどうしても大火力の自走榴弾砲がほしい場合以外はそれほど必要となるものでもないだろう。


フンメル (自走榴弾砲)

 元々は一時しのぎの自走砲開発計画であったものの、予想外の良好な試験結果から大量生産に至ったのが本車である。
 車体にはIII号戦車・IV号戦車のものが流用され、かつ、部品はある程度の共通化が図られており、その上に150mm野砲が搭載されている。
 なお、簡素化された共通化部分は生産効率の向上というメリットをもたらしたが、反面、専用の車体ではないため、砲弾の搭載には難があった。

 自走砲ということで装甲が薄く、前線には立てない地味な存在ではあったが、終戦まで後方からの支援任務を確実に遂行した。

 ゲーム中ではヴェスペからの進化、150mm野砲、IV号戦車からの改良で得ることが可能である。
 砲弾数が減少して射程は1下がるものの、ドイツ帝国軍150mm野砲をそのまま自走式にしたような性能で、後方支援車両としては優れた火力として頼れる存在だ。
 防御力は皆無に等しく、うっかり前線へ突出するようなことが無いように気をつけたい。
 進化先は無いが、同様のコンセプトである別の兵種へと改良が可能であるため、余裕があれば試してみるのも面白いだろう。


デマーグ D7 (デマーク Sd.Kfz.10 対空車両)

 車体は大戦前より研究用として作られていた半装軌車であり、幾らかの試作車を経て正式化・大量生産化されたのがD7型、本車の車体である。
 この車体は主に牽引用に開発されたが、対空機関砲やロケット砲が搭載されるなど多くの兵器へと転用された。(多分、現在知られている以外の使い方もされているだろう。)
 対空車両としての本車「デマーグD7」は、この半装軌車に20mm対空機関砲を搭載したもので、機動力・対空火器を持ち合わせた事からドイツ帝国軍初の対空車両と言ってよい。

 初期型では防御用の装甲、火力不足が目立ち、特に防盾が無いという仕様は余りにも危うく兵員を危険に晒したため、これは後に改良されている。
 簡易な対空車両であったが運用性は良好であったらしく、正式な対空戦車採用後も意外と大戦終盤まで長く生産は続いたが、生産数自体は少なく大量配備には至っていない。
 どちらかと言えばどの国にも見られる「場当たり的」な対空車両ではあったが、対空火器と機動力の組み合わせを導き出し、後の対空車両・戦車のあり方を導き出した。

 ゲームでは序盤から安価に即生産が可能となっており、火力はやや劣るものの機動力があることから初期の対空火力としては使い勝手は上々である。
 その性質から対地攻撃への投入は無謀だが、コストが抑えられている点は評価が高く、本来の対空任務では被害を気にせず前線へ積極投入できるだろう。
 進化先はSdkfz7/1(時機到来により即生産も可能)で、地味ながら堅実な性能向上が見込まれることから、即生産・進化の解禁と共に速やかに引き継ぎたい。


Sdkfz7/1 (対空車両)

 Sdkfz7ハーフトラックに20mm4連装対空機関砲を搭載したもので、対空戦闘のほかに地上への機銃掃射などにも使用された車両である。
 車体は牽引・輸送を目的として開発されたもので、88mm高射砲の牽引、人員移動などに広く使われていた事から知名度も高く、大戦を扱った映画、ゲームでもおなじみだ。
 牽引力(搭載能力)、不正地の走破性に優れていたことから装甲部隊随伴の対空車両への転用には最適な車両で、地味に旋回能力なども高かったことから実用性も高かった。

 武装面は20mm機関砲が採用され、一発の火力は大きいとは言えなかったが4連装と言う仕様から打ち出される弾数は半端ではなく、掃射を受ける側には厄介な代物であったと言う。
 随伴対空車両としてはバランスが良く優れた総合性能を持ち、搭載されていた機関砲は地上への射撃も可能であったため、対空・対地任務とせわしなく働きまわった。
 大戦後期には航空兵器の進化によって本車では明らかに能力が不足する事態に陥ったが、戦闘車両の不足からそのような状況下でも運用され続けている。

 ゲームでは序盤〜中盤にかけてデマーグD7からの進化、時機到来によって即生産が可能で、安価な対空車両として実用性の高い存在である。
 非装甲扱いのため防御性能はほぼ無いに等しいが、代わりに運用できる年代にしては対空火力が高く、対人火力も高い点は地味に使いやすい。
 進化は38式対空戦車となるが、こちらは劣化が確定しているため、進化を控えメーベルワーゲン(IV号戦車系(H型など)から改良)へ上手く繋げたいところである。


38式対空戦車 (38(t)対空戦車 対空戦車)

 度重なる戦略・戦術の失敗から制空権の弱体化を招いていたドイツ帝国軍では、日増しに大きくなる空からの脅威に対抗するための専用車両が求められ、開発が始まった。
 一応、メーベルワーゲンは完成し配備予定であったのだが、ヒトラーの横槍によりこれの改良・生産延期が決定したため、それまでの繋ぎとして急遽、本車は開発されている。
 車体には38(t)軽戦車を用い、上に20mm対空機関砲を固定と形としては確かに対空戦車であったが、火力も装甲も低く、実質的には「一応対空戦闘が出来る」レベルであった。

 急造の低性能車両ではあったが、機動部隊に随伴できると言う点は陸軍としては非常に有用なもので、量産された車両は次々と装甲師団へ送られ配備がなされている。
 その性質から戦闘の激しい前線へ投入(主に西部)される事が多く、群がる敵空軍と交戦を続けたが、性能的劣勢に装甲不足ということから損害も大きく、失われた車両はかなり多い。
 メーベルワーゲンなどの本格的な対空戦車が完成すると、引継ぎの役目は果たしたとされ生産は停止され、後続の対空戦車達と順次交代していった。

 ゲームでは史実同様に火力不足の目立つ対空戦車で、中盤にSdkfz7/1からの進化、時機到来による即生産によって手に入れることが出来る。
 性能不足が明確であることから、これしか使えないならばどうしようもないが、それ以外ならば出来る限り本車の配備期間を短くし、Sdkfz7/1からメーベルワーゲンへとうまくつなげたい。
 進化先はメーベルワーゲンであるが、メーベルワーゲンは後期4号戦車(H型)からの改良で楽に得られるため、わざわざ本車を経由する必要が無いのが救いだろう。


メーベルワーゲン (対空戦車)

 VI号戦車の車体に搭載した「戦闘時に展開される四方の装甲版・戦闘室」が特徴的な対空戦車であり、その景観から家具運搬車:メーベルワーゲンとあだ名される。
 37mm対空砲が搭載され(当初20mm対空砲が搭載される予定であった)、いち早く戦場へとの要望もあり仮生産という形で量産に入った。
 戦闘結果はあまり残されていないようだが、当時のドイツ軍では制空権が徐々に失われつつあり、連合軍の空襲、特に襲撃機の到来時には苦い経験をすることが多かった。
 このことから、配備先の戦場では激戦が予想され、相当の活躍をしたと思われる。
 本車は正式な対空戦車登場までの繋ぎとして仮採用されたようなものであるが、後継機の開発の遅れから終戦まで主戦力として任務を全うし、多くの兵士を空襲から守った。

 ゲームでは時機到来によりIV号戦車系(H型など)から改良、即生産が可能である。
 対空戦車は全般的にコストが安く、量産がしやすいため、コストの高い航空ユニットを落とすのに非常に適した設定であることが多い。(この事は覚えておくと役に立つだろう。)
 よって、即生産が可能であれば、戦闘機、88mm対空砲とのコンビネーションで損害を恐れず積極的に運用していきたい。
 性能はいたって普通となっており、火力・精度共にまずまずで、戦闘機や爆撃機、軽攻撃機が相手ならば問題なく迎撃が可能、装甲車、歩兵程度ならば地上戦も可能である。
 本車は、事実上、キャンペーンで使える最上位の対空戦車であり、進化先のヴィルベルビンドは弱体化という結果が待つため、うっかり進化しないよう気をつけたい。


ヴィルベルビンド (ヴィルベルヴィンド 対空戦車)

 メーベルワーゲンは強力な火力を誇る反面、戦闘時は上部装甲版を開く構造であったため戦闘体制が整うまでに間が生じ、さらに射撃手をむき出しにしてしまう欠点があった。
 このため乗員を保護する装甲板を求める者は非常に多く、本車はこの要望を満たすためIV号戦車をベースに開発され、簡易ながらも乗員を保護する装甲板を与えられている。
 相変わらずオープントップである点は変わり無かったが、ほぼ全周囲に対応する装甲板はある程度防御性能を高める事に成功し、なんとか乗員を保護できるようになった。

 本車は確かに防御力向上に成功はしたが戦闘室と言える部分は狭く、搭載された機関砲もSdkfz7/1と同じであったため、得たものよりも失ったものの方が多いとも言える。
 特に全盛期のレシプロ機相手にはメーベルワーゲン以下の20mm機関砲では明らかに火力不足で、撃墜よりも牽制が精一杯であったため、生産計画は大幅に縮小された。
 一部はある程度の活躍を見せたが新規生産はほぼ皆無、車体は修理で戻ってきたIV号戦車が使われる有様で、万事が思惑通りにいかない事を実感させられる兵器であろう。

 ゲームでは「実質的な最終進化」の対空戦車で、メーベルワーゲンから進化で得る事ができる、が、その能力値の低さから進化というよりも退化と言ったほうが正しい。
 本車への進化がほとんど罠同然であり、メーベルワーゲンからは実質弱体化、オストウィンドへは進化表に繋がりがあるものの進化不可という意味不明な物体となっている。
 そういった理由からドイツ帝国軍の対空車両・戦車は実質的にメーベルワーゲンが一番使いやすく、そこで進化を止めておくのが一番無難だろう。


オストウィンド (オストヴィント 対空戦車)

 ヴィルベルビンドと同様にメーベルワーゲンの後継として計画され、IV号戦車をベースに開発された対空戦車である。
 本車はそれまでの対空車両・戦車の反省点を多く改善し能力を順調に伸ばした車だったが、本命のクーゲルブリッツ対空戦車が後に控えていた事から生産数は極めて少なかった。
 IV号戦車を基礎にしていた点はヴィルベルビンドと大差ないが、機関砲は37mmに強化され、車体もこの大口径機関砲に対応させるべく多くの改良が加えられた。

 戦闘室は当然全周囲装甲板で保護されメーベルワーゲンの防御力を上回り、37mm機関砲は弾幕の厚さでは20mm機関砲に劣るものの、射程・火力はそれを大幅に上回っていた。
 性能的は良好だったようだが、目だった戦闘記録は無くどの程度の活躍があったのかは明確では無いが、武装を強化したII型が計画されていた事から恐らく有用であったのだろう。
 もっとも仮に性能が高くとも先述の生産計画に加え、生産工場が早期に連合国側におちたこともあり、生産数は50に届かずその数はあまりにも少なすぎた。

 ゲームではドイツ帝国軍最強の対空戦車だが、キャンペーンでは生産・進化不可と謎のユニットであり、実質的に運用不可である。(もしかすると意外な物から作れるのかもしれないが)
 よってキャンペーンでは進化表でその性能を見るだけとなってしまうのだが、その性能の高さから運用できない事が非常に惜しまれる。
 一部のマップでその存在・生産を確認できるが(作戦の瀬戸内海など)、結局、通常のキャンペーンではメーベルワーゲンを使う事になるだろう。


88mm Flak 36 (牽引高射砲)

 アハト・アハトの名でお馴染みの、高射砲としても対戦車砲としても強力なドイツ帝国軍の牽引式高射砲である。
 当時、時代の流れに沿って次々と新技術を取り込んだ航空機は、もはや旧式の対空砲での撃墜は難しくなりつつあり、各国では新型対空砲の配備を早急に行う必要があった。
 ドイツ帝国でもそれは同様で、当時の帝国国内ではやや旧式な18式高射砲を運用していたが、これにクルップ社がアップデートを行い、36型(本砲)として登場する事になる。

 主要連合国軍の高射砲が75mmであるのに対し、88mmという口径は極めて高い破壊力で、持ち前の精度の高さもあり、対空攻撃だけでなく対地攻撃も使われるほどであった。
 III号・IV号戦車など主力戦車が敵戦車の装甲を貫通できないのに、本砲はあっさり貫通するということも多々あり、そのことからも強力な火力であったことが伺える。

 ゲーム中では初期から生産が可能であり、対空射撃はもちろんのこと、精度22という性能を生かして対地射撃も行うことが可能である。
 前述のとおり、主力戦車が頼りない時期から生産が可能であるため、火力不足の時にはうまく運用することで大きな戦力になるだろう。
 ただし、防御性能は皆無に等しく、前線に出すとあっさり全滅ということもありうるため、過信しすぎる運用は禁物だ。
 進化先は88mm Flak 41で射程がさらに1伸ばすことが出来る上、改良では自走式にすることもでき、実用性は非常に高い。


88mm Flak 41 (牽引高射砲)

 大火力を誇るFlak 36に大口径化のバージョンアップを施した高射砲であり、口径がL56からL74とさらに長くなった分、36型に比べ射程を30%前後伸ばすことに成功している。
 その火力はもはや牽引高射砲というレベルではなく、拠点に固定設置する高射砲と似たような威力であり、120mm前後の固定高射砲と比べても劣らないものであった。
 アハトアハト種の中でも極めて高い性能を誇る本砲ではあるが、構造の割りにあまりにも威力が高すぎ、故障がやや多くなってしまった点が最大の弱点である。

 この種の砲はいくらかあるが、L56を用いた初期の18、36型を初めとし、半機械化式の特殊な37型(L56)、果てはL88を用いた37/41型というものも存在する。
 本砲はその中でもかなりバランスの取れたものであったが、生産の遅れやトラブルから思うような量産が進まず、この種としては生産門数が少なかった。
 対戦車戦もこなせるよう工夫がなされており、実際、そちらでも活躍しているのだが、もしかすると対戦車戦闘を考慮したこの辺りの設計が故障を誘発していたのかもしれない。

 ゲームでは中盤〜終盤に差し掛かる辺りに36型から進化できるようになり、一部のマップでは即生産も可能で、その威力、射程は共に36型を上回る。
 相変わらず張りぼて並みの防御力には不安があるものの、地対空は脅威の射程、地対地では戦車砲に劣らぬ火力と戦力としては申し分のない性能だ。
 射程の長さからそのままでも十分な戦力だが、終盤には自走化改良が可能であるため、野砲などでうっかり被害を受けぬよう気をつけながらうまく改良したいところである。


105mm野砲 (10.5cm leFH 18 牽引榴弾砲)

 再軍備宣言をする前から密かにラインメタルで研究開発され、開戦前に正式採用、そして安定的でオーソドックスなスタイルから多くの部隊に配備された野戦砲である。
 大戦においては多くの野戦砲が誕生しているが、本砲は機械的に標準的であった事から兵にとっては馴染みやすく、性能が安定していたため改良も続き、終戦まで運用された。
 初期型は牽引の方法や発砲後の反動の吸収方法にやや難が見られ、飛距離においても進化途上であったことから、この面では改良が積極的に行われている。

 また、本砲の改良型は自走式榴弾砲ヴェスペに採用されたり、III号突撃砲StuH 42などに採用されるなど、他兵器などへの転用も積極的に行われ、幅広く使われた。
 平凡な砲ではあったがその分信頼性は高く、ドイツ帝国軍はもちろん、協力関係にある国にも輸出されるなど、自国のみならず国をまたいでも使われている。
 榴弾砲という地味な存在ではあるが、開戦から終戦まで長く堅実な働きを見せ、初期の攻勢から末期の守勢にまで多くの場面で活躍した。

 ゲーム中では序盤から即生産が可能であることから被害を気にせず使え、火力・射程共に平均的な性能であることから癖も無く扱いやすい野砲である。
 牽引砲の弱点である防御力の低さは本砲でも見られるため、前線付近へ配置する性質を考慮し、出来る限り優位な位置に展開して砲撃を行いたい。
 序盤から150mm野砲への進化が可能で、中盤にはヴェスペへの改良も出来、汎用性にも優れている事から数門は持っていても損はないだろう。(※ヴェスペは中盤過ぎに即生産可)


ドイツ帝国軍歩兵 (歩兵)

 どうしても陸上兵器にばかり目がいってしまいがちなドイツ帝国軍戦力であるが、歩兵戦力の規模も当時の一国の軍としては大規模なものであり、様々な特徴がある。
 特に教育・訓練に関しては共に極めて質の高いものであり、他国の同階級歩兵と比べ数段上の能力を持ち、消耗の少ない大戦中期までは非常に高い戦闘力を誇っていた。
 装備品においても、部隊の構成人数がある程度になると配備される機関銃、後期に猛威を振るったパンツァーファウスト(シュレック)など、独特の能力・考え方が導入されている。
 また、兵科によっては大戦中に「擲弾兵」という呼称が導入されており、歩兵という種において戦意高揚他、存在以外の何か「特別な意味合い」を持ち合わせていたようだ。
 反面、国力の関係で問題も多く、機械化の遅れや、自動小銃・短機関銃が隅々まで行き渡らないなど、ドイツ帝国軍の歩兵には常に生産・供給力不足が付きまとっていた。
 そして、激戦が進むに連れて被害が大きくなり、連合軍との戦況が攻守反転する頃には兵士の質、装備品の供給量が落ち始め、徐々にその能力を落としていくことになる・・・。

 ゲームでは主役国に見合う多くの歩兵が登場し、歩兵、エリート歩兵、装甲敵弾兵、降下猟兵、擲弾兵、SS装甲擲弾兵とバリエーション豊かである。
 中でもエリート歩兵、装甲擲弾兵、降下猟兵、SS装甲擲弾兵の使い勝手は良好で、SS装甲擲弾兵に至っては全参戦国の歩兵中で、最高の戦闘能力を誇る。
 中盤からエリート歩兵→降下猟兵への進化が出来なくなる以外は大きな問題も無く、歩兵が優秀とされる大日本帝国軍歩兵との比較でも劣る部分はほとんど無い。
 前述のとおり、中盤以降は降下猟兵の確保だけが問題となるため、降下猟兵が必要であるなら、中盤までに必要な分を揃えておきたいところだ。


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九四式軽装甲車 (装甲車)

 部隊の機械化を推し進めるために大日本帝国軍が開発した車両で、元々は装甲車両としてではなく弾薬などの運搬車両として計画されていた車両である。
 開発時には優秀なイギリス帝国のビッカース豆戦車が手本とされ、これにサスペンションの改良、溶接方法の変更などが施されたことで非常に優れた車両として完成した。
 車両をさっそくテストしてみたところ、軍部の期待以上に高い機動力、運用性が確認されたため、この時点をもって運搬車両ではなく装甲車として区分の格上げがなされた。

 元は運搬車両とは言えども、一応は薄い装甲が施され、小口径機銃も装備されていたため最低限の戦闘力は確保されており、使い勝手の良さから多くの任務に採用された。
 前期型でも運用性は十分であったが、後期型では足回りの改良、運用方法を広めるための改良も施され、より安定性の高い車両として完成度は上がっている。
 激しい戦闘には耐えられない車両であったが、軽快さと軽量さのバランスが良く悪路にも強かったために重宝され、前線を退いた車両も終戦まで大事に運用された。

 ゲームでは序盤から即生産できる「極めてコストの安い偵察車」として登場し、貧弱な陸軍が待ち伏せに合わないよう索敵範囲を広めてくれる重要な車両である。
 装甲は無いに等しく武装も機銃のみのため戦闘力は著しく低いが、偵察用ユニットとして移動力6、索敵範囲4という性能は頼もしく、コスト安からほぼ使い捨て感覚で使える。
 序盤から九七式軽装甲車、九五式軽戦車へ進化・改良も可能だが、これらが即生産できる時期は早い上、装甲車・軽戦車にそこまで手間をかけるかどうかも一考したい。


九七式軽装甲車 (テケ 装甲車)

 日本軍が歩兵の機械化を促進するため、開発された装甲車である。
 機械化はもとより自動車化すら遅れていた日本軍にとって、貴重な機械化資源として重宝され、終戦まで使用された。

 前身は九四式軽装甲車であるが、九四式が機銃のみの武装であったのに対し、本車は37mm砲を搭載し、火力が強化されている。
 また、火災の発生しやすかったガソリンエンジンをディーゼルエンジンに変更したのが大きな変更点である。
 他にも細かい改修は数多く行われ、初期のマレー戦では九七式中戦車と共に大戦果を上げた。
 大戦末期では侵攻作戦が行われることもなくなり、その機動力を活かすことはなくなったが、貴重な火力として最期まで大切にされた。

 ゲームでは移動力7、索敵範囲4と完全な偵察用ユニットとして活躍する。
 日本軍戦車伝統の装甲が紙という性質を受け継いでおり、対空防御10、対地防御5と歩兵よりも貧弱な装甲であり、無謀な行動は控えたい。 (記述修正)
 どちらかといえば役に立たない部類のユニットではあるが、$250と極端にコストが安いため、レーダーとして大量生産するのも面白いかもしれない。


九五式軽戦車 (ハ号 軽戦車)

 一気にとはいかずとも着実に自動車化・機械化を進めていた大日本帝国軍は、中国方面の小競り合いで思わぬバランスの崩れに直面してしまった。
 その「崩れ」とは当時の主力戦車、八九式中戦車があまりにも遅すぎ、自動車化・機械化した部隊と連携・随伴できないというもので、本車はそれを補うべく誕生している。
 技術力の関係から大馬力エンジンの使用は当然無理で、八九式中戦車と同等のエンジンが採用されたが、これは機動性を得るには軽量化が必須という事を同時に意味していた。

 機動性確保のための軽量化、小型化は徹底され、主砲は小さいものをと37mm砲が、合わせて軽装甲も採用され、戦闘力的には低火力・低防御力と褒められたものではない。
 だが、それだけ徹底的な機動力強化・軽量化がされたゆえに悪路の多い中国方面では機動力に優れ、太平洋戦線では力不足でも輸送し易いなど、幾つかの良い面もあった。
 後継に恵まれず使い続けられた点、性能がアンバランスな点から一般的な評価は良くないが、運用方法に問題があったため上手い運用がされていればと悔やまれる。

 ゲームでは軽戦車として登場し、コストが安く索敵に優れ、序盤に九四式軽装甲車からの進化、時機到来により即生産で手に入れることが出来る。
 機銃のみの九四式軽装甲車に比べ主砲がついたことで戦闘力は向上しているが、火力は低く装甲も薄いために戦闘では期待できないため、索敵任務に専念させるのが良いだろう。
 進化先は九八式軽戦車になるが、大日本帝国軍の装甲車・軽戦車の性能はほぼ横ばいであるため、進化元からも進化先にも「進化」を行うこと自体あまり必要無いかもしれない。


九八式軽戦車 (ケニ 軽戦車)

 九五式軽戦車の後継として開発・運用された大日本帝国軍の車両であり、九五式軽戦車の良い部分を残しつつ新たな技術を投入した同軍軽戦車としては野心的な車両である。
 九五式はアンバランスな点が不評であったものの戦車兵にとっては慣れ親しんだ車両になっており、配備からしばらくは新たな要望や後継車の話は出なかった。
 軍部でもそのような状況から何の話も出なかったが、時代の流れと共にやはり相応の後継車が必要であるとの声が上がり、実に九五式から5年の歳月を経て登場した。

 九五式に比べ多くの新技術・戦車理論が取り込まれており、設計、武装の設置方法、装甲の施し方、足回りなど当時の大日本帝国軍としては極めて先進的であった。
 それらの要因に恵まれ「高性能なはず」であったが、戦局の劣勢から来る国力低下、二式軽戦車の採用が早かった事、九五式が幅を利かせていた事から生産数は極少数である。
 登場時には既に軽戦車という区分に無理がある時勢の上、生産台数の関係から戦場に赴く車両も少なく、実際の運用記録や気になるような逸話はほぼ無いと言っていいだろう。

 ゲームでは大日本帝国軍の索敵用兵器最上位として登場し、中盤以降に九五式軽戦車からの進化、一部マップでは即生産にて手に入る。
 性能的には九五式と大差は無く、同軍の偵察車・軽戦車の例に漏れず低性能でほぼ索敵用という位置付けは変わらないため、出来る限り戦闘を避けて運用すべきである。
 終盤に差し掛かるあたりに試製対空戦車ソキへと改良が可能になるが、こちらは別の兵器へと様変わりしてしまうため注意が必要だ。


八九式中戦車 (中戦車)

 大日本帝国初の国産・正式化された戦車だが、やはり当時の日本では独自の開発は難しく、実際にはイギリスの戦車を参考に開発されている。
 しかしながら、自国で戦車を生産・開発できるということは大変有利な事であり、試作型も含め本車の成功は大日本帝国の戦車開発に影響を与えたようだ

 初の国産戦車ということもあり、武装、装甲、機械特性は良いとは言えず、一部武装が違う、始動に長い時間がかかるなど、改善すべき点が多く、これが後の改良に繋がった。
 また、装甲は、当時の鉄鋼技術では装甲鉄板を作れる工場が殆ど無く、これらはごく一部の工場で生産され、溶接技術も低かったためにリベット止めが多用されている。
 そのために対ソビエト戦では火力が足りない、BT戦車をまともに撃破出来ないなど、脆弱な点が幾つも明らかになり、問題点が完全に露出する形となった。
 性能的には大戦初期で運用を打ち切られるべきレベルではあるが、慢性的な火力不足から戦場に借り出され、被害を出しつつも戦闘に参加するという悲惨な運命をたどった。

 ゲーム中では中戦車とは名前だけの、実質、遅い装甲車並みの扱いとなっている。
 特に優れた面は無く、むしろ劣るところしかないという、極めて扱いづらい戦車で、本車を生産するくらいならば、歩兵か野砲を生産する方が有意義だろう。(筆者の考えによる)
 しかしながら、進化先は大日本帝国唯一の重戦車(まあこちらも性能は・・・)となっており、1、2ユニット程度ストックしておけば面白いかもしれない。


九七式中戦車/改 (九七式中戦車チハ/改 中戦車)

 国内での人気は高いが、スペックは他国軽戦車並みであり、性能的には列強の中でもかなり下の中戦車である。
 元々のチハが短砲身57mm砲であったのに対し、チハ改においては長砲身47mm砲へと変更されており、幾らかの火力強化が施されている。
 登場時した時点で主砲の47mm砲はすでに時代遅れとなっており、主敵国であるアメリカの中戦車シャーマンに対しては、常にかなりの不利を強いられることになった。

 日本での兵器開発は大陸国家と違い、日本人の体格、渡海、鋳造等の技術レベル、他多くの点を考慮する必要があったらしく、本車の開発にもかなりの苦労があったようだ。
 ある程度の規格統一はとられていたようだが、同じ部分でも一部の部品では複数社の微妙に違う部品が混在していたらしく、メンテナンス性はあまりよくなかったらしい。

 ゲーム中では大日本帝国軍の陸戦兵器性能、質の悪さがどうしても目立つが、軍がしてきた戦闘内容、陸戦思想の発達の遅さを考えると仕方のないことであると思われる。
 例外なく本車の性能もかなり劣ったものであり、中盤以降、他国歩兵が対戦車携帯火器を持つようになると著しく損害数が増えるようになる。
 本車を大量配備するプレイスタイルはお勧めできないが、大量配備するならばできる限り損害が少なくなるように戦局を見極めて運用したい。



coffee break
〜大日本帝国の戦車事情〜

 一般的に大日本帝国の戦闘車両、特に戦車は非力で弱いとされている。しかし、実際には八九式中戦車は登場当時、列強他国の戦車に比べてもそれほど劣る戦車ではなかったし、大戦全般で運用された九七式中戦車(/改)もやはり登場時はそれなりの戦闘力を持っていた。問題は、なぜ戦いが長引いても進化が滞り、開発実用化が進まなかったのかである。

 筆者が考えるだけでも理由は幾つもある。まず、大戦前から戦っていた中国軍を相手に強力な戦車は不要で、戦車が注目されていなかった事。本国が島国であったため戦車よりもまず軍用機、軍艦の確保が優先された事、また、このため後継戦車の開発が後回しになっていた事。次に他国が次々と戦車を進化させていく中それに接する機会がほとんど無く、仮にその情報が手に入ってもごまかしの対応(小改良)だけで他国戦車を上回るものを積極的に作ろうとしなかった事。そして輸送船、港などのインフラが十分でなかった事から運搬に制限があった事などである。むろん技術的な問題もあったし、その他も挙げればきりがない。仮に重量のある強力な戦車を開発できても大量に作れる国力はなかったし、出来上がったそれを前線に運ぶ事も当時の大日本帝国では難しかったのだ。技術大国の大日本帝国でもそれまでの戦いから得た古い戦訓や地理的な影響はどうしようもなかったと言える。つまり、弱かったと言うよりも必然的にそうなったと言う方が正しいのだろう。

 また、人間的な視点で見ると当時の日本人の体格では人力で大口径砲弾の装填や重車体の操作が出来るとは思えず、強力な戦車を作っても運用自体難しかったかもしれない。


一式中戦車 チヘ (中戦車)

 九七式中戦車は登場当時こそ世界最高レベルの戦車ではあったが、搭載された57mm短砲身では戦闘能力に不安があると判断され、開発・正式化されたのが本車である。
 本車の車体は鋳造を多く用いられて作られており、リベット止めを多用して作られた九七式中戦車などの装甲に比べ、ある程度だが高い防御力を実現している。
 一方で主砲はより大火力のものを求められたものの、物資事情から従来の戦車と共通化を目的として47mmが採用されており、火力的には殆ど変化が無い。

 戦況の好転が見出せない中で生産は続けられたが、その殆どは本土決戦に温存されており、戦闘に参加することはほぼ無かった。
 なお、本車の生産と九七式中戦車改の生産は時期的にかぶっており、生産現場では全体的な生産効率がかなり下がったようである。

 ゲームでは時機到来により進化・生産が可能となる。
 九七式中戦車改同様、47mm砲の火力・精度は極めて低く(精度は13)、練度が極端に高くなければ先制を取るのは難しいだろう。
 鋼鉄の旋風では、大日本帝国軍の練度が全般的に優遇されているため、ある程度は戦えるが、純粋な兵器性能が高いわけではないので、過信は禁物である。
 中戦車としてのコストが極端に低いのが救いだが、進化による強化を考えるならば進化まで気を抜かず、出来る限り損害を最小限におさめるよう、運用したい。


三式中戦車 チヌ (中戦車)

 新型シャーマンなどの登場により、かなりの劣勢に立たされた大日本帝国陸軍は、十分戦える戦車が必要と考え、極端な短期間で開発・生産が行えるプランを打ち出した。
 結果として登場したのが、野砲を流用して作られた75mm砲を持ち、一式中戦車の車体に装甲追加・改良を施した本車である。
 本車はカタログスペックは優れて見えるものの、75mm砲は調整不足であり、無理に一式中戦車の車体を流用した事で各部に負荷が生じ、速度低下など様々な不利が生じた。

 速度は同時期の他国重戦車並みの鈍足であってチハ同等、75mm砲は調整不足・砲弾の低品質から性能的にはドイツ帝国の50mm砲と同程度かそれ以下の性能と思われる。
 重量は18tを超えており、このクラスから上は一般輸送船の標準的なクレーンでは吊り上げが出来ないため、完成状態での戦車は輸送不可となる。(大型輸送船除)

 ゲームでの本車はそれまでの同軍戦車と違い、火力・精度ともに強化されており、九七式中戦車改、もしくは一式中戦車より進化、時機到来によって即生産か可能である。
 先に強化されているとは書いたものの、それは「比較的健闘している」レベルであり、練度優遇のない場合では他国中戦車にかなり劣る場合が多い。
 しかしながら、高練度ならば他国中戦車とも意外と撃ち合えるレベルであるため、高練度状態で即生産が可能であるならば積極的に使っていきたい。
 火力はある程度あり、移動力は5、ゲームなら輸送も当然可能、進化先は四式中戦車か自走砲と、後半の基礎的な戦車になるだろう。


四式中戦車 チト (中戦車)

 三式中戦車と同期・同様のプランにて開発が計画された戦車の一つであり、つい最近(2012年冬季)、浜名湖の底に眠っているのではと言われている戦車である。(現在調査中)
 完成しなかった五式中戦車とは違い、こちらは何とか完成までこぎつけたものの、ベースとなる戦車が完成した時点で終戦となり、惜しくも量産には至らなかった。
 それまでチハ系車両を基礎とする戦車が多かった大日本帝国としては珍しく最初から「対戦車戦」を考慮した戦車であり、その設計思想は今までのものよりも高度なものであった。

 主砲には初期試作型が57mm、後期試作型は75mmの砲が搭載されテストが行われていたが、戦況・火力の高さなどから後期試作型が本採用され、75mm砲の搭載が決定している。
 生産方法もそれまでのものと違い、多くの部分に鋳造が採用されリベットが排除されていったが、技術力の低さから最終工程の組み立てではかなりの苦労・工夫があったようだ。
 従来の大日本帝国戦車から遥かに進化し洗練された戦車であったが、その誕生はあまりにも遅く、戦場を駆け巡ることは無かったのである。

 ゲームでは終盤に登場し、三式中戦車からの進化、一部マップでは即生産で手に入るが、進化元の三式中戦車との比較でも性能は差ほど変わらないため、高練度は必須である。
 中戦車とは言うものの、同時期の他国中戦車との比較では戦闘力はまだまだ足りず、練度が足りなければアメリカ軍軽戦車チャーフィー相手でもやや危ういレベルである。
 本車も「大日本帝国軍の戦車は弱く、使い方が難しい」という例に漏れないため、気をつけて運用し、うまく進化先の五式中戦車につなげていきたい。


五式中戦車 チリ (中戦車)

 日本軍が開発していた中戦車である。
 戦車そのものの重要性を理解していなかった日本軍では、常に慢性的な火力不足、被弾時の損害に悩まされていた。
 そこで本戦車の開発を含む戦車の仕切り直しが始まったのだが、いかんせん始めた時期が遅かった。

 ようやく開発の始まった一式〜五式も、一式戦車の一部が戦場に出始めた、もしくは本土用に配備され始めたところで終戦を迎えてしまう。(二式は砲戦車)
 五式戦車はとうとう完成することはなかったのである。

 ゲーム中では88mm砲を搭載し、日本軍最高の火力を誇り、牽引砲メインの日本軍に機動力を与えてくれる。
 しかし、日本軍最高とはいえど他国中戦車同等かやや劣る程度で、無傷の状態でも一回の戦闘で全滅することもしばしば。
 大量配備をするには、多少の損害には目を瞑る愛情が少しと、種となる三式・四式中戦車の運用を神経質に行う必要があるだろう。


特二式内火艇 (特二式内火艇カミ 中戦車 ※内火艇の読みは「ないかてい」「うちびてい」の二通りで、どっちでも可)

 大日本帝国海軍でも他国海軍同様に陸戦部隊を保有していたが、これらの部隊が上陸作戦を遂行する場合、同時投入できる戦闘車両が存在しなかった。
 これは配備されていた戦闘車両がいずれも陸上用のものであったためで、当然のことながら海上からの侵攻、防水・水上運用を考えられていない事が原因である。
 上陸作戦に機動力、また支援火力は必須と考えた海軍では陸軍に強力を要請し、九五式軽戦車をベースに水陸両用戦車の共同開発を行い、その成果として本車は誕生した。

 車体仕様はほぼ九五式軽戦車に準じたが、防水加工に加え着脱式フロートが装備可能になるなど改良は本格的で、フロート装備で上陸後それを外して戦車化する機構になっていた。
 武装については主砲37mm対戦車砲、副砲に機銃を搭載しており、これは後期型九五式軽戦車同等の装備で、戦闘能力は高くないものの最低限の火力を与えられている。
 水陸両用の利点は重宝がられ、主に南方への戦力増強・支援・物資輸送のため積極投入されたが、性能の低さから被害も大きく、激戦区では大きな出血を伴った運用が行われた。

 ゲームでは中盤すぎあたりから登場し、区分はなぜか中戦車、ほぼ独立した存在として即生産で運用する事が可能となっている。
 性能はまったく期待できないレベルで火力不足、防御力不足は顕著、唯一の取り柄である「川を渡れる」能力を評価に足してもなおマイナス面が目立つという具合である。
 一応は中戦車だが、実質的な能力は装甲車以下で良い点はほぼ皆無であるため、本車を導入するくらいなら同じコストで複数歩兵を生産するほうがマシかもしれない。


試製超重戦車オイ (オイ車 重戦車)

 大戦前に続いたソビエト軍との小競り合いで他国戦車に遭遇した大日本帝国軍は、自国戦車の貧弱さを身をもって体感し、この点を重大な弱点と認識するに至った。
 陸軍内部ではこの問題を克服すべく、まずはともかく丈夫で巨大な戦車を試作すべしと秘密計画は立ち上がり、先に100トン戦車そして次に本車がという経緯で試作されている。
 同軍戦車としては贅沢に資源が使われ、分厚い装甲は最厚部で200mmを誇り、武装も主砲105mmカノン砲、副砲47mm砲、加えて機銃といわゆる多砲塔戦車であった。

 重量については様々な資料より120トン、140トンとあり明確になっていなが、筆者的には「ここまで重いとどっちでも同じ(実現不能的な意味で)」などとやや投げやりに思ってしまう。
 何せ10人前後を乗せて走る鋼鉄の家のようなもので、試走試験ではあまりの重さに舗装路が耐え切れず、通った道がことごとく破壊されてしまったなどと言う事もあったそうである。
 終戦間際、どうにかして前線へ送れないか試行錯誤し、分解して中国方面へ送る目処がついたところで終戦を迎え、結局、使われず、組み立てられずと不遇な最期を迎えた。

 ゲームでは中盤から終盤に差し掛かる辺りに八九式中戦車から進化が可能となり、装甲だけならば他国重戦車に匹敵する性能を誇る、あくまで装甲だけ。
 手に入れた直後は誰もが「念願の大日本帝国重戦車を手に入れたぞ」と歓喜するはずだが、実際の性能はどう表現したらよいものか、筆者も表現に困るほどである。
 最終進化ゆえ発展性も無く、対装甲火力はチハ改並、移動力は3と手に入れた後は使い道に困るレベルであり(牽制の壁としても頼りない)、完全に趣味の兵器だと言ってよいだろう。


一式自走砲 ホニII (一式十糎自走砲 自走砲:駆逐戦車)

 一式砲戦車ホニI(75mm砲搭載の自走砲)の成功から、より大口径のもの追求した結果開発された自走砲であり、性格的にヴェスペの影響を受けている車両である。
 車体はホニIとほぼ同等であるが、装甲は一部省かれており車体は比較的軽量で、ホニIを上回る大口径105mm砲を搭載しても機動力はそれほど落ちる事はなかった。
 本車の105mm砲は大口径のおかげで確かに大きな火力を持っていたが、この砲自体は単身砲であるために初速も遅く、飛距離も短いと対戦車戦には不向きである。

 元が傑作自走砲のホニIであったため、小さな車体に大口径砲といういびつな装備でもバランスは良好であり、採用時のテストでは砲撃、走行、運用性は良好であったと言う。
 量産が遅れたために完成した車両はわずかで、一部は前線へ送られたものの途中で船ごと撃沈されたり、本土に残ったものは決戦用に温存されたりと活躍は少なかった。
 大日本帝国軍としては割りとまともな流用・思想で作られた価値ある車両だと筆者は思うが、生産数や配備の仕方に恵まれず、不運な車両だったのではないだろうか。

 ゲームでは九七式中戦車系、一式中戦車からの改良、時機到来による即生産で手に入り、「なぜか」駆逐戦車という分類になっている。(配備先の影響かもしれない)
 活躍がほぼ皆無であったために分類は開発者もかなり迷ったと思われるが、ともかくこのゲームでは欧州の榴弾砲駆逐戦車のような扱いとなっており、はっきり言えば弱い。
 そこそこ安いというメリットはあるが、性能が低い上に進化がここで打ち止めとなるため、ゲームのユニットとしては使う必要の無い部類に入るだろう。


試製対空戦車ソキ (対空戦車)

 軍用機の発達に伴って空からの脅威を感じるようになった大日本帝国軍は、大戦前より対空車両の研究を行っていたがなかなか良い結果に結びつかなかった。
 本車はその経緯による副産物のひとつで、実践への投入を前提に開発されていたが結局能力不足から正式化されず、試作車として幾つかが存在していたにすぎない。
 車体には九八式軽戦車が採用され、対空用途に合わせた拡張・追加装甲が多く施されていたが元の車両の性能が性能だけに、この時点でやや無理があったのだろう。

 武装は連装20mm対空機関砲を採用しており、これは一つ前の試製対戦タセが酷い精度不足を抱えていた反省が活かされ、射撃精度よりも弾幕を張る事を優先した結果である。
 射撃に関する能力はそれまでの試製車よりも洗練され、使い勝手を考慮された戦闘室、全周回可能な砲座など考え込まれたものだったが、惜しくもそれが世に出る事はなかった。
 それまでの多くの反省点が改善され、また同時に多くの近代的な考えが導入された車両であったが、大日本帝国軍ではそれを理想的に実現するだけの力はなかったのだ。

 ゲームでは大日本帝国軍唯一の対空戦車として登場し、終盤に差し掛かるあたりに九八式軽戦車からの進化、一部マップでの即生産で手に入る。
 貧弱な同陸軍を象徴する兵器の一つであり、総合性能は低く対空火力としては余りにも頼りないと言わざるを得ず、正直なところ進んで使うほどの兵器ではないだろう。
 趣味の兵器という趣が強いが、部隊に入れておけばある程度の対空牽制には使えるため、最終的に運用するかどうかはプレーヤーの判断次第か。


一式砲戦車 ホニI (自走榴弾砲)

 慢性的な機械化の遅れは重要な火器である牽引砲まで及び、これを問題視した大日本帝国軍は、重火器の自走化を決定、試行錯誤が繰り返された上に完成へと至った。
 本車はその先駆けであり、九七式中戦車の車体に75mm主力野砲を搭載し、(前面のみ重点的にだが)大日本帝国軍戦車としては比較的厚い装甲を持つのが特徴となる。

 割と早い時期から正式化が決定されていたが、生産力の低さから生産は一向に進まず、大戦中期からようやく生産が開始された。(生産台数はやはり少ない)
 軽装甲、低火力に悩まされるのが慣例の大日本帝国軍戦闘車両としては、数が少ないながらも奮闘しており、成功した車両と言っても良い。
 本国配備にとどまらず、各方面へと送り込まれたが、何事も無く到着した車体は少なく、大きな戦果を挙げるにはあまりにも数が少なすぎた。

 ゲームでは後半に登場し、75mm野砲と同等の射程・火力を持ち、機動力の乏しい牽引野砲の補助、もしくは主力自走砲として運用する事になる。
 同じ間接攻撃のできる野砲に比べ、防御力が低い、弾数が少ない点は大きなマイナス要素だが、いち早く前線へ到達できると言う点では本車の存在意義は大きい。
 防御力に問題があるため、激戦の予想される拠点には多く野砲を、起動戦の予測される地域には少数の本車を、と、うまく使い分けるのが理想だろう。
 進化先は四式自走砲ホロで、75mmから一気に150mmへと火力が上がるため(射程も4Hへ上がる)、登場時からコツコツ鍛え、進化解禁後は積極的に進化させていきたい。


四式自走砲ホロ (自走榴弾砲)

 旧式な牽引榴弾砲をもてあまし気味で、これの有効活用を模索していた大日本帝国軍では、ドイツ帝国軍の歩兵砲を手本として独自の自走榴弾砲を計画した。
 車体には九七式中戦車のもの使い、そのうえに丸ごと牽引砲を搭載するような形で開発は進み、開発着手より数ヶ月で実戦投入と異例のスピードで実用化されている。
 設計時は小規模の改良が加えられていたようであるが、基本的に大規模な改良は行われず、防衛兵器とのことで防盾も薄い物となり、被弾性能は良くなかった。

 搭載された150mm砲の火力は大きく、フィリピンに実験投入された一部の本車が比較的健闘したが、投入台数の少なさから最終的に有意義な戦禍を得るには至っていない。
 構造的に対戦車戦も考慮されていた本車ではあるが、それを成すための数が足りない上に、砲撃時は周囲警戒等まともな支援が受けられず、常に厳しい戦いを強いられていた。
 大日本帝国軍としては異常な大口径砲であり、もう少し開発が早く、まとまった台数が投入されていれば戦場で大活躍できる場面もあったであろうに、その点が惜しまれる。

 ゲームでは終盤にさしかかるあたりで進化・改良が解禁され、一式砲戦車ホニI型からの進化、三式中戦車チヌからの改良で入手が可能となる。(進化はここで終了。)
 射程が4と短い上に弾数が少ないため、頻繁な補給を強いられる事になるが、150mm砲の威力はすまさじく、自走榴弾砲としてはかなりの火力を誇る。
 陸軍にとっては近衛兵、88mm対空砲、五式中戦車に次ぐまともな戦力であり、被弾に弱い弱点を上手くフォローして運用していきたい。


75mm対空砲 (八八式七糎半野戦高射砲 牽引高射砲)

 大日本帝国軍で標準的に使用された75mm口径の対空砲である。
 基本的な設計は旧砲の十一式に習って設計されているが、各部に改良が加えられ、高いポテンシャルを保持することとなった。
 反面、開発時には牽引のことも考慮されて著しい軽量化がされており、これが原因で大幅な耐久度の低下が発生、長時間・長期の運用で破損・損壊の恐れがあり難があった。
 本砲は大戦をとおして使用され、各地の戦場で必ずといってよいほど配備・運用されており、特に低高度に対しての敵機に対し、力強く砲火を浴びせた。

 ゲーム中では大日本帝国にとって無くてはならない兵器のひとつである。
 実際は耐久度の低い兵器であったが、防御力の優遇がされており、全ての防御力が50という異様な防御性能を誇る。
 火力的にはまずまずで、対地攻撃にも精度の低い(精度14)対戦車砲として使うことが可能だ。
 進化先は88mm対空砲と確実に強化が行え、火力不足の慢性的な大日本帝国兵器の中では貴重な兵器であり、常に多めにストック・育成しておきたい。


88mm対空砲 (九九式八糎高射砲 牽引高射砲)

 大日本帝国は太平洋戦線が開戦する前に中国戦線での戦いでドイツ帝国「海軍型」の88mm対空砲を鹵獲していた。
 この砲をテストしたところ安定した性能・扱いやすさを確認したため、まず一部国産化での複製が試みられ、この複製のテストでも良好な結果が得られた事から仮正式化された。
 当初は製造元のドイツ帝国クルップ社に無断で複製が行われていたが、三国同盟の成立後は契約に基づいたライセンス料が支払われ、名実共に同軍に組み込まれている。

 本砲はドイツ帝国陸軍で使われていた砲とは異なったもので、SK C/30という海軍仕様であるため、牽引式というよりも可搬施式とでも言うほうが正しい。(名にも野戦と付かない。)
 よって牽引にはやや無理があった事から金属の節約も兼ねてかなりの軽量が施されたが、それでも牽引式としては難があり、結局は腰をする施設作業がほぼ必須であった。
 構造的に牽引砲とはかけ離れた砲だったが、一度展開すれば威力は高く、機械的にメンテナンスにも有利であったため、本格的な高射砲として長く活躍した。

 ゲームでは75mm対空砲の進化から得る事が出来る大日本帝国軍の主力重火器であり、機動力以外の火力・射程・防御力の全てに優れ、非常に重要な位置に属す。
 他国の火器に比べれば火力は若干劣るが、代わりに防御力の高さは特に秀でており、本砲を要塞・都市などに施設すればそのヘックスは難攻不落に近い状態となる。
 防御性能が非装甲扱いであるため過信は禁物だが、対地対空に万能の性能を誇る事からストックを多めにし、重要な拠点には積極的に混ぜて戦局を優位に進めたい。


75mm野砲 (九〇式野砲 牽引榴弾砲)

 フランス製野砲を参考に研究を行い、技術を発展させて開発された大日本帝国の75mm野砲である。
 前身の三八式に比べ、飛距離、精度、操作方法が格段に向上し、大戦全般にわたり運用された。

 本砲の重量はそれまでの野砲よりも格段に重く、移動にはある程度の労力が必要であったようである。(とは言ってもほとんどは自動車化されていたようではある。)
 日本軍では他国戦車に対抗できる火器が少なく、常に火力不足が問題であったが、本砲はその数少ない重火器のひとつとして非常に重宝された。

 ゲームではコストはそこそこ、火力は控えめと一見火力不足の野砲に見えるが、その真価は打たれ強さにある。
 日本軍牽引砲は全般的に控えめな火力であるが、いずれの兵器も防御力が優遇されており、本砲においても各防御力は対空20、対地対艦50と非常に高くなっている。

 下手な戦車よりも頼りになり、進化先も105mm、150mmと確実に段階的強化をできることから、75mm対空砲とセットで多めに生産して育てておきたい。


105mm野砲 (九一式十糎榴弾砲 牽引榴弾砲)

 列強諸国の装備品が新鋭の物に切り替えられる中、野砲という分野においても小口径の物を大口径の物に世代交代させる流れが早まりつつあった。
 他国野砲が105mm、122mmなど3ケタ台の口径を持つのが一般的になると、大日本帝国軍でもこの流れに追随すべく、本砲の開発・配備が急がれる。

 本砲はフランス、シュナイダー社の協力によって開発されており、当時としては汎用性のある一般的・無難な設計となっており、この事からスムーズに採用となった。
 過去の野砲よりもやや重量は増えてしまったが、機動化に付いては良く考えてまとめられており、運用時の移動、牽引は他の砲よりもむしろ楽であったと言われている。
 他国の同クラス野砲の生産数にはかなわないが、採用後は国産化もされており、それなりの数が生産されていた。

 ゲーム中では火力が他国同クラス野砲と同等品質であり、大日本帝国軍の牽引砲と言う事で防御性能が優遇されている。
 75mm野砲からの進化で順当に性能があがっており、都市、要塞に配置すればちょっとした対戦車砲としての運用も可能と相変わらず使い勝手は良い。
 一方、即生産ができないため、うかつな設置で全滅させないよう気を使いつつ、進化先の150mm野砲にうまくつなげていきたいところだ。


150mm野砲 (九六式十五糎榴弾砲 牽引榴弾砲)

 大日本帝国軍では旧式化しつつある四年式十五糎榴弾砲の改良を行っていたが、実質失敗に終わったため「新規開発」によって本砲を完成させた。
 本砲では四年式十五糎榴弾砲の弱点であった射程距離の短さ、牽引時に必要な作業の煩雑(分解牽引など)さ、寒冷地での使いにくさなど多くの欠点が克服されている。
 軍縮時代の兵器である宿命から計画開始から運用開始まで長い時間がかけられており、その長い時間で練りに練られた設計は本砲の性能を大きく引き伸ばした。

 口径は前任と変わりはなかったが時代にあった標準的な装備品が施され、また、技術的にも板バネを導入した特殊な構造、自己緊縮法で作った砲など実に近代的であった。
 試作砲が中国方面へ実験投入されるとおおむね成功を収めた事から正式化・量産が行われたが、ここでも国力の乏しさが出たのか生産数は450門に届いていない。
 大日本帝国軍では間違いなく別格の兵器で、大戦全般、末期には沖縄戦にも投入され指揮官を間接的に倒すなど多くの活躍を残したが、運用では恵まれていなかったかもしれない。

 ゲームでは序盤から105mm野砲の進化で手に入れる事ができ、射程は4と抑え気味であるものの攻撃力は極めて高く、牽引高射砲、歩兵に次ぐ第三の主戦力と言ってよい。
 防御力は例によって優遇されており、これに大火力が加わるため後方からの支援火力としては実に理想的で、本砲の運用によっては戦局を大きく左右する。
 即生産できないため全滅しないよう気を付けて運用しなければならないが、積極的かつ的確な運用にて戦闘を優位に進めていきたいところである。


37mm対戦車砲 (九四式三十七粍砲:九四式37mm速射砲 牽引対戦車砲)

 支那事変、ノモンハン事件を戦い抜いた大日本帝国軍は、来たるべく将来、装甲車両によって戦いが広がることを予測し、これに対するための兵器開発を試みた。
 本砲はその結果開発されたもので、従来から運用していたそれまでの砲に比べ先進的で扱いやすく、中国での小競り合いから大戦終戦まで幅広く使われた砲である。
 砲身の関係から初速はそれほど高くは無いものの、装甲の薄いソビエト戦車、BT戦車などに対しては十分な火力を持ち、かなりの活躍を見せた。

 技術的に注目できる点も多く、運搬を考慮した丈夫な金属製車輪、改良を重ねられた照準機、考えられた上に誕生した豊富な種類の砲弾などは特に注目に値するだろう。
 しかし、その性能はあくまでも大戦前のもので、大戦初期を過ぎると火力不足は顕著となり、華奢な車体を守るためにトーチカ内で使われるなど運用方法は次第に変化していった。
 軽量で扱いやすく貴重な火力である事から各方面へ運搬・配備され激戦に投入されていったが、軽火器よりマシ程度の本砲を配備された部隊は落胆したのではないだろうか。

 ゲームでは「一応」登場するものの、防御力においても火力においても対空砲に劣るという訳のわからない状態となっており、良い点はコスト安程度しか無い。
 被害時の補充は早いものの、それを計算に入れても生産するメリットは無いに等しく、存在意義すら薄いだろう。(一応、装甲車、軽戦車程度ならば牽制できるが。)
 進化先は47mm対戦車砲だがこちらも性能は微妙であることから、大日本帝国では本種を忘れ、対空砲を対戦車砲として運用したほうが効率は良くなる。


47mm対戦車砲 (一式機動四十七粍砲:一式機動四十七粍速射砲 牽引対戦車砲)

 大日本帝国軍の37mm対戦車砲は火力不足に悩まされたもののある程度の成功を収めていたが、その問題はやはり大きく、より強力な砲が必要であるとの結論を導き出した。
 この答えとして開発されたのが47mm口径を持つ本砲であり、37mm対戦車砲と共に同軍の主力対戦車砲として正式採用され、大戦中期から続々と戦線投入されている。
 特徴的な部分は随所に見て取れ、特に同軍としては珍しく車両牽引を考慮されていたため、足回り(タイヤ、サスペンション)からは明らかに機動随伴を考慮していた事が伺える。

 砲自体は47mmと小さいものであったが、鉄鋼弾、榴弾の双方が運用可能で、小柄なサイズは優位な設置場所を得るに有用で、使い勝っては意外と悪くなかったようである。
 だが、鉄鋼業の劣る大日本帝国では良質な砲弾が生産できず、火力は他国同クラスの砲に及ばなかったため、結局、このハンデは現場の試行錯誤を重ねた運用でカバーされた。
 他国が次々と大口径長砲身砲に全てを最適化するさなか、陳腐化し時代に取り残されつつあった本砲だが、力及ばずとも各地に投入され激しい砲撃を行い続けた。

 ゲームでは37mm対戦車砲と同様の位置付けであり「一応」存在するレベルで、37mm対戦車砲からの進化で手に入れる事ができる。
 最終進化の対戦車砲であるが、本砲をもってしてもやっと装甲車・軽戦車と互角かやや劣勢程度の火力しか無く、高射砲の存在を考慮すると運用する価値はほとんど無い。
 手駒として初期配置されているなら拠点防衛などに使えなくも無いが、わざわざ本砲を育ててまで手に入れる価値はあるかと聞かれれば、否と答えるしか無いだろう。


大日本帝国軍歩兵 (歩兵)

 日本軍歩兵の特徴といえば、前時代的な旧式装備品に著しく低い機械化・自動車化率であろう。
 何しろ日本は国力の関係上、生産できないものが多く、それらは他国から購入したストック品で賄い、それ以外のものは何とか自国生産しているという状況である。
 結果、装備品は不足気味で自動車化率は非常に低く、機械化は戦車部隊に付き添う部隊のみという有様であった。

 教育レベルは高く、ヒューマンリソース的には恵まれていたものの、上記の理由から来る自動車化・機械化の遅れ、旧式な主装備品は軍の行動を著しく制限した。
 一部、銀輪部隊などの変わった移動手段を持つ歩兵部隊もあったが、多くの歩兵は自分の体重と同程度の装備品を持って歩かねばならず、進軍による消耗は大きかった。

 ゲームでは歩兵、近衛兵、自動車化兵、落下傘部隊を使用することになる。(主になるのは近衛兵)
 日本軍の歩兵、近衛兵は移動力に優れ、対司令部、対非装甲能力が特に高く、錬度の高さもあって対歩兵戦闘ではかなりの強さを誇る。
 一方でパンツァーファウストやバズーカのような対戦車火器を持たないため、重火器とうまく組み合わせて運用したい。


アメリカ合衆国
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グレイハウンド (M8 装甲車)

 ハーフトラックに37mm砲を搭載した車両を運用していたアメリカ軍では、戦闘能力や生存製の問題から正式な装甲車の開発を計画した。(元々は戦闘任務目的)
 本車の開発はフォード社が担当し、本業ならではのノウハウが生かされたためか、小型主砲を持つにも関わらず平地ならば90km/h前後の速度で走行が可能である。
 一方、不整地での走行速度は40km/hを若干上回る程度と各国装甲車の平均をよりやや劣るものであるが、平地での高速機動性もあって正式採用された。

 車輪は六輪、六駆という基本性能が高く、加えて前述の特徴もあり、それまで装甲車に見向きもしなかったアメリカ軍においても注目され、8,000台を超える生産台数を誇る。
 登場時には既に戦車の重装甲化が進み、搭載された37mm砲は期待された火力としては程遠いものとなったが、偵察、斥候任務をそつなくこなし、確実な進軍に貢献した。
 メンテナンス、運用性も非常に高く、大戦を初めとして大戦後もしばらくは西側諸国にて幅広く使われた。

 ゲームでは史実同様にほぼ偵察専用として序盤から即生産が可能だ。
 進化、改良も無く、完全な使い捨て扱いになるが、対空火力を持つため、航空ユニットの牽制にも使え、かつ移動力8という高速性を生かした遠地策敵も可能である。
 使い勝手は高く、練度によっては大日本帝国軍のチハ程度ならば撃退できる火力に加え、コストが非常に安いため、戦線によっては積極的に策敵運用していきたい。


スチュアート (M3 軽戦車 ※スチュアートはイギリス名)

 運用面で優れた性能を持っていた前世代の軽戦車、M2軽戦車の良い面を残しつつ、弱点部分の対策を施し、正式化されたのが本車である。(アップデートの意味が強い)
 本車は生産国であるアメリカを初めとし、イギリス、中国など連合軍で幅広く使われ、地味ではあるが偵察や対人任務など軽戦車としての責務を忠実に全うした。

 アップデートに伴い、M2軽戦車にて最大の弱点と言われた装甲はかなり強化されており、日本軍の軽戦車ではなかなか貫通が難しいレベルの装甲を持っている。
 また、機銃、主砲は特に大きな変更は無いものの(M2軽戦車比)、元々50口径37mm砲という軽戦車としては標準以上の火力を持っていたため、これは問題とはならなかった。
 しかし、軽戦車はあくまで軽戦車であり、戦車戦が重要であった欧州戦線では戦力として数えられる性能ではなく、生産数に比較して活躍の場は非常に少ない。
 唯一、大活躍したのが対大日本帝国軍戦で、こちらの戦線では通常戦闘も去ることながら、大日本帝国軍に鹵獲された本車が奮戦する逸話など、変わった事例も出ている。

 ゲーム中では序盤から生産が可能であり、安価、移動力が広い、策敵範囲が広い、と偵察任務に最適な兵器として存在する。
 また、対大日本帝国戦線では対戦車火力としても十分通用する性能で(練度は必要だが)、戦線によっては策敵、対戦車戦と活躍の幅は広がるだろう。
 逆に欧州戦線では主任務の偵察を専任させる事になるが、対空火力もあるため、うまく運用して敵航空機の牽制などにも利用したいところだ。
 進化はマイナーバージョンアップ数回→チャーフィーとなり、派手な進化は無いが、地味な能力上昇が期待できる。


チャーフィー (M24 軽戦車)

 大戦が進むにつれてアメリカ軍が得た戦訓は膨大なものとなっており、特に北アフリカで得た戦訓は極めて貴重なものであった。
 これらを考慮した結果、将来的に軽戦車においても大火力・高い防御力・多目的に使えるということが重要になるであろうとの予測が立てられ、ここから本車は誕生した。
 基礎的なコンポーネントは既存の戦車やM3軽戦車などから流用されているが、新技術の投入に加え傾斜装甲が取り入れられ、軽戦車としては高い性能をもっている。

 主砲には75mm砲が搭載され、前述のように傾斜装甲の採用もあって攻守のバランスは優れたものであったが、所詮は軽戦車ということで対戦車戦闘には限界があった。
 欧州戦線ではある程度の活躍を見せ存在感を示したものの、正直なところ大戦での活躍よりも、戦後の朝鮮戦争への投入や自衛隊へ配備された事の方が有名かもしれない。
 本車は運用性などに優れ、比較的手軽に扱えることから導入した各国では戦後も非常に長い期間運用されており、運用開始から40年前後現役であった国もあったという。

 ゲーム中では終盤にスチュアートVからの進化、一部マップの即生産で手に入り、純粋な戦車にはかなわないものの軽戦車とは思えない戦闘力を持つ。
 総合性能からやや性能の落ちた足の速いシャーマン中戦車という感じで、大日本帝国軍戦車が相手ならばなんとか互角程度で戦えるが、軽戦車であるため過度な期待はできない。
 最終進化型ということで使い勝手は非常に優れ、偵察、軽い戦闘任務ならば十分こなせる性能であることから、2、3部隊手元にあれば非常に重宝するだろう。


M3 リー (中戦車)

 大戦勃発後、ドイツ帝国軍戦車の先進性を垣間見たアメリカでは、当時の主力であるM2戦車では苦戦を強いられると考え、大口径砲を持つ戦車の開発が促された。
 その結果として75mm砲を持つ戦車の導入が決定し、本車の採用が決定された。
 本車は当時の技術的な問題から旋廻式75mm砲塔の搭載が見送られ、旋廻式37mm砲と限定旋廻75mm砲を組み合わせた多砲塔戦車となっている。
 回転砲塔が採用されず正式化された背景には「早急に戦場へ大火力の装備を送らねばならない」といった急場しのぎ的な理由もあり、あまり時間がなかったという事が大きい。

 榴弾の使用が可能であり、登場当時としては火力のある75mm砲を装備、背の高さから良好な視界を得られるということで、使い勝手「だけ」は良かったようである。
 一方でその形から目立つことも多く、また、装甲もそれほどの厚さがなかったため、特に欧州方面での被害は非常に大きかった。
 旋廻式75mm砲塔の採用されたM4戦車が正式化された後は徐々に訓練用、支援車転用、少数が対日戦へ投入され、フェードアウトしている。

 ゲームでは比較的早くから生産が可能で、75mm砲の対装甲攻撃力60、精度18のおかげで敵国が長砲身砲を搭載した戦車を出してくるまでは優位な立ち位置となる。
 しかし、移動が半軌弱、被弾時の弱さ、75mm砲弾薬5と戦闘継続能力は低く、M10駆逐戦車、M4戦車が正式化された後はM12など他兵器へ転用するのが好ましいだろう。


M4 シャーマン (中戦車)

 アメリカを代表する汎用中戦車であり、50,000台前後という膨大な生産数を活かし、アメリカのみならず連合軍各国・赤軍でも使われた戦車である。
 本車はいたって凡庸な性能ではあるが、その生産性の高さ、汎用性の高さから数多くの亜種、改良種が誕生し、連合軍の主力戦車と言ってよい。
 性能がいまいちである反面、主砲などが改良されたA2系、装甲を増やしたジャンボ系、105mm榴弾砲を備えた火力支援系などが誕生しており、器用さには非常に恵まれていた。

 政治的、利権的な圧力からアメリカ軍では75〜76mm砲が使われていたが、イギリスなどでは17ポンド砲を用いたファイアフライなどが戦時中に誕生している。
 ヨーロッパ戦線では性能的優位に立つドイツ帝国軍戦車に対し戦術と数で対応し、太平洋戦線では日本軍の戦車を相手に奔走した。
 戦後においても幅広く世界中で運用され、集大成と言われるM4A3E8(イージーエイト)は、戦後、防衛力の欠如した自衛隊でも一時期使われた種である。

 ゲーム中では、75mm標準砲を採用した型(シャーマンIVなど)ではドイツの同クラス、IV号戦車F型以降に打ち負け、改良型の長砲身型でやっと互角に戦える性能になる。
 それでもパンター、ティーガーにはまったく対抗できず、全般にわたって火力の性能向上は期待できないため、安い生産コストを生かし数をそろえて戦うことになるだろう。
 また、欧州戦線では性能不足になる本車も、太平洋戦線では安定した強さを発揮するため、戦線に合わせた運用数も一緒に考えておくべきである。



coffee break
〜戦闘に勝てる兵器と戦争に勝てる兵器〜

 当時の主要な参戦国であるアメリカ、ソビエト、イギリス、ドイツ帝国、大日本帝国、イタリアは工業力や置かれた状況、国力の違いから兵器・装備品に対する考え方も大きく違い、それぞれ独特の色合いを持っていた。ここではそれを考えるのにアメリカ、ドイツ帝国を取り上げてみたいと思う。

 ドイツ帝国は国力、資源の問題から「精強である程度の規模」の軍隊を構想したため、常に品質の高い兵器・装備品を求めた。これは後のティーガー、ジェット戦闘機、パンツァーファウストなど高性能兵器の登場につながり、若干コストがかかっても「固体の優位性」を重視していたと考えられる。確かにドイツ帝国軍の重戦車やジェット戦闘機は強かったし、兵員もよく訓練(訓練と言うより義務教育みたいなものだが)されていた。つまり、同規模の軍ならば「戦闘に勝てる」装備品ではあった。一方、アメリカが求めたものは逆だった。国力、工業力を活かしてコスト面で有利な兵器を大量生産し、物量で押し捲ると言う考えで、性能が凡庸な兵器でも隅々まで装備品が行き届くような構想を立てた。シャーマン中戦車はドイツ帝国軍の戦車に比べて非力だが、当時のちょっと贅沢で広い家一件分の5万ドル前後で生産が出来るし、あの名機マスタングですら5万5千ドル程度(=安価な戦車とほぼ同等の値段)で作ってしまう。だから一時的に戦闘で負けても次から次へと生産補給され「戦争に勝てる」状況に持っていく事ができた。−こう考えると「戦闘に勝てる兵器」と「戦争に勝てる兵器」はまったく別のものなのだろうと思う。

 戦争の勝ち負けは兵器の数だけで決まるような単純な事ではないが、こんな面からも勝敗の原因を考えられるのは第二次世界大戦ならではでないだろうか。


M26 パーシング (重戦車)

 欧州方面の戦線でティーガー、パンターに遭遇したアメリカ軍はM4戦車の性能不足を痛感し、M4に変わる戦力を求めた。
 その結果として登場したのが本車である。
 本車は利権の絡んだ政治的・商業的な妨害もあり、なかなか本格導入されず、その間アメリカ軍は能力の低いM4でドイツ帝国の優秀な戦車と戦わなければならなかった。
 この間のアメリカ軍は非常に厳しい立場におかれ、ティーガー、パンターの投入された戦闘では損害も大きかった。

 重戦車ということで火力・装甲は申し分なかったが、やはりティーガー系戦車、JS系戦車同様、運動能力は低い。
 火力十分な90mm砲、満足な重装甲を持ち、満を持して登場したものの、その時期は先の理由もあり非常に遅く、ある程度の戦果を挙げたところで終戦を迎えた。

 ゲームでの登場も史実どおり非常に遅く、ほぼ終盤で登場する。
 ただし、錬度の高いM4系戦車に比べても戦闘能力は格段に上であり、本車が登場したならばM4系戦車全てを本車へ移行しても良いくらいである。
 若干足は遅いが、即生産可能という条件でコストもそれほどかからないため、大量配備することをおすすめする。


T-95 (T28 重戦車)

 ドイツ帝国軍が構築したジークフリートライン、そして超重戦車に対抗するために計画され、実際に試作車両が2台ほど作られた重戦車(もしくは駆逐戦車)に属する車両である。
 最厚部で約300mmという極めて厚い装甲が施された上、主砲には高い貫通力を誇る105mm砲が搭載されており、重戦車と呼ぶに相応しい戦闘力を与えられていた。
 反面、重装甲に大きな主砲は重量過多を招いて最終的には自重85トンを超えてしまい、搭載されていたM26と同じエンジンでは出力がまったく足りず、機動力は劣悪であった。

 文献やいろいろな写真で確認できるようにキャタピラは左右1本ずつでは足りず、左右2本ずつと珍しい形状となっていることから、いかに本車の機動性に問題があったかが伺える。
 結局のところ、戦闘力のみを強化しすぎたためにトータルでのバランスを著しく崩し、実用に耐えない車両になってしまったことから、実質、失敗作と言ってよい。(しかも1台は事故破棄)
 戦闘力は魅力的だったが、時は連合軍有利、攻勢に鈍足な戦車は不要なため量産もなされず、戦後も細々と研究は続いたが最終的に試作車両2台のみで計画はキャンセルされた。

 ゲームでは末期にM26パーシングから進化が可能となり、重戦車にもかかわらず移動力は5、火力135・精度26(全戦車で最高速精度)とアメリカ軍最強の戦車として登場する。
 史実の性能とは異なる超兵器として登場するため、全ての能力がバランス良く設定されており、練度が同等以上ならばソビエト軍、ドイツ帝国軍戦車もさほど問題にはならない。
 他国重戦車以上に登場が遅く、ほぼ最終マップでしか活躍できない点は惜しいが、出来るならば是非全ての戦車を本車にし、鬼のような無敵戦車軍団を作ってみてほしい。


M10 GMC (駆逐戦車 ※イギリス名ウルヴァリン)

 当時のアメリカ軍では本格的な駆逐戦車を持たず、ハーフトラックに対戦車砲を搭載しただけの車体で戦闘を行っていたが、当然ながら戦闘力不足が指摘された。
 そこで幾つかの試作車が作られ、その中でM4戦車の車体を用い、性能的に割とまともであった本車が駆逐戦車として正式採用されるに至る。

 本車は高い機動力を用いた進軍能力を生かし、先回り・待ち伏せによる奇襲戦法が推奨され、快速重視のため追加装甲は施されておらず、むしろ元よりも装甲が減っている。
 また、戦闘室はオープントップとなっており、上からの攻撃に危うく、かつ常に外気にさらされることから砂埃・粉塵・煙などにさらされ、搭乗員からは評判がよくなかった。
 ドイツ帝国軍戦車に対して火力は不足気味であったが、後期には主砲にかかわる部分が改良され、高品質な砲弾(HVAP等)を用いるようになると戦闘能力は格段に向上した。

 ゲーム中では同期のM4シャーマンが火力60・精度18とドイツ軍IV号戦車に苦戦する能力なのに対し、本車は火力75・精度20と互角の戦いをすることが可能だ。
 防御性能はやはり低いが(対空防御に至っては0)、M4戦車から改良で得ることが比較的簡単であり、コスト安で即生産が可能になるため被害を気にせず使っていける。
 アメリカ軍戦車の本命はM26パーシングとなるが、それまでの中戦車は性能が似たり寄ったりで、パーシングまでの繋ぎとして考えるならば本車を主力としても良いと思われる。
 進化先はヘルキャット→M36(B1)で、ヘルキャットで防御力弱体化、M36で90mm砲へ強化となるが、同時期にパーシングが控えており、進化しても活躍は短期間になるだろう。


M18 ヘルキャット (M18 GMC 駆逐戦車)

 M10駆逐戦車とは別に新規車両として開発されたもので、激しい砲撃戦ではなく、機動力を生かした軽快な戦闘展開・随時運用を目的とした駆逐戦車である。
 それまでのM4中戦車から派生した多くのアメリカ軍兵器とは一線を画し、それらに比べ車高は低く、メンテナンス製に優れ全体的にスリムで外観的に洗練されたものとなっている。
 被弾を想定しない機動性重視の運用思想から重量は抑えられ(M4より10t以上も軽量化された)、これによって得た軽快な機動性により速度は80km/hを上回るほどであったと言う。

 主砲には76.2mm砲が採用されていたが、本来の任務である駆逐目的ではこの砲は明らかに火力不足であり、ティーガー、パンターなどドイツ帝国軍戦車には不利であった。
 戦線へ投入されると、激戦区では重量減による装甲の薄さが仇となり被害は大きかったが、狙撃的ないわゆる「ヒットエンドラン」を用いた運用で数々の激戦を戦い抜いた。
 装甲の脆さゆえに良いイメージのない車両ではあるが、軽快さを生かして必要な場所へ即座に送られた本車の部隊は現地部隊にとっては心強い味方だったのではなかろうか。

 ゲーム中では中盤過ぎにM10 GMCからの進化・時機到来での即生産で運用する事ができるが、はっきり言えば低性能の車両である。(鋼鉄では進化の関係で存在感自体薄い)
 主砲はある程度の火力があるためそれなりの戦闘力ではあるのだが、史実のような機動力優遇はなく、あまりの装甲の貧弱さから誰もが運用を躊躇するレベルであろう。
 進化先は90mm砲を持つM36系に繋がるが、同時期に即生産出来る兵種・コストを考えると本車の運用意義はほとんどなく、プレーヤーによっては使うことは無いかもしれない。


M36 ジャクソン (駆逐戦車)

 M10駆逐戦車は戦力としては確かに有効なものであったが、その主砲はドイツ帝国軍のパンター、ティーガーに対して有効な火力とは言えず、火力の増強が望まれた。
 フランスへの上陸を控えたアメリカ軍は、この要望を重要視し、90mm砲を搭載した車両の開発に着手、その後の選考・運用試験によって早い時期に本車が採用されている。

 車体は従来のM10のものとほぼ同じで、少々の改良が施されてはいるが、装甲、能力においては殆ど変わらず、相変わらず防御性能に関しては中戦車程度の能力である。
 しかし、主砲は先に述べたとおり強力なものになっており、この主砲は90mm高射砲を元に対戦車砲として作られたもので、大変強力なものとなっている。
 この90mm砲は、従来の75〜76mm砲で歯が立たなかったパンター、ティーガーを正面から貫通でき、長距離射撃を野球にたとえ、スラッガーとも呼ばれるほどであった。
 防御性能の低さ、間に合わせ的な意味合いの強い設計の安易さから評価の分かれる車両であるが、重要な時期を支えたことは間違いない。

 ゲーム中では中盤〜終盤に差し掛かる時期に進化・即生産が可能となり、地対地による戦車戦で苦戦を強いられるアメリカにとって、重要な火力となる。
 主砲の威力はティーガー並みとなっており、精度も22と十分なもので、本命のパーシング登場まで76mm砲を持つ他戦車と同様に重要な位置を占める事になるだろう。
 進化先は実質的な改良で、M36B1(車体が変わった)と若干防御性能に差が出る程度となっているが、すぐ後にパーシングが控えているため、使い続けるかは微妙だと思える。


M15 GMC (対空車両)

 戦場から、配備済みのM13・M14では火力不足との指摘が上がり、この指摘に対応するため、主に火力の増強を目的として本車が誕生した。
 火力に関しては、旧兵器が12.7mm機関銃2門であったのに対し、本車はそれに37mm機関砲を追加する事で火力不足を補い、バランスよく火力を上げる事に成功している。
 また、それまでのアメリカ軍対空自走砲同様、車体にはハーフトラックが採用されているが、こちらもそれに習って同じようにM3ハーフトラックが採用された。

 ご存知のとおり、アメリカ軍の空軍力・制空能力の高さはきわめて強大であり、防衛戦でも本車の積極的活用はあまり多くなかったようだ。
 一方、本来の任務とは外れてしまうが、対人・軽戦闘任務も数多くこなしており、その事から戦車の出てこない戦闘では多大な効果のある存在であったことが伺える。
 総合的な火力としては非常に高く、戦後もその点が注目され、朝鮮戦争に投入されたり自衛隊でも運用された。(自衛隊退役は平成に入ってからで、長寿な兵器であった。)

 ゲームでは中盤に差し掛かる頃に即生産が可能となり、その火力を生かして対空戦闘だけでなく、軽い対地戦闘もこなせてしまう不思議な兵器となっている。
 精度が12と若干低めではあるが、37mm機関砲の威力はすさまじく(対装甲攻撃力は70)、うまく待ち伏せするなど戦術次第では中戦車相手の対地戦闘を行う事も可能だ。
 進化先はミートチョッパーことM16 GMC(対地性能低下)→M19 GMC(再び対地性能向上)と対空性能の向上は確実な事から、確実に育てていきたい。


M16 GMC (対空車両)

 37mm機関砲を搭載するM15に対し、こちらは4連装12.7mm機関砲を搭載ししており、M15と若干異なるコンセプトの対空自走砲である。
 M13の弱点である火力を考えると、それぞれ、M15は強力な機関砲を1つ追加すればよい、M16は機関砲を単純に増やせばよい、そんな解決策を採用したと考察できるだろう。
 こちらの車体もM15と同じくM3ハーフトラックが採用されており、比較的堅実なつくりで、地味ながらも対地・対空戦闘に活躍した。

 ヨーロッパ方面での戦闘では対空砲として使われるよりも対人・対地任務に付く事が多く、短時間で恐ろしいほどの数の弾丸をドイツ帝国軍に浴びせた。(毎分2000発以上)
 また、有名なエピソードとしては大戦後の朝鮮戦争への投入で、こちらでも中国から朝鮮半島へ派遣された中国兵に対し、雨のような弾丸を浴びせた事が有名である。
 これからのことから対人戦闘では計り知れない殺傷能力を持ち、ミートチョッパーと渾名が付くまでになったが、射程の短さからM15よりも早期に退役している。

 ゲーム中ではM15登場から若干の経過ですぐ進化・即生産できるようになり、相変わらず装甲は薄いものの、安価で比較的高い地対空能力を持っている。
 M15のような対装甲火力は無いが、対非装甲の攻撃力は恐ろしいほど高く、史実どおり「ミートチョッパー」として運用する事が可能だ。(もちろん、装甲の問題で被害は出る。)
 良い対空砲の条件は十分満たしているため、積極的な戦闘で練度・経験値を貯めておき、次の進化先であるM19につなげていきたい。


M19 GMC (対空戦車)

 欧州方面での戦訓からM15、M16 などの対空車両を導入し、地対空戦闘において難を逃れていたアメリカ軍であったが、、車種が増えることによってコスト面での不利が生じた。
 これを改善するため車体を探したところ、量産されたM24軽戦車チャーフィーに注目が集まり、この車両を流用することで高性能化・コストカットが計画され、本車の開発につながった。
 武装は改良型連装ボフォース40mm機関砲、上部はオープントップ式が採用されており、他国が密閉式戦闘室を持つ対空車両を模索する中でやや遅れた設計ではある。

 終戦近くに量産に入り、ある程度の生産・量産が計画されていたが、終戦が訪れた時点で残りはキャンセルとなり、総生産数は280強と記録に残されている。
 大戦においてはほとんど活躍の場は無く、後の朝鮮戦争、交戦権を放棄した(剥奪された?)日本の自衛隊において運用され、長い期間現役として配備され続けた。
 40mm砲は極めて高性能であったが、車体は小さく、目視による照準、身を晒すオープントップという個々の欠点は、教訓としてM42ダスターなど後継機種で改善されていくことになる。

 ゲームでは終盤に登場し、アメリカ軍対空戦車の最終形態としてM16 GMCからの進化、一部マップでの即生産で手に入るが、弾数が4と戦闘継続力にはやや劣る部分がある。
 時代に見合った火力・防御力を持ち合わせ、しかも安価と対空戦車として理想的な車両ではあるが、アメリカ軍では90mm牽引高射砲、戦闘機が優秀であるため存在感は薄い。
 ただ、コスト性能比ではかなり優れているため、震電や銀河、モスキートなど厄介な高級・高性能機を迎撃・威嚇するのに最適な兵器として存在価値はあるだろう。


M7 プリースト (自走榴弾砲 ※プリーストはイギリス名)

 開発のきっかけ、意図などは資料不足により確認できていないが、M3戦車(中期よりM4戦車)の車体と既存の105mm榴弾砲を流用した簡易な構造を持つ自走榴弾砲である。
 本車は実用性が重視されているのが特徴であり、思い切ったオープントップの広い戦闘室、中戦車の車体を生かした高い機動力で総合的に高い能力を得た。
 当初はアメリカ軍用の車体が優先される予定であったが、本車の登場時期にはまだアメリカ軍は本格的な陸戦に参加しておらず、動的にイギリス軍への供給が優先されている。

 アメリカ軍では重火器の多さから地味な活躍にとどまり話題はあまり聞けないが、供給先の1つであるイギリス軍では、自軍の榴弾砲よりも優れていた事から砲兵に好まれた。
 しかし、105mm砲弾をイギリス国内で生産していない事が問題視され、兵員輸送車にされてしまう等不遇な面もあったが、先述の事から最終的な評価は高かったようである。
 アメリカ軍、供給国各国の大戦を通じての本車の評価は比較的高く、大戦終結後も朝鮮戦争に投入されるなど、戦後もしばらく運用された。

 ゲームでは中盤より即生産が可能となり、一部の中戦車からも改良が可能となるが、M3リーの改良からM12ロングトムが手に入る手前、存在価値はやや薄いかもしれない。
 だが、即生産可能、105mm野砲とほぼ同じ能力で移動出来る事は便利であり、キャンペーン・スタンダードを問わず105mm野砲を生産するならば本車を生産するほうがよい。
 進化先はM12ロングトムとなっており、5h射程をもつ強力な自走榴弾砲となるため、経験値が溜まり次第、すぐに進化させると良いだろう。


M12 ロングトム (155mm GMC:キングコング 自走榴弾砲:自走カノン砲)

 軍の完全な機械化、それぞれの部隊の連携・融合を目指すアメリカ軍によって開発された155mm大口径カノン砲を搭載する自走砲である。
 大口径の野砲は火力こそ頼れるものであったが、大重量から部隊随伴には難があったため、機動力の付加によってこの欠点をなくすために本車は開発された。
 兵器としては暫定色が強かった車で、車体には改良したM3中戦車を、砲はM1917系1918系を採用しており、採用された部位を見ても旧式なものが多くその感じは見て取れる。

 戦術的な思想から大口径自走砲は不要と判断され、しばらくは前線へ投入されなかったが大戦半ばを過ぎると大火力が必要となり戦闘に投入され、そこで徐々に頭角を現した。
 旧式兵器の組み合わせで完成した兵器であるため総合性能は高くはなかったが、それでも「大口径」と「自走」の相性は極めて良好で、暫定的な兵器とは思えない活躍を残している。
 「暫定的」ということで生産台数は極少で、成功は収めたものの活躍も限定的な車であったが、後の自走砲に大きな影響を与えた大口径自走砲の祖と言っても良いだろう。

 ゲームでは比較的大きな射程・火力を誇り、中盤を過ぎたあたりにM3中戦車からの改良、M7プリーストからの進化で手に入れる事ができる。(最終進化)
 装甲は危ういものの、機動力、火力、射程のバランスは良好で、戦車相手の砲撃にも火力十分と後方からの支援兵器としては非常に頼りになる兵器である。
 弾数があまりにも少ないため補給を気にしなければならないのは厄介であるが、その面をうまくカバーして高い火力を活かしたい。


90mm AA砲 (M1・M2・M3 90mm高射砲 牽引高射砲)

 大戦前より運用されていた76.2mm砲(M3 M1918 3インチ砲)が旧式化してきたため、これの更新のために採用された砲で、改良種は戦車砲としても使われた砲である。
 なお、更新時には旧76.2mm砲を改良する案も出ていたが、火力の向上、技術投入による性能の飛躍的向上がほぼ確実となったことから90mm砲が正式採用された流れとなっている。
 本砲の特徴は大口径ながら毎分20発前後の発射速度、広い仰角、レーダーを含んだ高度な制御装置など非常に強力な点で、威力はドイツ帝国軍の88mmと比較しても遜色はない。

 しばらくの運用後、より高性能なレーダーユニットであるSCR-584が用いられるようになると能力はさらに飛躍的に向上し、大戦中最高峰レベルの高射砲に仕上がった。
 航空部隊のような華やかさはなかったが、総合的能力や生産門数に恵まれていた事から多くの戦場で用いられ、敵航空勢力の牽制、排除、陣地防衛など様々な場面で活躍した。
 戦後においてもその優れた性能から改良型が朝鮮戦争などで使用されるなど、この種の兵器としては比較的長い間活躍している。

 ゲーム中では中盤〜後半にかけて76mmAA砲からの進化や一部マップの即生産、ほかに強制進化などで手に入れることが可能である。(最終進化)
 牽引砲であることから防御力は低いが、対空能力は十分で長い射程を持つ事から防衛任務に最適な兵器に仕上がっており、制空権の無い状態では非常に頼もしい兵器だ。
 空軍が強力であるアメリカ軍では対空ユニットの存在意義はやや薄いが、同軍最強の戦闘機が精度20止まりであるため、終盤の超兵器対策用に数門は確保しておきたい。



coffee break
〜画期的な近接信管の発明と不確実なその実績〜

 第一次世界大戦から第二次世界大戦において高射砲はメジャーな存在で、多くの国で用いられた対空砲弾(高射砲弾)は時限式と言う「打ち上げ後設定した時間で爆発」させる物だった(高射砲弾は直撃させずとも爆風・破片で敵機を破壊できれば良い)。この方式は高さや相手の速度、さらに飛行位置の計算を行い射撃を行うため、高度な計算が必要で命中精度にやや劣るという欠点があったが、それでもドイツ帝国で運用されていた有名な88mm高射砲をはじめとし各国で運用した高射砲は一定の戦果を挙げていた。時限式の対空砲弾はもはやそれが当たり前と言えるような状況であった。

 これを変えたのはアメリカであった。アメリカは莫大な予算にモノを言わせ、なんと砲弾の中に小型センサー(レーダー)を組み込み、射撃後、砲弾付近に物理的な物があればそこで爆発するという驚異的な砲弾を作ってしまったのである。これは近接信管・VT信管などと呼ばれ技術漏洩を防ぐために登場直後こそ運用制限がかかっていたが、大戦が進むにつれて投入数も増えていき、特に不発弾が敵に回収される心配のない太平洋でまとまった数が使用され、対空砲の性能やあり方を一変させた。ただ、この頃にはアメリカは物量的にも戦局的にも非常に有利な立場となっており、高価で弾数に限りのあったこの砲弾以外にも従来の砲弾・機銃弾がそれこそ雨霰のようにばら撒かれていた。そのため撃墜・撃破の判定がやや怪しい部分もあり、各種メディアでの効果評価も3〜5倍程度の精度向上(5インチ砲弾の場合)とばらつきがあるため、その成果が明確でないという説も一部ある。さて、当時、戦地でこの砲弾を使っていた兵士の評価は実際どうだったのであろうか。


155mm L.トム (ロングトム:M59 155mmカノン砲 牽引榴弾砲)

 それまでフランス製の155mm牽引砲を運用していたアメリカ軍が、兵器更新のために採用した新型155mm砲で、同時期には203mm砲も研究・開発されている。
 当時のアメリカ軍で運用されていた砲、それに使われる砲弾はかなりの種類があり、そこに榴弾砲、カノン砲が混在するため非常に複雑であった。(M1A1、M1918A3など)
 本砲はその中でも新規採用ということもあり、それまでの名称と異なる名が用いられ、本格的に運用されるころにはM59という名称が確定しこれが正式なものとなっている。

 構造の簡易化、コスト削減しつつ新技術投入というアメリカお家芸の効率化は大きく取り入れられ、結果的に門数は徐々に増加、陸軍、海軍の双方で幅広く使用されるに至った。
 当時の砲としては非常に長い射程距離、火力を持っていることから、欧州戦線全般、大戦終盤には太平洋戦線へも積極投入され、頼れる砲「ロングトム」と渾名されている。
 戦後も朝鮮戦争に投入されたり、少数ではあるが自衛隊にも導入され1990年代中まで配備され続けるなど、他に類を見ないほど息の長い兵器であった。

 ゲーム中では鋼鉄の旋風ならば中盤、作戦ファイルならば序盤から、105mm野砲からの進化で得ることが可能で、大火力・射程7というのはやや反則気味と言っても良い。
 野戦砲ということで防御力は皆無に等しく、攻撃を受けないようにする必要はあるが、参戦国の全野砲で最高の射程距離はその欠点を差し引いても魅力的である。
 最大射程時の火力低下補正は気になるものの、それでも十分強く、進化元は105mm野砲でお手軽ということから、積極的に次々と進化で得たいところだ。


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BA-6 (装甲車)

 旧式となった27系装甲車の更新に当たり、自国の六輪トラック(といってもライセンス生産品?のようだが)のシャーシを用いて簡易に開発されたのが本車である。(資料不足有)

 本車は、基礎部分がトラックと言う事で高速・機動性に優れ、また、快速戦車と同等の主砲を搭載しており、当時としては比較的大火力を持つ。
 反面、、装甲は極めて薄く、重機関銃の乱射で容易に装甲を撃ち抜かれてしまうと言う致命的な問題や、走破性が若干悪いという点もあり、全体的なバランスはよくない。
 また、燃料や燃費の関係からか、行動距離・範囲も装甲車としては狭く、長距離・長時間の作戦行動が出来ないという弱点も存在する。
 本車の持つ弱点は後々の後継機にまで影響を及ぼしたが、軍事分野への車両導入の促進と、ソビエト軍の機械化を強化するための一翼を担った。

 ゲームでは史実同様、装甲をほとんど持たない軽装甲車として存在し、キャンペーン全般で生産可能である。
 性能、コスト的には移動力7、策敵4、安価と、ある意味三拍子そろっており、ほぼ索敵専用として存在すると言ってよい。
 主砲の精度が12と低く、戦闘が苦手であることは明確であり、運用時には積極的な戦闘は避け、出来る限り主任務である策敵に専念するよう心がけたい。
 なお、本車には進化・改良(BA-64が無いため)が存在せず、また、同じ策敵用兵器にT-60軽戦車(足が遅い)もあるため、プレーヤーの好みで使い分けると良いだろう。


T-26 M33/M37 (軽戦車)

 大戦前から自国の戦力増強に励んでいたソビエト軍であったが、肝心の兵器設計はまだ未熟であったため、他国の戦車を見本として国産戦車を生産しようと計画を立てた。
 計画を進めるべく当時の戦車先進国、イギリス帝国の戦車を幾つか試したところヴィッカース社の戦車が注目され、正式なライセンス契約の後これを手本として開発は始まった。
 基本的な車体設計はライセンス元の戦車に準じていたが、武装はソビエト軍仕様のものに変更され、特に主砲は何度も変更されたために種類はややこしい数になっている。

 初期型ではライセンス・模造の37mm砲などが搭載されていたが、後継の大きい45mm砲が実用化されると兵装はこちらに変更され、当時としては非常に高い火力をもたらした。
 兵装・総合性能を考えると1933型で一応の完成と見てよいが、基本性能の高さからその後も改良は続き、車体の構造、追加装備など多方面において進化を遂げている。
 生産台数は10,000を軽く超えており、ソビエトの鉄鋼業力・国力を見せ付け、輸出、他国に鹵獲された本車はそこで活躍するなど軽戦車としても非常に優れた車両であった。

 ゲームでは序盤から生産が可能な一般的な軽戦車であるが、索敵範囲が若干狭いために他国軽戦車との比較ではやや品質に劣るものとなっている。
 火力の大きさ、弾数の多さから継続した戦闘が可能と言う特徴はあるものの、軽戦車という分類からそういった使い方はほとんど無いため、存在意義はやや薄いと言える。
 進化先はT-60軽戦車へと繋がるものの、T-60も偵察・戦闘どちらにも中途半端な感じは否めず、本種を偵察に使うかどうかで価値を大きく変えるものになるだろう。


T-60 M40/M42 (軽戦車)

 多くの軽戦車を開発・運用していたソビエト軍では、個々の車両に独特の考えを組み込んだ事からそれぞれ何かしら問題を抱えたり、後にその機能が削られたりする事が多かった。
 特に水陸両用など多機能性を求めた事は大きな失敗の一つで、これにより純粋な軽戦車と言えるような車両が少なかったため、この改善を図るべく本車は純陸戦用として誕生した。
 多機能性を求めた多くの軽戦車が装甲不足に悩まされた事もあり、まずは装甲に傾斜装甲を採用しある程度の厚みがを確保したため、防御性はある程度改善されている。

 主砲は戦車砲ではなく20mm機関砲が採用されていたが、これは戦闘機などに用いられる機関砲で大火力とは言えないものの、軽戦車としては大きな火力である。
 過去の車(前任T-40など)に比べ装甲、武装など多くの点が改善されたが、残念ながら総合的な性能は振るわず、実用性・戦闘力は不足気味で評価はあまり良くなかった。
 より優秀な軽戦車が開発されると生産はすぐに停止されたが、本車はソビエト軍としては珍しく変態兵器への転用が考慮された車両として有名で、グライダー戦車A-40はよく知られる。

 ゲームではT-26からの進化、時機到来による即生産で手に入る軽戦車で、M40型は索敵範囲が3、M42型で索敵範囲が4、防御力もそれぞれ違う、と注意が必要な車両である。
 戦闘車両としての性能は他国軽戦車と似たような性能で前線に積極投入できる性能ではないが、M42型は索敵任務にも十分使えることからその面では積極的に使いたい。
 もっとも、偵察用には装甲車もある上に、若干コスト高ではあるが終盤は即生産もできるため、それほど気を使って運用する兵器でもないだろう。


BT-5 / 7 (中戦車:快速戦車)

 快速戦車という定義自体は元々アメリカで提唱されたものであるが、アメリカ軍の運用主体には合わず殆ど(というよりまったく、か)採用されなかった。
 しかし、遠く離れたイギリス、ソビエトなどではこれが採用され、本車はその運用主体・定義に基づいてソビエトにて開発・生産された戦車である。(イギリスは巡航戦車)
 本車は、快速戦車という性質上、性格がはっきりと性能に出ており、得意・不得意が非常に明確だ。
 主砲は当時としては大火力の45mm砲/76mm砲を搭載し、かつ比較的軽量な車体を生かした機動力は、ソビエト軍に極めて高い機動性・戦力を与える事に成功している。
 しかしながら、機動性を与えるために犠牲となった部分(主に装甲)は影響が大きく、致命的な被弾性能の低下を招き、結果的に打たれ弱さの目立つ脆弱な戦車となった。
 T-34の正式化が早く決まったため、大戦中期には改良種も含む全ての生産が終了したが、大戦後期には対大日本帝国戦にも投入されており、運用は意外にも長かった。

 ゲーム中では序盤から生産が可能で、史実どおり機動力の高い戦車として登場する。
 しかし、機動力が高いだけで肝心の戦闘力はそれほど高くなく、同時期の大日本帝国軍戦車に比べやや有利、ドイツ帝国軍戦車に比べ不利という微妙な性能である。
 肝心の進化先もT-34といまひとつで、同年代にすぐKV系、T-34系が生産可能になるという事もあって活躍の時期は非常に短い。
 本車は、前半のその場しのぎの数合わせと考え、生産表にKV系、T-34系が加わったなら、素直にそちらに乗り換えるのが良いだろう。


T-34 (T-34/76(85) 中戦車 ※A/B/C名称はドイツ軍での分類)

 本戦車導入以前のソビエト軍戦車は、軽装甲の快速戦車が主であったが、その軽装甲が仇となり、第二次世界大戦前の小競り合いで大きな被害が出ることが多かった。
 この問題を解決するために中戦車区分の設計を一新し、かつ快速戦車のノウハウをつぎ込んだのが本戦車、T-34である。
 T-34は非常に効率の良い生産設計、優れた避弾経始と合金技術、初期76.2mm後期85mm砲を用いた強い火力、その他多くの技術で、高性能振りを遺憾なく発揮した。

 ただ、全般的な機械的動作は高性能ではあったが、細かい部分での故障が多く、また、戦車兵にとってはお世辞にも良い乗り心地・使いかっては良くなかったようである。
 ソビエトの兵器は高性能であっても、個々の部品は使い捨てのような短寿命なものが多いため、本戦車にもその影響が出ていたのかもしれない。

 ゲームでのT-34は非常に安価で、W号戦車、ティーガー、パンターに比べて攻撃精度に劣るが、火力・装甲は五分かやや不利程度の性能である。
 先制攻撃がものを言うこのゲームではどうしても不利な立場になるが、それでも序盤は十分な性能を持ち、後半ではSU-100の種として役に立つ。
 中盤〜終盤にかけてのT-34/85は、若干能力に不安があるものの大量生産がしやすく、画面を埋め尽くすほど生産してみるのも面白いかもしれない。



coffee break
〜戦車の装甲の変化と被弾−傾斜装甲〜

 第二次世界大戦ではそれまで起きた過去の戦争と違い、大戦が進むにつれ戦車同士が激しく戦闘を行う事が当たり前となっていった。特に欧州ではその影響は大きく、各国戦車の進化はめざましく、技術、思想、運用効率は大きく発達するに至る。これによって主砲の威力はもちろん、敵の砲弾を如何にうまく回避もしくは耐えるかという事は非常に重要な問題になった。多くの研究者がこの問題に取り組んだ結果、出した答えはこうであった。

 「垂直よりも傾斜のある装甲で被弾した時の方が被弾箇所の装甲は厚くなり、運動エネルギーを分散させる事ができる」−つまるところ傾斜装甲(避弾径始)である。

 実は、この考え自体は大戦前から研究されていたのだが、なかなか理論とその効果を証明する戦車は生まれなかった。しかし、ついにT-34という戦車が登場する。T-34はソビエトの優れた鉄鋼技術と考え抜かれた傾斜装甲を採用した事で極めて高い被弾耐性を得て、その有用性を世に知らしめた。これは戦車史において一つの大きな通過点となり、これ以降はドイツ帝国をはじめ各国の戦車において幅広く傾斜装甲が用いられるようになった。現代においては砲弾の発達により、傾斜を無効に近い状態で直撃させる技術が出てきたため、それほど着目されなくなった傾斜装甲だが、それでも重要な技術である事に変わりは無く、この理論・技術の登場は一つの転換期と言える。ただ、いくら外見的な装甲が優れていても激しい衝撃で内部が破壊され、その部品が飛び散る事によって搭乗員が死傷することもあるため、今日まで研究は続いており今後も外面内面共に研究は続くのだろう。


KV-1 (重戦車)

 大戦初期〜中期にかけて活躍した重戦車であり、開発者(クリメント=ヴォロシーロフ)の名前を取ってKVと名付けられた。(国によってKWなど略称が違う)
 本車の特徴は厚い装甲であり、そのありあまる装甲は大戦初期のドイツ帝国戦車がどうあがいても貫通できない程のものであった。
 しかし、その装甲の厚さから来る重量のため、走行系は常にいっぱいいっぱいの性能で、戦車兵は操縦するのに苦労が絶えなかったようである。

 ドイツ帝国では大火力の88mm対空砲を対戦車砲として使うことがあったが、本車はこれを用いても貫通はなかなか困難で、一時期ドイツ帝国では大問題となった。
 改良も比較的多く行われ、追加装甲の施されたもの、逆に機動性を考慮して装甲を削られたもの、火焔放射型など多くのバリエーションが生まれている。
 後に本車に対抗できるドイツ帝国戦車が配備されると、機動性の悪さと戦闘力不足から徐々に第一線から姿を消していったが、それまでの功績は非常に大きいだろう。

 ゲーム中の本車は比較的早くから生産が可能で、序盤としては異常な硬さを誇り、攻撃もできる壁として非常に重宝する。
 ドイツ帝国がパンター、ティーガーを導入し始めると一瞬にして攻守の立場が逆転してしまうが、順当な進化をさせればアニマルキラーのJS-2と成る。
 それまでは不利な状況でも我慢して地道に育てていきたい。


KV-2 (重戦車)

 重装甲を持つKV-1重戦車の車体をベースに大型の砲を搭載し、高い防御性能、強力な火力支援に特化した重戦車である。
 砲の関係から背が高く、そのシルエットから感じられる無骨さはもはややっつけとも思えるほどであり、その外観はいかにもソビエトらしい。

 主砲は高威力の榴弾152mm砲、分厚い装甲は37〜50mm程度の砲弾を軽くはじき返す、その性能から対峙したドイツ軍やフィンランド軍からはギガントと呼ばれ恐れられた。
 大戦初期のソビエト兵にとって本車は非常に心強い存在ではあったが、やはり重戦車である事から機動性は著しく低く、背の高さから発見されやすいと弱点もあった。
 少数ではあるが量産も続けられ、各国で強力な砲が開発されるまで第一線で戦い続け、性能不足の指摘から第二戦に下げられてもなお終戦まで戦い続けたようである。

 ゲーム中では大戦初期に生産が可能で、序盤としては魅力的な性能を持つものの、マイナス要素も多く最初の1、2マップを運用すれば性能的に退役ではなかろうか。
 高い火力、防御力は頼りにはなるのだが、榴弾である事から砲の精度は低く(精度10)、移動力の低さからすぐに先制が取れない、進軍に追いつけない自体が発生する。
 序盤はともかくソビエト軍には優秀な戦車・自走砲がそろっているため、無理に使わなくとも良いかもしれない。(改良・進化先はSU-152だがこちらは・・・)


KV-85 (重戦車)

 総合的に優良なT-34戦車、機動性を犠牲に重装甲を持つKV-1戦車を運用していたソビエト軍は固体ではドイツ帝国軍戦車を凌駕していたが、ティーガー登場により立場が逆転した。
 劣勢で新型戦車の配備を求める声は多くなっていったが、同軍でそれを実現するには時間が必要で、併せて戦局に余裕が無いため暫定的に新主砲改良戦車の投入が計画された。
 同時期にはIS-85(後のIS-1)の開発が難航していたため、この暫定的措置は妥当な判断と言え、車体には拡張したKV-1S、主砲に85mm砲が採用され本車は完成に至る。

 本車はそれまの76.2mm砲よりも格段に高い火力を持つ85mm砲を載せた事で戦闘力は格段に向上した、が、それでもドイツ帝国軍の新型戦車には分が悪く、まだ劣勢であった。
 また、T-34に85mm砲を搭載する計画も進められており、さらにIS-1の改良が進み、より洗練されたIS-2の完成見通しがあった事から生産台数は少なく、名実ともに暫定的と言える。
 能力はいまひとつだったが100mm、122mm、152mm砲を搭載した新設計戦車の登場までよく戦い、少数ながらも満身創痍になるまでティーガーなど格上の戦車に立ち向かった。

 ゲームでは中盤過ぎに登場し、KV-1S戦車からの最終改良で手に入れる事ができるが、火力が時期相応になる代りに失うものが多い戦車となっている。
 導入できる時期を考えると火力90/精度19というのは確かに魅力的だが、移動力は3に、防御力はT-34以下となってしまうため総合性能が大きく低下する点が大きな欠点である。
 さらに最終改良であるためこれ以上の改良・進化が行えない事がもはや絶望的であるため、よほどの事が無い限り本車の導入、運用は考えないほうが良いだろう。


JS-2 (IS-II:スターリン重戦車 重戦車)

 ドイツ帝国がティーガー、パンターなどの優秀な高性能戦車を次々と投入する中、ソビエトではこれらに対抗できる高性能戦車の必要性が高まった。
 もともとソビエトでも新型戦車の開発は進んでいたものの、計画は変更され、より主砲を強力に、より装甲を厚く、と最終的に出来上がったのが本車となる。

 戦闘室は狭く、操作する側にはお世辞にも使い勝手の良い戦車ではなかったが、122mm砲自体の破壊力、その榴弾効果による副破壊力にて敵戦車に大きな打撃を加えた。
 また、防御力も高く、ドイツ帝国の高性能戦車砲をもってしてもなかなか破壊は出来なかった。(練度の高い兵ならば狭い弱点部分を付いて破壊する事は可能であったようだ。)
 開発時には新型100mm砲の搭載も検討されていたようで、より貫通力の大きい100mm方が採用されていたならば、どれくらいの破壊力を得られたか筆者には検討が付かない。

 ゲームでは後半に差し掛かったところでKV戦車より進化・一部のマップで即生産が可能である。
 鋼鉄の旋風では火力・精度共に低く設定されているものの、作戦ファイルでは強化補正され、能力にかなりの差がある兵器として扱われており、注意が必要だ。
 絶対的な精度はパンター、ティーガーにかなわないが、少し練度を稼げば互角の戦いが可能であり、本車をどれだけ早く数を揃えられるかで進軍速度は左右されるだろう。
 進化はJS-2m → JS-3の流れで移動力引き換えで性能向上、改良がJSU-122で防御力を引き換えに主砲弾数増加と使い勝手が変わるため、自分の好みで選ぶのが良い。


JS-3 (IS-III:スターリン重戦車 重戦車)

 JS-2重戦車の優秀性を実感したソビエト軍では、性能を上げるべくJS-2m戦車を基礎とした改良型の開発に着手、その成果として誕生したのが本車である。
 すでにJS-2の登場した時点でドイツ帝国軍の敗北は濃厚となっており、本車の開発は対ドイツ帝国用というよりも戦後の事を踏まえての開発であったと言ってよいだろう。
 特に防御面の強化は著しく、元々優秀であった傾斜装甲はさらに進化し、当時としては極めて高い防御性能を獲得し、また、時代に見合わぬ先進的な外観を持つこととなった。
 ただ、砲塔、車体サイズ、重量を考慮した場合、設計にはかなり無理があり、ソビエト戦車お約束と言ってよいであろう乗り心地の悪さや戦闘時の窮屈さは改善できていない。

 火力はJS-2と変わりなくそのままであったものの、当時としてはその姿は非常にショッキングなもので、戦後のパレードで本車を見た西側諸国の将校に強烈なインパクトを与えた。
 この結果、西側諸国は高い性能を持つ新戦車の開発を余儀なくされており、本車の登場は戦後の戦車開発競争を引き起こす発端となった原因と言ってもよいかもしれない。

 ゲームではソビエト最強の戦車であり、末期に条件が整うことでJS-2mより進化が可能。(ただ、筆者はソビエトキャンペーンで2、3回進化できた事があるが、その後できた例がない)
 数値以上に固く感じる、大火力、と重戦車の特徴が極端に現れているが、移動力が3まで低下してしまうために、進化条件が整っても進化させる価値があるかどうかが焦点となる。
 最終進化の戦車であるために心情的には進化させたくなるが、終盤機動戦を求められるソビエト軍では移動力低下は致命的であり、進化条件が整っても極少数の導入がいい所だろう。


JSU-122 (ISU-122 突撃砲:自走砲)

 ソビエト軍ではT-34、KVの車体を流用した優秀な亜種が様々生まれたが、JS重戦車の車体が本格生産されるようになると、この車体をベースにした亜種の開発が計画された。
 本車もその計画によるもので、同時期の戦車との部品・消耗品・弾薬の共通化を目的とし、かつ、比較的運用が楽である自走砲ならば即戦力として期待できる事が狙いであった。
 主砲には当初幾つかの種類が候補に挙がっていたが、152mm大型砲では供給量が足りず、最終的に供給量が十分な122mm砲(JS-2と同等のもの)が搭載されている。

 歩兵の火力支援・敵防衛網の突破が主任務であったようだが、対戦車能力が高い事もあり、対戦車戦闘に使われる事も多かった。
 一説によれば、機械部分の使い易さもあって、主砲はJS-2よりも対戦車戦に有利であったと言う話もあるが、なんにせよ122mm砲は強力であった事は間違いないだろう。

 ゲーム中では後半にJS-2、JSU-152などからの改良によって得る事が可能である。
 JS系に比べ防御力は劣るものの、主砲の威力は強力(弾数も若干増えるが、副武装は逆に減)であり、移動力も5と言う事で使い勝手は良い。
 真っ向からの撃ち合いはJS重戦車に任せ、本車は迂回して火力支援に当たるなど、攻守のバリエーションを増やすために数台は部隊に加えておきたい。
 一応、榴弾型に改良は出来るものの、その内容は弱体化であるため、本車はソビエト軍の実質的な駆逐・突撃・自走砲系の最終進化であろう。


JSU-152 (ISU-152 突撃砲:自走砲)

 猛火力を誇ったSU-152は非常に有効な兵器であったが、ベース車体であるKV-1系重戦車の生産が終息した事、より優れた性能を目指した事から車体の切り替えが行われた。
 本車の車体は同期に生産の始まったJS(IS)系が採用され、設計は成功を収めたSU-152を踏襲した事から高い攻撃力・防御力は約束され、まさに強化版SU-152と言える。
 ソビエト軍の重車両は元々無骨で無機質な感じの強い車両が多いが、本車は中でも特にそのイメージが強く、戦車と言うよりは鉄の塊とでも言おうか独特の存在感を持っていた。

 武装はSU-152と同等で、主砲は相変わらず152mm榴弾砲が用いられていたが、能力的にも十分な火力であったため、ドイツ帝国軍戦車、対人、対建築物に万能の威力を発揮した。
 防御面では洗練されたJS系車体を用いた事から性能向上は著しく、SU-152とは比較にならないほど防御力は高まり、その総合性能から同軍重自走砲の決定版と考えてよいだろう。
 万能的な性能、敵に恐怖心を植え付けるのに十分な存在感から戦後も改良が続き大量配備され、友好国にも多く輸出された事から同軍としては大成功を収めた車であった。

 ゲームでは後半に登場し、JS-2系からの改良、SU-152からの進化で得る事ができるが、榴弾砲型戦車独特の扱いから能力的に振るわない車両となっている。
 性質的にはSU-152と大差なく、それに勝る点は副武装が付いた事、防御性能が向上した程度で相変わらず対戦車戦闘には不向きであり、使い道は限定的になるだろう。
 改良先はJSU-122と強力であるものの、それはJS-2からの改良で得る方が楽であり、本車自体の性能が高く無い点を考慮すると、やはり趣味の兵器と言わざるを得ない。


SU-100 (駆逐戦車)

 T-34をベースに開発されたSU-85をさらに拡張強化し、見た目からして長大な改良型100mm砲を搭載したのが本車である。(自走砲か駆逐戦車かの判断は非常に微妙である)
 本車の特徴は型番の100が示すとおり、極めて高い火力を誇る100mm砲であり、その威力はティーガーIIの正面装甲すらも貫通可能と言われていた。

 すでにドイツ帝国軍の強力な戦車が消えつつある大戦末期での登場であるため、惜しくも対戦車戦闘は皆無と言ってよく、主に歩兵の火力支援で運用されている。
 強力な火力を持つ反面、重心が前部にかかってしまうため車体バランスが悪く、また、大きい砲弾はベースであるT-34車体には大きすぎ、SU-85に比べ搭載弾数が低かった。

 ゲームではキャンペーンごとに解禁時期が違い、史実では末期にT-34/85からの改良または即生産で、仮想では中盤からT-34系の改良でのみ手に入れる事ができる。
 機銃が無く、装甲はJS重戦車に劣るものの、主砲の火力は極めて高く(作ファ:135/23)、攻撃力だけならば同世代のドイツ帝国重戦車ともほぼ互角に渡り合うことが可能である。
 史実どおり砲弾の数が少ないことと、前述のとおり装甲に少々の不安があるため、うまく補給車や地形効果を利用し、できる限り身を固めて戦闘を有利に行いたい。
 なお、進化・改良では、短砲身(SU-122)への改良が可能だが、どう考えても弱体化のため、本車の導入後は特に改良は必要ないだろう。


SU-122 (突撃砲:自走砲)

 小型自走砲の成功によってこの種の兵器に有効性を感じたソビエト軍は、砲・車体の大型化を決定し、T-34中戦車をベースとした新型自走砲を開発した。
 これが本車であり、主に歩兵の火力支援を目的とした事から主砲には122mm榴弾砲が採用され、対人・対建築物兵器としては極めて高い火力が与えられている。
 以前の小型自走砲が火力として有効である反面、居住性、防御面などに難点が見られた事から本車ではその部分が大きく改善され、特に前面装甲は厚く施されていた。

 主砲が榴弾砲と言う事で対人・対陣地戦に積極投入されていたが、ドイツ帝国軍が強力な新型戦車を投入すると対戦車戦を考慮していない点が仇となり、能力不足が露呈した。
 最終的に短期間で1,000台以上が生産されたが、対戦車戦には不向きであると明確に判明した後は生産停止も早く、次第に他の対戦車砲へと生産は置き換わっている。
 万能な兵器ではなかったが、限定的な特化能力を持つ車としては思い切った兵器であると言え、ソビエト軍が如何に現実的な実用性を重視していたか本車から伺う事ができるだろう。

 ゲームでは史実どおり対人・非装甲に強い車両として登場し、比較的早期からT-34中戦車からの改良、また後に即生産で手に入れる事ができる。
 性能的にはオーソドックスな榴弾砲型戦車で、対人・非装甲に特化して強い反面、精度が低く対装甲火力が低いため、対戦車戦には用いないほうが良い。
 積極的に導入するほどの性能とも言えず、T-34を本車に流用するならSU-100にする方が有用であり、進化先もSU-152と微妙であるため、完全に趣味の兵器だろう。


SU-152 (突撃砲:自走砲)

 過去、歪な形ながらもその大火力で成功した大型重自走砲、KV-2は大戦が進むにつれて旧式化が進み被る損害も大きくなり、新型の大型重自走砲が求められた。
 この要求に沿って開発されたのが本車であり、車体にはKV-1Sが用いられ、砲自体は152mmと口径こそ違わないものの砲身長が若干違い、戦闘力は格段に向上している。
 KV-2が非常に無理のある設計で組み立てられていたのに対し、本車ではKV-1Sの大柄の車体が余裕を持たせる事ができたため、運用性は「比較的」良好であった。

 鉄鋼弾などと違い、貫通性を重視しない榴弾砲とはいえ152mmという砲弾は極めて高い衝撃を与える事ができ、ドイツ帝国軍重戦車に対しても火力は有効であった。
 防御面では既に装甲不足が指摘されていたKV-1Sと同等の装甲であったため、この面と、車内のガス換気が一部上手くいかなかった点は改善できなかったようである。
 ドイツ帝国軍の新型戦車にも引けを取らない火力を持っていた事から「ハンター」とも呼ばれ、JS-2など強力な戦車が登場するまで重要な時期をよく支えた。

 ゲームではKV-1Sからの改良などで手に入れる事ができるが、性能的には振るわず、史実とは遠くかけ離れた評価となっている。
 火力はドイツ帝国軍のティーガー並みだが精度が致命的に低い上弾数が少なく、防御力もKV-1S以下となってしまうため、戦力的には評価できない兵器と言ってよい。
 SU-122同様完全に趣味の兵器であり、進化はJSU-122、JSU-152に繋がるもののわざわざ進化過程に本車を経由する必要は無く、正直なところ存在意義の薄い兵器だろう。


ZIS-AA (対空車両:対空戦車)

 ソビエト国内で大戦前から大量生産されていたZis-5トラックを改良し、対空機銃を取り付けた対空車両である。(元はアメリカの会社が生産していたトラックで、コピー品)
 このトラックはクラシックな形状で作りも簡素なレトロ感の強いものだったが、その分生産性は高く故障もしにくい、積載量も3tと必要以上の運用性を持ち合わせていた。
 当然、軍部がこの利点を見逃すわけも無く、物資・人員の運搬や重火器の牽引を主任務として幅広く使われ、その中には本車のように対空車両として生まれ変わったものもあった。

 本車(ZIS-5と仮定)は7.62mm4連装対空機銃が搭載され、大戦初期においては高い火力、トラックならではの高機動性を持ち合わせたことから大戦半ばまで各地で奮戦している。
 その後は改良や後継に恵まれなかったことから連合国より供与される対空車両・戦車に徐々に交代していったが、簡易な対空車両としては大きく成功した部類ではなかろうか。
 余談だが、ZIS系車両には幾つか種類があり、対空火器はまちまちで資料も僅少のため、この車種がそれぞれどのように転用されたか筆者の興味は尽きない。(ZIS-1x、42系等)

 ゲーム中では序盤から即生産が可能で、空軍の質が悪いソビエト軍では必須と言る兵器となっており、同軍にとっては貴重な対空火力である。(25mmAAなので恐らくZIS-1xAAか)
 移動原理が「装輪路」のため悪路には弱いが、コストは破格の250、機動力は8、精度の低さを無視すれば対地火力まであると言う、ある意味ソビエトの怖さ・物量を示すと言ってよい。
 進化先はZUS-37で、若干の使い勝手低下と引き換えに性能向上が見込めるため、性能を取るか使い勝手を取るか、実際に運用して進化するかしないかを判断したい。


ZSU-37 (対空戦車)

 本格的な自走式対空車両を持っていなかったソビエト軍は、優秀なドイツ帝国空軍から多大な被害を被り、散々悩まされていた。
 対空兵器が無いわけでなく、場当たり的な対空車両は幾らかあったのが、根本的に本格的な対空車両が無かったのがその原因である。
 この状況を打破すべく幾つかの計画が予定されたが、最終的には車体に対戦車自走砲の流用、火砲には大口径の37mm機関砲が採用され、晴れて完成となった。

 火砲はボフォース製と言う事もあり威力は十分であったが、ソビエトの弱点でもある電子機器の弱さからか砲塔動作の制御は弱く、機敏とは言えなかったようだ。
 生産台数も少なく、総合的に見た場合のポテンシャルはそれほど高いとは言えなかったが、貴重な対空火力として使用され、戦後も数年間使用されている。

 ゲームでは終盤にさしかかる当たりに登場し、Zis AAからの進化、もしくは即生産で手に入る。
 ソビエト軍でのプレイ中は対空車両が非常に重要なのだが、新化元のZis AAが安価・優秀ということで本車の存在意義はやや薄い。
 Zis AAに比べた場合、総合的には確かに強くなるのだが、直接攻撃の仕掛けやすさに影響する移動力が低下してしまう点がネックとなる。
 正直なところ、どちらを運用しても大差ないため、プレーヤーの好みでどちらを運用するか判断してかまわないだろう。


IAG-10AA (自走高射砲 ※恐らくYaG-10AA)

 ※筆者が思うにこれはIAGでなく大戦前から生産されていたYaGの事ではないかと思う、よってそれを前提として記述を行う。
 YaG-10は当時のソビエトでもっとも大型のトラックで、大量ではなかったものの大戦前から既に量産されていた8tトラックである。(確か300ちょっとの生産台数であったと思う。)
 この時代もソビエトは鉄鋼技術に優れていたが、内燃・燃焼機関などの技術はまだまだ未熟であったため、一部の部品は外国製(アメリカなど)で、コピー技術も使われていた。

 実にソビエトらしい無骨で質素な外観のトラックであったが、広い積載面積に8tという積載量は実用性に優れていたため、M1931型76mm対空砲を搭載し自走対空砲化された。
 明確な資料が少ないためはっきりとは言えないが、元のトラックの生産台数が少ないだけに、本車へと改良された車両は100もなかったのではなかろうかと筆者は考察する。
 同軍における対空兵器の不遇な立場から目立つ事は無かったが、その存在からソビエト軍でも他国同様しっかりと地対空火力の研究がされていた事が伺えるだろう。

 ゲーム中では進化改良一切無し、即生産のみのという登場条件なのだが、ソビエト軍史実キャンペーンではプレーヤーに制限をかけるためか生産不可となっている。
 よって、スタンダード、仮想キャンペーン限定の兵器となっており、史実キャンペーンで使えない分、こちらでは機動力・射程を活かして上手く活用していきたい。
 安価、高い機動力、長射程、十分な火力と使い勝っては極めて高く、常に運用したい兵器であるがために一部制限がかかっている点だけが惜しまれる。


カチューシャ (自走榴弾砲:自走式ロケット砲)

 ドイツ帝国軍の運用するネーベルヴェルファーの有効性、広範囲にわたる制圧力を身をもって知ることとなったソビエト軍は、自軍にもそれを取り入れ本車を開発するに至った。
 本車の特徴は恐ろしいまでに簡易化された構造であり、火力的にも一度で最大16発のロケット弾を発射できるという当時としては桁外れな強力なものである。(BM-13型)
 簡略化の度合いはすさまじく、高度な電子機器や照準機は一切搭載していないために命中率は劣るが、本車から発射されるロケットの雨はドイツ帝国軍に恐怖を植えつけた。

 ソビエト軍では「カチューシャ」(名称経緯不明)、ドイツ帝国軍からは独特の音から「スターリンのオルガン」と呼ばれ、特にカチューシャは東側諸国のロケット砲の代名詞となった。
 なお、本車の残した実績は非常に大きいもので、現代においても発展型・進化型の子孫が数種存在し、現役配備されている。

 ゲーム中では比較的早くから生産が可能であり、コストも非常に安価で、進化・改良なしの使い捨てユニットとして登場する。
 本車の最大の武器は「移動後の間接攻撃が可能である」ことであり、移動力を最大限に利用した射程距離はアメリカのロングトム野砲に匹敵するだろう。
 攻撃力的には一般的な105mm野砲と大差は無いが、上記のメリットから必要な時には2、3ユニット生産し、積極的に運用したい。


76mm AA砲 (M1931 76mm高射砲 牽引高射砲)

 ソビエト軍によって運用された高射砲であるが、製造元はドイツ帝国のラインメタル社であり、正式な契約によって他国から導入された砲である。
 開発元が開発元だけに性能・射撃特性は良好で、本砲は約6.6kgの砲弾を9,000m以上打ち上げる性能を持ち、正式化当時の高射砲としては十分な性能であった。
 砲身の長さ(L55)から大日本帝国軍など他国同クラス野戦高射砲との比較では重量が増加したが、初速では勝り、連続発射速度も同等と火力面では優秀である。

 旧式な砲に比べると近代的な考えがかなり取り込まれており、作業を減らすための一部自動化、広めの仰俯角、全方向の水平射撃が可能など多くの思想が盛り込まれた。
 生産数は多かったものの、ドイツ帝国軍の初期の猛攻によりかなりの数が破壊されてしまい、改良型も新型85mm高射砲の影に隠れてしまった事から活躍の話は多くない。
 砲兵の練度が低かった、ドイツ帝国軍の進軍が速すぎた、後継の開発が早かった、などなど取り巻く環境はあまりに悪く、もう少しマシな運用がされていればと悔やまれる。

 ゲームでは一般的な牽引高射砲として登場し、オーソドックスな性能で癖の無い砲となっており、戦力に劣る同空軍をサポートする重要な火砲である。
 史実キャンペーンでは自走高射砲の生産が制限されている手前、本砲を使う事になるが、一般的な高射砲と同じように待ち伏せ、拠点への投入など上手く使っていきたい。
 進化先は85mmAA砲と大口径砲になるが、性能は思わしくなくやや弱体化というような感じであるため、進化させるかどうかはプレーヤーの好みによる。(筆者は進化させない。)


85mm AA砲 (52-K M1939 85mm 高射砲 牽引高射砲)

 当時運用中であった76mm高射砲の性能に陰りが見え始め、改良が行われたが結果は思わしくなく、より強力な火力を求める前線からの声に答えるために採用された砲である。
 改良の割りに76mm M1938の性能がそれほど上がらなかった事もあり、口径は85mm、砲身はL55と十分な能力が確保され、ドイツ帝国軍の88mm Flak 36に匹敵する能力であった。
 本砲は本来の活躍もさることながら、一般的には転用された砲の活躍が有名であり、対地用に改良されたものはT-34/85、SU-85駆逐戦車などに搭載され、猛火を与えている。

 火砲としては射程は10,000m以上、76mm対空砲同等の仰俯角・機能を持っていた事から他国の上位高射砲と遜色なかったが、唯一、連続発射速度では若干劣っていた。
 ソビエト軍では極めて大きな成功を残した砲と言ってもよく、本来の対空砲として、改良され対地砲として世話しなく活躍し、一部の砲は現代においても存命という説もある。
 基礎的な能力の高さ、運用のしやすさからから戦中にドイツ帝国軍が鹵獲したものはそのままその戦力(85mm Flak M39(r) )とされ、戦後においても東側諸国に広く広められた。

 ゲーム中では76mmAA砲からの進化で手に入れる事ができるが、性能の向上は思わしくなく、逆に弱体化してしまう面もあるため扱いの難しい砲となっている。
 使い勝っては一般的な牽引高射砲と同等ではあるが、進化元との比較では能力に大差は無く、果たして進化させる意味があるかどうかがまず脳裏に浮かぶ。
 常に上位の兵器で部隊をそろえておきたいならば進化させても問題は無いが、多くのプレーヤーにとって進化して得るほどの価値はほとんど無いだろう。


122mm野砲(ソビエト) (M1931/37 122mmカノン砲 牽引榴弾砲)

 大戦前より旧式な野砲の更新を行っていたソビエト軍に採用され、採用後は大戦中・大戦後も末永く運用された名脇役である。
 なお、年代によって1931/37などと名称が若干違うが、これは大雑把に言えば牽引部分の違いによって判別が可能だ。(もちろん他に細部を見ると相違点は多い。)
 野砲としての運用は当然として、強力な火力を活かした歩兵支援、要塞攻めにも運用されており、遠距離の撃ち合いから軽い正面での撃ち合いまで器用にこなした。

 前期タイプでは構造上の理由から若干牽引に難があったものの、後期タイプではそれも改善され、多くの戦場に投入・使用されている。
 また、砲弾の特性によって高い火力を持ち合わせ、対人はもとよりティーガー、パンターなどドイツ帝国軍の誇る戦車も遠距離から貫通が可能であったと言う。

 ゲームでは即生産が可能となっており、他国の標準的な105mm野砲に比べ、火力・射程・精度いずれにおいても一段上の野砲となっている。
 このスペックは、大口径・大火力を好んで使用するソビエトのイメージをそのまま野砲にした感じではないだろうか。(筆者の偏見含む。)
 撃たれ弱いところは他国野砲とそれほど変わらないが、前述の特性がかなり便利であるため、ソビエトを使うならば数ユニットは混ぜておきたい。
 進化先も152mm野砲と、こちらも強力な野砲であり、早め早めの進化を心がけたいところだ。


ソビエト軍歩兵 (歩兵)

 ソビエトの歩兵部隊は一般的に狙撃兵と呼ばれ、この狙撃兵から実績を重ねたものが親衛へと出世する形になる。

 ソビエトは連邦形態をとっていたこともあり、部隊は多くの人種から構成される事が多かった。
 そんな中では、属する兵同士の言葉が通じないという事が多々あったようだ。
 また、社会主義ということで一般兵の中に監視員が紛れ込んでいたりと、一般的な軍とは少々色合いが違ったようである。

 ゲーム中では主に狙撃兵、機械化歩兵、親衛赤軍が活躍し、これに動員兵、スキー歩兵が加わる。
 社会主義的価値観における人命の軽視、粘り強い反抗を反映してか、他国の歩兵よりも若干ではあるが硬めに設定されているようである。

 錬度高い狙撃兵を地形効果の高い場所に構えれば、ちょっとした壁となる。
 うまく使いたいユニットの一つであろう。


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ダイムラー (装甲車)

 偵察型ダイムラー(ディンゴ)を拡張改良し、ある程度の戦闘能力を付与するためにテトラークと同等の2ポンド砲を搭載した車両である。
 元の偵察型の素行は良く、サスペンションに独立懸架を用いていたことと、低いギア比によって悪路に強いトルクを得る事が出来たため、この種としての足回りは極めて優秀であった。
 主砲の火力はそれほど高いとは言えなかったが、本車の主任務が偵察、護衛、軽戦闘である事を考慮すれば必要十分な火力で、総合的なバランスは絶妙であったと言えるだろう。

 特に足回りは大変優秀で、大きな衝撃も足回りでほとんどが吸収できるほどであり、このことから欧州戦線だけでなく、険路なアフリカ、アジア方面へも送られ任務に就いている。
 外観だけ見ればイギリス軍お得意の間に合わせの装甲車なのだろうと大半の人が思うのだろうが、本車はその外観とは裏腹に極めて高い運用性・基礎性能を持った装甲車だった。
 細かい不具合の改良も積極的に進められ、非常に優れた装甲車であったことから大戦後も長く使われており、装甲車としての一つのあり方を長きに渡って示し続けた。

 ゲーム中では序盤から即生産が可能で、登場する年代を考えると移動力・火力・索敵能力のいずれもが十分な能力の装甲車である。
 性質上打たれ弱さはどうしようもないが、コストは非常に安く損害を気にせず大量に使える点は高評価で、さらに対空牽制が出来る点も地味に便利だ。
 進化先はハンバーIIIとなるが弱体化という感が強いため、AECIIIが即生産できる時期を待ち、一気にそちらに切り替えたほうが良いかもしれない。(※AECIIIは対空火力なし)


ハンバーIII (装甲車)

 ガイ社の生産ライン問題から生産停止に追い込まれたガイ装甲車の後継としてルーツ社が開発し、量産後は多くの戦線に送り込まれた新装甲車である。
 新とはいっても基礎部分はガイ装甲車を踏襲した設計となっており、初期型はほぼそれと同等で違う点はエンジン程度、後期型では新武装、傾斜装甲などが分かり易い点であろう。
 エンジンが4気筒から6気筒に換わった事で機動力は前任を凌ぎ、路面が比較的良好ならば時速70km/h超を叩き出す事から広い範囲を任せられる車として非常に有用であった。

 初期型は15mm機関砲など武装は前任と同じだったが、後期型は37mm砲が搭載され火力があがり、この型は火力・機動力のバランスから本車の決定版とも言える。
 車体は比較的改良を施しやすいものだったらしく、本車の一部は非常に大きい射角を持つ小口径の7.92mm機銃複数丁へと換装され、対空車両としても運用されていた。
 個々の性能に突出した部分の無い車ではあるが、実用面で大きく劣る点はほとんど無く、兵士達にとっては一般人における「大衆車」的な車だったのではなかろうか。

 ゲームでは例に漏れず安価な偵察ユニットとして登場し、序盤はダイムラーからの進化、後に時機到来による即生産で手に入る。
 登場がマークIIIであるため武装は機関砲仕様となっており、対空牽制できる代りに火力は低く、装甲が薄い事から「戦闘」車両としての能力はほとんど期待できない。
 進化先はAECIIIで戦闘能力は一気に上がり扱いやすくなるが、対空牽制能力が無くなるため、本車を運用しているならばこの点をどう考えるかで進化を判断したい。


AECIII (装甲車)

 自動車メーカーのAEC社が開発・生産を行ったイギリス軍の四輪装甲車である。
 元々、軍による発注ではなく、AECが独自に研究・開発を進めていたものであるが、近衛騎兵の式典時に展示されたものが時の首相、チャーチルによって取り上げられた。

 切り替えによる前輪駆動・四駆装甲が可能であり、トラクター同等の大型タイヤは攻守にわたり豊かな機動性の確保に貢献した。
 火力についてもAECの方針により、シリーズをとおして常に大火力のものが採用されており、主砲は初期型が40mm砲、後期では75mm砲と装甲車としては破格の火力を持つ。
 生産台数は少数と限られていたが、装甲車としての機動力・火力は極めて高く、攻守のバランスは総合的に優れたものであった。
 惜しむらくは、防御性能の高さから来る装甲厚や、大きなタイヤと大型主砲搭載のために他装甲車に比べ、若干車体が大きくなってしまった点であろう。

 ゲームでは前半から生産が可能だが、史実の生産台数を反映してか途中から生産出来なくなってしまう。
 よって前半に重点的に生産しておくことになるが、その時点で75mm砲(精度18)を既に搭載しているため、装甲車としては申し分ない性能となっている。
 イギリス軍の兵科では装甲車、軽戦車のカテゴリに属するものは総じて性能が半端なものが多い中、唯一、即戦力として投入できる本車は貴重な戦力になるだろう。
 また、後半には前述のとおり生産が出来なくなるため、生産できるうちに2、3ユニットはストックしておきたいところである。


ローカスト (軽戦車:空挺戦車)

 開発はアメリカであるが、そのアメリカでは戦闘用としては採用されず、供与されたイギリスにて少数が活躍した変り種の軽戦車である。
 本車は、空挺隊と共に機動的に仕掛ける奇襲戦随伴を目的として開発されたものの、その運用思想には到底耐えうるものでないスペックであった。
 その大きな理由として、アメリカ軍では本車を搭載できるグライダーを持っていなかった事があげられるが、重量的、機械運用的にも難のある部分が多い。(アメリカ主観)
 一方、本車をそのまま搭載できる大型グライダーを保有していたイギリス軍では本車への興味が高まり、アメリカへの要望もあって供与に結びついている。

 なお、イギリス軍の大型グライダーによって実践投入されているが、数を重ねて使用される事は無く、大戦をとおして一度きりの実践参加であったと言われている。
 カタログ値から察するに軽戦車として武装・機動性は十分であったが装甲に劣るため、運用の手間と被害予想を計算すると積極的に投入しにくかったと考察できるだろう。

 ゲーム中では終盤にスチュアート系からの進化または即生産が可能で、最上位軽戦車となるものの、スチュアートに劣る点が多く、良い点のない軽戦車となっている。
 致命的なのは機銃による滞空攻撃力の喪失で、戦闘機など航空機を威圧・牽制できなくなった事は極めて大きいマイナス点となるだろう。
 コスト的には安価で、終盤でまともに偵察のできる陸上ユニットが本車しかないことから、「仕方が無いので使うしかない」と言う位置付けが正しい評価かもしれない。


A9(CS) (Mk.I巡航戦車 中戦車)

 イギリス軍のヴィッカースMk.I、Mk.II戦車の後継として採用された戦車であり、世界恐慌による経済の停滞から不採用とされたA6戦車の流れを汲む車両である。
 本車は動力による旋回砲塔(油圧式)、足回りに独特技術が用いられるなど大きな進歩が見られたが、エンジンは一般向け改良型が採用されるなど、「純開発の戦車」とは言い難い。
 新旧の技術が混在するいわば「近代における本格的な戦車の一歩手前」の戦車で、同軍における今後の戦車のあり方を明確に示したが、本車自体の性能は思わしくなかった。

 主砲は当時最新鋭の2ポンド砲(40mm)が採用され対装甲火力は十分であったが、やはりというかお約束どおり榴弾が撃てない事からCS型(榴弾砲型)も生産されている。
 A6がコスト高になる見込みであったためA9はその面も考慮され、比較的安価なコストで調達が可能となったが、そのせいか装甲は薄く攻守のバランスは良くなかった。
 後の分類では巡航戦車として区分されたが走破性は良いとは言えず、総合的な性能も振るわなかったことから生産台数も少なく、第一線で運用された期間は短いものだった。

 ゲームでは序盤から即生産できる中戦車であるが、その低性能ぶり、微妙な進化先、見事な壊されっぷりは中戦車というよりも軽戦車に近い。
 加えて同時期にA9、A9CS、A10が生産可能というある意味斬新な複数ラインナップとなっており、大戦序盤における同軍の戦車種別・管理をより混乱に叩き込む。
 進化はA13系へとつながるが、後々生産出来るアメリカ系戦車が事実上の主力戦車となる同軍では、本系列はほぼ必要ないかもしれない。(必要でもクロムウェル数個分程度か)


A13Mk2(CS) (Mk.IV巡航戦車 中戦車)

 Mk.III巡航戦車の装甲を問題視していたイギリス軍では、より装甲が厚く、かつ現状と同程度の速度が出せる巡航戦車を欲していた。
 手っ取り早くMk.III戦車に追加装甲を施し試験を行ったところ、追加装甲による重量の増加はさほど機動性に影響を与えないことがわかり、これをMk.IVとして正式採用した。
 基本的に大きな改良は施されていないが、途中から若干の兵装の変更が行われ、対人火力の強化などが施されている。

 大きな特徴は砲塔に施された追加装甲であり、いびつな形となったこの部分は内部に空間がもうけられ、被弾時の衝撃をやわらげる効果を期待していた。
 この追加装甲の効果は不明であるが、初期のフランス戦、その後はアフリカ戦線などへ続けて投入されている事から、ある程度の効果はあったのかもしれない。
 榴弾が撃てない主砲を榴弾砲に変更したCS型なども存在し、少ないながらも幾つかの改良型が存在する。

 ゲーム中では序盤に運用する事になるが、低性能で進化表でのメインは榴弾の撃てる「CS」となっており、他国戦車と異なったやや特殊な扱いである。
 進化元はA9CS(榴弾タイプ)、進化先は比較的普通の戦車であるクロムウェルと、主力・駆逐戦車?混在という点がこの系統の進化・改良をより理解しにくいものとしている。
 イギリス主力戦車は国産系・アメリカ系の2系統しか無く、いずれも似たような性能の上に違いが明確になるのは中盤過ぎのため、前半での進化・改良は考えないほうが良いだろう。


クロムウェル巡航戦車 (中戦車)

 イギリス特有の機動力を重視した巡航戦車のうちの1つであり、名称は三王国戦争に活躍した人名に由来する。
 当初からエンジンは戦闘機に採用されているミーティアを搭載予定であったが、戦闘機を優先生産する関係から能力不足の他エンジンが一時的に採用された。

 結果的に登場時から鈍足、火力不足、装甲不足と不遇な立場におかれてしまった。(車体サイズの関係から17ポンド砲の搭載も不可であった。)
 十数台の本戦車が1台のティーガーに全滅させられたエピソードや、初期型はエンジンの関係上、技術的な信頼性が低かったりとあまり良いところのない戦車である。
 しかし、後期タイプではエンジンが本来のものへ換装され、バージョンが上がるたびに追加装甲も施された。(エンジン換装に伴い同系のセントーからの機種変更も含まれる。)
 最終的には機械的な信頼性があがるとともに、世界最速レベルの機動性を得る事に成功し、力不足ながらもイギリス軍主力の一翼を勤めている。

 ゲーム中では優れた部分もなく、やはり劣る部分の多い凡庸戦車の1つにしかすぎず、最大の特徴であった機動性も移動5と優遇されているわけではない。
 登場時期から不足気味の火力・精度は致命的で、IV号戦車相手にやや不利、パンター・ティーガー相手には完全に不利と厳しい戦いを強いられるだろう。
 進化先もコメット(チャレンジャー)と終盤にはやや頼りない戦車となっており、バージョン違いもろくに無い冷遇ぶりはもはや気の毒と思える。


チャレンジャー巡航戦車 (中戦車)

 度重なる優秀なドイツ軍戦車との戦いで、より射程の長い対戦車火力を必要としていたイギリス軍が試行錯誤の上に開発した17ポンド砲を搭載した戦車である。
 車体にはクロムウェル系のものがそのまま使われる予定であったが、搭載する新型17ポンド砲はその車体にはあまりにも大きすぎ、結局、車体は拡張改良されて使われた。
 以前より火力不足であった上にティーガー、パンターの出現でさらに火力不足が深刻化したイギリス軍では17ポンド砲を搭載した本車は待望のものであり、戦力強化に貢献している。

 砲塔の形からもわかるように、かなり無理な設計で砲が載せられており、防御面で不利な点は否めない上、機動力などの総合的な性能も決して高いものではなかった。
 だが、慢性的な火力不足で常に緊迫していた前線では持ち前の高い火力は喜ばれ、そのことから決して悪い面ばかりではなかった事がうかがえる。
 アメリカから供給されたシャーマン、その改良種ファイアフライが優秀であったため、本車は少数生産で打ち切られたが、火力不足であった時期のイギリス軍をよく支えた戦車であった。

 ゲームでは中盤〜終盤が本車の登場する時期であり、クロムウェルからの進化、即生産で得ることができ、登場がやや遅く退役はやや早いという短期的な兵器として登場する。
 パンター同等の火力(105/22)を持つものの防御性能は低く、先制できない戦闘では極端に不利な状態となる使い方の難しい戦車であるが、高い火力ゆえに戦列には加えておきたい。
 主砲弾数が少なく防御性能は低い、と使い捨てである感は否めず、必要な時期に必要なだけ運用しその後は即退役という使い方が一番良いだろう。(進化先も半端な性能のコメット)


ファイアフライ (中戦車)

 ティーガーとの戦闘で、自軍戦車の火力不足を痛感したイギリス軍は、新型の17ポンド砲を搭載する戦車の開発を推し進める事となり、本車の登場はこの計画によるものである。
 同時期にはチャレンジャーが同じように開発されていたため、一度は開発をキャンセルされているが、試作車の性能が思ったよりも良好なことから一転して開発・生産が始まった。

 主砲の17ポンド砲は火力十分で、本車は有効な兵器ではあったが、改造生産を行うだけの時間はなかなか無く、まとまった大量生産には至っていない。
 また、車体はシャーマンそのもので、重戦車と直接戦闘が出来るだけの能力は無く、数台の主力シャーマンに補助ファイアフライ1台といったように、火力支援車として利用された。

 ゲーム中では終盤に差し掛かる頃に解禁され、シャーマンIIAからの進化が可能となり、終盤には即生産も可能となる。
 性能的には足、装甲に劣るパンターと言ったところであり、火力だけならば十分な性能(精度も22と高い)を持っている、が、ただ、対空火力が無い点だけは注意したい。
 練度が高ければ、イギリス軍の中ではティーガー、パンターともまともに渡り合える数少ないユニットであり、即生産可能な状態ならば、積極的な運用・戦闘も可能だ。
 どうしても他国重戦車に比べ、装甲が不利になるが、そこは地形効果でうまくカバーすれば、被害はある程度防げるだろう。


コメット巡航戦車 (中戦車)

 開発中であった17ポンド砲を搭載したチャレンジャーは確かに火力は優れていたものの、防御性能・機動力に欠け、総合的な能力は劣ったものであった。
 この問題に直面したイギリス軍は、ヴィッカースの進めていた戦車開発計画に着目し、この開発計画を後押しし、これが無事完成することとなる。
 本車は、クロムウェルの改良車体に小型化した17ポンド砲を採用した組み合わせ的戦車ではあるが、この両者の相性は絶妙であり、総合性能は極めて良好であったとされる。

 特徴的なのが主砲であり、フルサイズの17ポンド砲に比べ砲身が短くなっており、これと同じ砲弾が流用できないという事もあって、同じ17ポンド砲でも亜種と言ってよい。
 この主砲はコンパクトな割りに大きな火力を持っており、ドイツ帝国軍のパンター程度の火力があったと言われている。(程度とは言え、やはり劣っていたようではあるが)
 実践投入が遅れ、大戦時の戦闘にはほとんど参戦できなかった本車ではあるが、基礎性能の高さから、戦後もしばらくの間、数カ国にて運用されている。

 ゲームでは大戦末期での登場となっており、即生産(ややコスト高)、クロムウェルからの進化、チャレンジャーからの改良にて入手が可能となる。
 ドイツ帝国軍の長砲身型IV号戦車を強化(精度は同じ20)したような性能であるが、中戦車である事もあって、大戦末期の戦車としては能力不足である感じは強い。
 上位の改良・進化も無いため、本車の運用は趣味でごく少数にとどめ、アキリーズなど17ポンド砲(105/22)を持つ他戦車をメインに運用するほうが良いだろう。



coffee break
〜ポンドとインチ〜

 ご存知のようにイギリス帝国では国際規格のキロ、センチではなく、ポンド、ヤード、インチなどの単位が採用されている。とはいってもポンドヤードはアメリカでも使われているのだが、メートル条約の関係上、法的にはメートル法が採用されていた。ちなみに現在の日本ではポンドヤードの使用は法によって禁止されている。この単位の違いは一般的に単純な混乱を招いたり、航空機事故の原因になったりと現在でも様々な影響を世の中に与えているが、国によっては日常的に使われている単位でもあるため、今後も双方が存在し続けるのだろう。(現在のイギリスでは法的に国際規格が優先されている。)本作でイギリス帝国の兵器によく使われる単位を簡単にまとめると以下のようになる。

 戦車砲(重量または口径) 2ポンド砲=40mm 6ポンド砲=57mm 17ポンド砲=76.2mm(77mm) 3インチ砲=76.2mm(77mm)
 ※名称に付く略語 QF(Quick Firing)=速射砲(対戦車) CS(Closed Support)=近接砲(榴弾)

 野砲(重量または口径) 25ポンド砲=87.6mm 5.5インチ砲=140mm

 筆者は当然日本人なのでポンドヤードで単位を伝えられても長さの想像はできないが、きっとイギリスの人ならばこちら(ポンドヤード)の方がしっくりくるのだろう。


アキリーズ (駆逐戦車)

 本車のベースはアメリカより供給されたM10駆逐戦車であり、イギリスは火力強化を図るため、供給分の一部において主砲を強力な17ポンド砲へと換装し、運用を開始した。
 換装された主砲は元々の主砲よりもかなり火力が上がっており、幅広く戦場に投入され、その火力を生かして火力支援を主任務として活躍したようである。

 なお、正確な生産台数は不明で、どの程度が本車に改造されたか明確ではないが、換装・改造作業はそれほど難しくない事から、ある程度まとまった台数と予測できるだろう。
 車体自体はやや頼りないものの、主砲は強力なものであり、連合軍の反撃が本格的になる時期にはイギリス軍にとって無くてはならない車両であったようだ。

 ゲームでは終盤で登場し、ドイツ帝国のパンターと同等の攻撃力、極めて安価なコスト、と、イギリス軍戦車の中ではファイアフライに並び極めて高い使い勝手を誇る。
 運用面ではややファイアフライに劣る部分はあるものの、終盤のイギリス戦車としては珍しく対空攻撃力がある点、牽引砲以下の生産コストであるという点は特筆に価する。
 反面、車体は中戦車クラスであるがために打たれ弱く、また、オープントップの戦闘室であることから対空防御が0となっており、集中砲火を浴びないよう注意したい。
 時期が来れば即時生産が可能であるため、M10ウルバリンから急いで進化させることも無いだろう。


マチルダII歩兵戦車 (重戦車:歩兵戦車)

 戦前に開発されたマチルダは重装甲・廉価・小型・汎用パーツ積極採用を主眼として開発されたものであり、戦車砲までもが省かれたため火力的に著しく劣るものであった。
 結果、早期に退役の決定されたマチルダに対し、イギリス軍は後継機の開発を決定、更なる装甲追加と車体の大型化、戦車砲を搭載した本車の登場となる。
 例によって歩兵戦車の特徴ははっきりと出ており、重装甲・速度が出ないかわりに悪路に強い、とまさに歩兵随伴への最適化は高かった。

 歩兵随伴に限れば機動力の無さは大した問題にはならず、優れた装甲は多くの戦車砲・対戦車砲の砲弾を弾き返して随伴の歩兵を良く守った。
 各方面にて活躍していたが、基本的に榴弾が撃てない致命的な弱点と、防衛から攻勢に転じるようになると機動性の乏しさが仇となり、次第に積極運用されなくなっている。
 他国にて長砲身砲の採用が進むと重装甲もあまり役に立たなくなり、次第に第一線からは退いて言ったが、大戦後期も細々と運用され、終戦まで活躍している。

 ゲーム中では歩兵戦車マチルダからの進化、もしくは生産にて手に入れる事が可能で、進化先もバレンタインと正統な歩兵戦車の系譜となっている。
 装甲は厚く撃たれ強いが、、移動力の低さに加え、史実の榴弾が使えない事を反映してか主砲は対装甲火力だけとなっており、総合的な使い勝手は良くない。
 しかし、序盤の壁役としては比較的優秀なため、運用するならば少数の投入にとどめ、役割を明確にしたうえで運用したい。


バレンタイン歩兵戦車 (重戦車:歩兵戦車)

 大戦中のイギリス軍において最も信頼性が高く、生産性・コストに優れ、戦車不足の窮地に陥っていた時期を良く支えた戦車である。
 前述の説明どおり、総合的な評価はかなり高い上に、戦車不足という時勢背景も手伝って、イギリス軍としては珍しく生産台数が8000台を越えている。
 性能的にはマチルダIIに劣る装甲・走破性、初期型では40mm砲であったために火力不足が指摘され、とても新規戦車とは言えないものであった。

 しかしながら、本車の堅実な設計は高い機械的信頼性を得る事に成功し、同時に生産コストを大きくさえる事にも成功していたため、これが大量生産へと繋がっている。
 「運用しやすく大量生産しやすい」という視点から見れば戦争の道具としての使い勝手は高く、本車の登場はイギリス軍にとって実にありがたいものであった。
 大戦半ば頃には性能的限界が見え初め徐々に退役していったが、一部はソビエトなどに送られて高評価を得たりと他国でも活躍した。

 ゲーム中ではマチルダIIより進化、もしくは中盤以降に即生産にて手に入れる事が可能となる。(登場はXI型なので75mm砲)
 火力が半端、移動力は4、装甲に至ってはクロムウェル以下、止めがコストがシャーマン以上と、はっきり言って存在を疑うレベルであり、使う理由が殆ど無い。
 歩兵戦車は比較的早く即生産が可能となるため、どうしても使いたいのならばレギュラーでは扱わず、代打的に即生産で「その場」だけ運用するのが正解か。


チャーチル歩兵戦車 (重戦車:歩兵戦車)

 マチルダ歩兵戦車の性能が実戦に耐えられなくなり、後継として投入されたのが本車である。
 本車は、歩兵戦車というその独特の考え方から機動力は非常に低く、代わりに確実かつ高い悪路走破性、75mm砲程度ならば跳ね返せる重装甲を持つ。(被弾部分にもよる)

 戦車戦に用いられるような華やかさはないものの、悪路の多い戦場を歩兵と共に駆け抜け、その厚い装甲で敵弾を跳ね返し、歩兵にとってはなくてはならない存在であった。
 また、極めて高い悪路走破性は特筆に価し、その走行性は通常ならば進入負荷と判断されるような場所でも用意に入り込むほどであったようである。

 ゲームでは火力のない盾戦車というイメージが強く、その鈍足さはプレーヤーに使いにくいという印象を強烈に植えつける。(壁と言ってもそこまで重装甲ではないのだが・・・)
 初期型は砲の関係から対非装甲火力も弱く(前期型主砲は対装甲火力のみ、後期型で改良される)、その点でもやや扱いにくい感じが強く、どうしてもマイナス点だけが目立つ。
 特に移動が優遇されているわけでもなく、さらに精度の低さから先制の取れない主砲、コスト高は致命的で、進んで使う理由はこれといって見当たらないだろう。
 もし運用をするならば、歩兵の盾として控えめの数で運用し、積極的な第一線への投入はできるかぎり控えたほうがよい。


ハンバーAA (対空車両)

 ドイツ帝国軍の航空攻撃に対応するため、対空火力を求めていたイギリス軍では良好な機動性・運用性を持ったハンバー装甲車に目をつけ、これを対空車両に仕上げた。
 車体自体に大きな変更は無かったが、武装は機関砲の変わりに大きい射角を確保できる7.92mm機銃が四廷搭載されており、一発の火力では劣るものの弾幕を張るには十分であった。
 元の車両の良い面をおおよそ引き継ぎ活躍への期待と共に正式化されたものの、登場時には制空権がほとんど連合軍側にあったため残念ながら活躍・逸話などはほぼ無い。

 本車は戦局から有意義に活用されなかったが、装甲部隊に随伴できる対空火力は陸軍にとって非常に心強いもので、存在自体が兵達に大きな安心を与えたのではなかろうか。
 その点を考慮すると何時でも随伴でき、機敏性に優れるハンバーに目を付けた同軍部は非常に良い判断を下したとも言え、本車においては方向性に間違いは無かったと言える。
 対空車両として活躍の場はなかったものの、それは同陸軍に対して空からの脅威は無かったとも考えられ、本車は同陸軍の膨れ上がった強大な勢力を示していたのかも知れない。

 ゲーム中では比較的序盤から即生産ができ、それなりの火力に安価な点が上手く融合した車両で、ほぼ使い捨て感覚で使える車両となっている。
 強烈な一撃を加える用途には向かないが数をそろえて使うには極めて都合よく、射程に劣るボフォース対空砲の頼りなさをカバーする役割にも丁度良い。
 進化先はクルセーダーAA(後に即生産が出来るようになる)で、地味ながらも堅実な性能向上が見込めるため、進化解禁後は速やかに進化したいところだ。


ビショップ (自走榴弾砲)

 北アフリカでの戦いにおいて、ドイツ帝国軍の自走榴弾砲に散々苦しめられたイギリス軍は、同様の戦力を自軍に取り込もうと研究・開発を始めた。
 開発工程はシンプルなもので、車体はバレンタイン戦車、砲は25ポンド野砲を流用と簡素に済まされ、これで一応形が整ったとの判断で生産が開始されたのが本車となる。

 自走榴弾砲とは言うものの、性能はあらゆる面で極めて悪く、砲を操作するための車内スペースの確保すら難しいと言う、実質的な失敗作であった。(生産数も限られている)
 他の致命的な欠点も多く、砲兵にまで避けられるような兵器であったため、M7プリーストがアメリカより供与されるようになると、すさまじい勢いで第一線から退いた。

 ゲーム中では中盤から登場し、史実どおり性能の悪い自走榴弾砲として位置付けられている。
 さすがに大日本帝国軍の一式自走砲よりはマシであるが、火力・射程は共に不足気味(30/3H)であり、欧米他国の同兵種に比べ見劣りするのは否めない。
 元々、イギリス軍ではまともな自走榴弾砲自体が少なく、安定して使えるのがM7プリーストのみという有様であるため、まずは運用するかしないかが第一の判断となるだろう。
 司令部攻めには他野砲・自走榴弾砲と同じく有効であるため、持っていても損は無いが、本車に頼りきるのは危険であり、M7プリーストの登場後は早めに切り替えていきたい。


セクストン (自走榴弾砲)

 ビショップは完全な失敗であったが、同じく運用されていたM7 プリースト(アメリカから供給)の優秀さに目をつけていたイギリス軍では、これを手本として本車を開発した。
 本来はシャーマン系車体を使用する予定であったが、諸事の都合によりカナダのラム戦車の車体が採用されている。(ラム戦車自体はシャーマン系と同等の車体。)
 また、ビショップと同じ砲を搭載していたが、ビショップのように射角が制限されてしまったり、戦闘室のスペースが無いという事は無く、指摘されていた欠点はほぼ改善された。

 ビショップと比べた場合、性能は飛躍的に上がっているが、中でも射角が改善された事は非常に影響が大きく、ビショップに比べ、より長い射程を得る事となった。
 全体的な運用性能も良好で、登場から徐々に数を増やし、砲弾が規格外のM7 プリースト(イギリス軍25ポンド砲は約88mm)に代わって主力自走榴弾砲となっている。
 本車は製造時期によってエンジン・電気周りの装備に若干の違いがあり、これを専行量産型、量産型と区別し、それぞれをMk.I、Mk.IIと呼ぶ。(ゲーム中では区別なし。)

 ゲームでは中盤から登場し、ビショップを超える性能で即生産が可能となっている。
 史実どおり射程は4Hと1H上昇して(ビショップは3H)性能は向上しているが、25ポンド砲の火力は野砲のそれと一緒であり、やはり物足りなさはある。
 弾数(間接砲の弾数は10発)から無補給で長時間の間接支援が可能であるが、前述のとおり火力不足は問題であるため、M7 プリーストへの進化は必須になるだろう。


40mmボフォース (牽引高射砲)

 スウェーデンのボフォース社が開発した対空機関砲であり、高い性能から連合軍の艦船に積極的に組み込まれた他、多くの国々で採用された傑作砲である。
 本砲は連合軍だけでなく赤軍や枢軸軍でも使われ、第二次世界大戦において最も成功し最もメジャーと言ってよいほどで、敵味方が入り乱れて使用した面白い砲と言える。
 元々はスウェーデン海軍向けの砲であったが、射程、火力共にそれだけに終わるにはもったいない性能であったため、陸軍型も存在し、こちらも多く採用された。

 40mmと言う口径は各国の高射砲に比べて半端なように思えるが、この砲はL60という長砲身を採用しているため、他国の75mm高射砲などに比べて劣るものではない。
 むしろ40mmと言う適度な大きさと長砲身によって射程は長くなり、高射砲に近い性質を持つ機関砲と言う事で連続発射速度も高く、バランスは極めて良好であった。
 あまりの優秀さに採用する国が続出し、大戦後は砲身がL70とより長いものにアップデートされ、現代においてもなお現役と言う恐ろしく凄まじい性能・寿命を誇っている。

 ゲームではイギリス軍唯一の対空高射砲として登場し、即生産のみ、進化・改良なしという条件で序盤から使う事が可能となっている。
 しかし、即生産で手軽に使える高射砲といえば聞こえはいいが、火力は並、射程は3と狭く、他国高射砲との比較では明らかに劣っているため、残念ながら性能的には微妙だ。
 あればしばしば役にはたつが、高射砲ならではの待ち伏せに使うには射程が短く、移動・展開の手間を考えると劣勢時防衛用と割り切って極少数を運用するのが正解か。


イギリス帝国軍歩兵 (歩兵)

 大戦前の大不況の中、経済的な危機に陥っていたイギリス帝国では大規模な歳出削減がしいられ、これは軍にも大きな影響をもたらした。
 更新されるはずの装備は更新されず、兵器の調達・開発にも影響が見て取れ、第一次世界大戦の戦勝国にもかかわらず、装備品は依然として旧体系のままであった。
 単発式の銃をはじめとし、南方方面の植民地では戦う事よりも生活性が重視された古い軍服など、その影響は装備品、軍服からも明らかであると見て取れる。

 大戦中期からステンガンなどの短機関銃、ピアット(対戦車グレネード)が装備品に組み込まれると戦闘能力は跳ね上がったが、それでもドイツ帝国歩兵との比較では質にやや劣る。
 イギリス人特有のジョンブル魂とでも言おうか不屈の精神は健在で、補給・兵が十分であれば非常に良く戦う一方、明らかに劣勢であれば撤退・降伏も躊躇しない柔軟性も持っていた。
 歩兵とは少しかけ離れるが、やや癖のある将校も特徴的で、ローレンス・ヴァン・デル・ポスト、バーナード・ロー・モントゴメリーなど独特の考えを持つ人物がいた事も非常に興味深い。

 ゲームでは歩兵(前期・後期)、自動車化兵、空挺隊、動員兵が登場するが、史実の劣った装備を反映してか全般的に能力が低く、若干使いにくい総合性能となっている。
 特に機動性に乏しい点は大きく、標準的な歩兵はともかく自動車化歩兵、空挺隊の歩兵状態時の移動力が2と言う事実が進軍に著しい制限をかけていると言ってよい。
 同軍歩兵には何かしら欠点があるため編成は完全にプレーヤーの好みになるが、場合によっては歩兵を用いず爆撃で建物破壊、補給車で修復という迅速な占領が必要だろう。


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恐竜 (キョウリュウ)

 なぜかゲーム中に生息する謎の古代恐竜。
 敵対するものに吐き出す業火は全てを焼き尽くすという。

 その生態は謎に包まれている。


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機械化歩兵 (キカイカホヘイ)

 パワードスーツを身にまとった謎の歩兵。
 近づくものには容赦ない機関砲掃射を浴びせるという。

 どういったテクノロジーで動いているのかは謎である。



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Bf109 (戦闘機)

 バイエルン社(後のメッサーシュミット社)が世に送り出したドイツ帝国軍の主力戦闘機である。
 バランスの良い戦闘機であったが、エンジンを主とする機体の複雑さから、多くの悩みがあった戦闘機でもあり、名機と呼ばれるまでには様々な改良が施された。

 改良種は非常に多く生まれ、大雑把に言えばF型にてひととおりの改善が終了し、G型で完成形態といったところであろう。
 ちなみに、各型番のアルファベッドにはFならフリードリヒ、Gならグスタフなど、人名があだ名としてつけられている。(正式なものではない。)

 ゲームでは前半〜中盤まで頼りになる戦闘機である。
 史実のモーターカノン導入の遅れによる火力不足、燃料量による短い航続距離を反映し、F型で航続距離の限界(燃料50)、K型で火力の限界(対空80)に到達する。
 終盤では、G型(K型進化は省略可)から一気にMe262へと進化が可能となるため、他の戦闘機が魅力的に見えても最低数ユニットはG型以上をストックしておきたい。

 うまく運用すれば、中盤まではBf109G、そこからしばらくはFw190、終盤はMe262投入と流れを組むことができ、制空権には困らないだろう。



coffee break
〜戦闘機の機銃搭載箇所とプロペラ同調装置〜

 大戦中に運用された戦闘機は機首に機銃を装備しているものが多く存在する。これは翼に機銃を持たせるよりもメリットが多いためで、具体的には「機銃を胴体内に搭載する事でスリムにできる」「射撃対象に合わせる照準が正確になる」「機銃を外付けするための補強が必要なくなる」などが挙げられる。しかし、これを実現させるには単純に考えても機銃でプロペラを打ち抜かないようにしなければならず、この発想が出た当時では技術的にも難しいものだった。

 −これを真っ先に、意外な方法で実現させたのは第一次世界大戦でのフランスであった。その方法とは「プロペラを撃たないようにするのではなく、弾丸が当たることを前提とすればよい」といったもので、非常に強引な手法であった。だが、それでも登場同時の効果は絶大で採用機(ソルニエL)は第一次大戦で大きな活躍を残した。それから後、鹵獲したフランス機の技術を参考にドイツ帝国のフォッカーがプロペラ同調と言う考えを思いつき、「プロペラが銃口と重なっている時には機銃を動作させない」本格的な構造を生み出した。これがプロペラ同調装置である。この装置は登場と共に爆発的に世界中へ広がり、それ以降多くの戦闘機に採用され優れた戦闘機を誕生させた。プロペラ同調装置とはそれほど画期的だったのである。しかし、火力重視で弾丸をばら撒く必要があった機には依然として翼下・翼内機銃を採用したものも多く、アメリカ機、イギリス帝国機には翼下・翼内機銃を採用した機が多かった。また、その他でも火力不足を補うのにポッド形状で翼下に機銃増設されるなど、場合によっては機首機銃が非効率でもあったため第二次世界大戦においては機銃の搭載方法は多種に渡る。

 機銃の設置箇所は使用目的・国によって好まれる箇所は変わり、こんな事からも各国の国柄、戦闘機のあり方、構想と言うものが見れるのかもしれない。


Fw190 (戦闘機)

 当時主力であったBf109は高性能ではあるが、新兵には扱いにくく、複雑なエンジン構造のため生産歩留まりを起こしていた。
 そこからくる戦力減少の不安を解消するために開発されたのが本機である。
 高高度戦闘は苦手であったものの、その機体の丈夫さ、高い生産性とメンテナンス性、Bf109と比較し操縦のしやすさで、第一線で使用されることになる。

 その汎用性から多くの改良種を生み出したが、D-9が出るころには既に工業品質の低下、他国戦闘機の極端な性能向上から思うような成果は出なかった。
 大日本帝国と同じで、質的に劣勢で、国内産業が低下すれば、カタログデータと同じようにいかないのはどこでも一緒である、と言ったところか。
 本機はドーバーの制空権を一時奪取された連合軍兵士には好敵手と見られ、運動性能だけで戦闘機を判断する日本軍には劣った戦闘機と見られることが多いようである。

 ゲーム中では連合軍戦闘機に比べ、やや火力は劣るが、安定した性能を発揮し、Bf109(Bf109はk型でも攻撃力が80、精度18)に変わって頼れる存在である。
 戦闘攻撃機型のG型、F型も搭載燃料に難はあるものの(機関砲+タンク2武装は可能だが)、ある程度の防衛力があって500kg爆弾搭載3と攻撃能力は高い。


Ta152 (戦闘機)

 Fw190の高高度タイプであるD型をさらに研究・発展させ、その成果として登場したのが本機であり、Me262の出撃・着陸をサポートする戦闘機として期待された。
 Fwの発展型ではあるが、型番がTaとなっているのは、設計者の名前を用いるようこの時期より命名規則が変更された事によるものである。

 大まかな構造はFwのそれを踏襲しており、目立つ部分での変更点は少ないものの、細部にはかなり多くの変更が加えられており、Fw190Dの性能を上回る性能を得た。
 しかしながら、ドイツ帝国(ナチス政権)ではメッサーシュミットびいきが非常に根強く、大量生産に踏み切れず、終戦までに少数が生産され、一部が活躍したに留まった。
 設計どおりの機器・メンテナンスが採用されていればP-51マスタングを優に上回る性能との話も出ており、優先量産されていれば空戦の歴史はまた違ったかもしれない。

 ゲームでの本機は、Fw190D9より進化・時機到来により即生産が可能で、レシプロ戦闘機の中でもトップレベルの性能を持ち、火力120・精度20と攻撃力は群を抜いている。
 他国の下手なジェット戦闘機よりも精度が高いため、終盤でも進化せずそのまま運用することが可能なレベルであり、終盤では頼りになる戦力となるだろう。
 進化元がFw190D9とお手軽かつ進化先もTa183と極めて高い能力となっており、主戦力の一翼として運用するのがよい。


Me262 (シュヴァルベ 戦闘機)

 大戦末期に登場したドイツ帝国の誇る、世界初のジェット戦闘機である。
 登場した時期は末期ではあるものの、長い開発期間をかけており、その間に大幅な仕様変更、損失事故など数多くの困難を乗り越え、やっと実用化された。

 本機は当時のレシプロ機を問題としないほどの速度を持ち、かつ30mmという強力な武装から、極めて高い戦闘能力を持つこととなった。
 しかし、高性能な一方でレシプロ機とは比べ物にならないほど燃費は悪く、また、ちょっとした操作ミスでエンジンの破損を招いたり、着陸が難しいなど多くの問題を持つ。
 当時のジェットエンジン技術ではジェットエンジン自体の稼動寿命も極めて短く、極端な高性能を持つものの、その運用・メンテナンスは非常にデリケートなものであった。
 コンクリ整備された空港でしか運用できず、滞空時間の短さから長時間の作戦には不向きであったが、登場から終戦までの短期間でかなりの撃墜数を上げた。

 ゲームでは終盤に差し掛かったところで進化が解禁され、一部のマップでは即生産も可能である。
 本機は移動力、燃料はレシプロ機と大差ない設定であるものの、火力が140、精度22と戦闘能力は極めて高い。(ただし、弾薬が少ないことに注意)
 生産コストは高いが、Bf109G(K)からの進化であればコストもあまりかからないため、キャンペーンでは常にBf109G型以降を幾つかストックしておきたい。


Ta183 (フッケバイン 戦闘機)

 超高高度を飛行する爆撃機に対しても有効な性能を持つドイツ帝国軍の切り札として開発されていたが、連合軍による開発工場の占拠により完成に至らなかった機である。
 未完成であることから性能は未知数だが、ペーパープラン上での性能は比較的高く、ドイツ帝国の技術力を考えるとそれに近い性能が実現されたであろうと思われる。
 設計についても胴体内へのエンジン設置や後退翼と先進的なもので、さらに一部共通部品の導入(例として左右互換の翼など)がなされるなど、効率化も同時に取り入れられた。

 大空を飛ぶことは残念ながらなかったものの、推測される性能から完成すればMe262と並んでドイツ帝国軍の主力戦闘機になったことはほぼ間違いないだろう。
 戦後、散り散りとなった開発者、開発資料は連合軍・赤軍の内にわたり、その成果は各国の第二世代以降現代までのジェット戦闘機に色濃く影響を与えたといっても過言は無い。
 大戦中完成することの無かった本機はドイツ帝国にとって無価値なものであったが、世界的な視点で見ると、戦後、ジェット機史上に与えた影響は計り知れないものであった。

 ゲームではドイツ帝国軍最強の戦闘機として君臨し、鋼鉄の旋風では世界征服ルート末期、作戦ファイルでは終盤に、それぞれTa152からの進化で手に入れることが出来る。
 火力160・精度24・防御力80という性能は戦闘機としていずれも最高レベルのものであり、戦闘力の高さから警戒すべき敵戦闘機は同じ精度を持つ秋水くらいと言ってよい。
 移動力、燃料、武装のバランスも良く、使い勝手にも優れていることから、導入できるようになったならばすぐに導入したい。(特にインド侵攻ではTa152生産後すぐ進化可能)


He162 (サラマンダー 戦闘機)

 劣勢に追い込まれたドイツ帝国が、形勢逆転を図るべく設計・開発したのが本機である。
 本機は非戦闘員や錬度の低い兵でも簡単に使え、貴重鉱物の使用を極端なまでに減らし、さらに組み立てが簡易であるという構想に沿って設計がなされた。
 その運用意図から「国民戦闘機」(フォルクスイェーガー)とも呼ばれ、大戦末期に生産の間に合った少数が戦線へ投入された。

 本機は急場作りな上に調整不足も目立ち、全体的な性能はあまり良くなかったものの、安価に量産できるジェット戦闘機として期待されたようである。
 筆者的には調整不足の上にすでに敗戦色濃厚の時期に投入、さらに生産ラインの効率があがってきたところで終戦という、不遇の戦闘機であると思う。
 後世、ここまで潔いくらい簡略化され、珍しい背負い式ジェットエンジンを持つ戦闘機はなかなか現れないだろう。

 ゲーム中では終盤で即生産可能という条件で使えるようになる。
 正規ジェット戦闘機に比べ航続距離、空対空能力、兵装などが劣るが、変わりにレシプロ機を若干上回る性能を即コスト安で使えるのが魅力か。(兵装は変更不可)
 戦闘能力はTa152Hを若干上回る程度のため無理に使うこともなく、同時期にはより高性能なロケット式局地戦闘機Me163が出ているため、趣味の兵器と言えるだろう。


Me163 (コメート 局地戦闘機)

 世界初、かつ唯一実用化実践投入されたロケット推進式の戦闘機である。(ロケット式では他に大日本帝国軍の桜花等があるが、それらは戦闘機ではない)
 ロケット推進という革新的な技術は、それまでの戦闘機を否定するような圧倒的な上昇能力、速度をもたらし、攻めるだけならば誰もが驚くほどの性能を発揮している。
 反面、取り扱いの難しい有害物質を含む燃料を初め、上昇しきった後はグライダーとほぼ変わらない無防備な点、滞空時間の短さ、構造的問題などマイナス要素も多かった。
 特に燃料媒体の扱いが原因で起こる事故は多く、その状況・事故内容を見ると、運用するだけでも大きい労力を要し、平常時でも難しい手入れを求められていたようである。

 序盤こそ多少は活躍できたが、連合軍によって弱点が暴かれていくと、配属基地を避けられたり、無防備な滑降中を狙われたりと次第に活躍の機会を失って行った。
 飛行機史上、一時的にとは言え目覚しい成功を成し得た本機であったが、軍によって無理に戦闘機として運用されたのが不幸だったのかも知れない。

 ゲーム中では終盤に即生産が可能となり、燃料、航続距離、弾数と引き換えに極めて高い戦闘能力を持つ戦闘機となっている。
 コストも非常に安く、手っ取り早く自軍司令部周辺の制空権を確保したい、使い捨て戦闘機に運用するなど、使いどころを決めれば有効性は高い。
 極端なスペックであるため、メインとして使うには厳しいが、うまく使いこなせれば自軍の制空能力を高める事が出来るだろう。


Me110 (Bf110 戦闘攻撃機)

 駆逐・戦闘攻撃機(万能機)として開発されたものの駆逐戦闘では本機の適正に合わず、最終的には戦闘攻撃機として運用され結果的に成功を収めた双発大型機体である。

 本機は空戦(駆逐・護衛等)での活躍を期待されたものの対英戦にて一方的被害を被り、これにより格闘戦では常に劣勢であることが判明、次第に格闘戦には使われなくなった。
 しかし、もう一つの性格である戦闘攻撃機としては高速性を生かした一撃離脱・長距離進行が可能、重武装という性質と任務の相性が非常によく、この分野では大成功を収めた。
 当初の迷走時期が長かったせいで低い評価がされがちであるが、実際には他国双発機に比べて高い汎用性を持っており、大きな成功を収めた機体であると思ってよいだろう。

 ゲームでは戦闘攻撃機に属しており、序盤から生産が可能で、E型から500kg爆弾の搭載が可能となる。
 性能的には特に秀でた部分はないものの、空戦は戦闘機に及ばないものの自己防衛くらいは可能、爆弾搭載量もあって対地攻撃はまあ使えるとある意味万能機ではある。
 全般的な性能が低いため、ここぞと言う時には頼りないが、大戦初期の戦闘で対地攻撃に運用するにはもってこいの機体である。

 進化先はMe410となるが、この年代の戦闘攻撃機は中盤にかけてすぐに即生産が可能になるため、それほど神経質に扱う必要は無い。


Me410 (ホルニッセ 戦闘攻撃機)

 長距離侵攻に長けた駆逐戦闘機として開発されたMe110の後継である。
 ゲームでは戦闘攻撃機と分類されているが、実際には当初、駆逐戦闘機として採用され、その後、戦闘攻撃機・夜間戦闘機などの任についた。

 登場当時としては運動性、速度、兵装重量、どれをとっても優れており、登場からしばらくの間はその速度、火力を生かし駆逐戦闘機として高性能振りを発揮した。
 しかし、マスタングやスピットファイアなどの単発戦闘機の性能向上が顕著になってくると、絶対的な能力不足が目立つようになり、次第に駆逐戦闘機としては使われなくなった。

 ゲームでは戦闘攻撃機として分類されており、その兵装量を生かして大量の大型爆弾を搭載することが可能である。
 対空攻撃力が60と控えめの火力ではあるが、その精度は14、500kg爆弾の搭載数は3、兵装でタンクを2搭載可能と「やや性能の低い万能機」的な位置付けが強い。
 純粋な能力は戦闘機ほどでもなく、陸上攻撃機のようにB爆弾を兵装できるわけでもない、少々物足りない気もする微妙な機体ではあると思う。

 進化先はFw190戦闘攻撃機タイプになり、ゆくゆくはDo335、Ho229へと進化する・・・のだが、時期が来ればFw190Gが生産できるようになるため、気を使う必要もないだろう。


Do335 (プファイル 戦闘攻撃機)

 前後にプロペラを持ち、その特異な概観、スマートさから人気の高い戦闘攻撃機である。
 串型と言われるその独特なレイアウトは優れた高速性、運動性を期待されたが、本生産に入ったところで終戦を迎え、とうとう実戦投入に間には合わなかった。

 本機の予定スペックは非常に高かったものの、テスト段階では予定スペックを満たすことはできず、思ったような性能ではなかった。
 しかし、双発であるにもかかわらず単発戦闘機に近い運動性能を持ち、かつ、スマートな機体という戦闘攻撃機らしからぬ部分を得ることとなった。
 予定ではかなりの派生型開発が検討されており、本機の改良が進み、本来の性能を出せるようになっていたならば、空戦の歴史はまた違った道を歩んだかもしれない。

 ゲームでの本機は終盤でFw190G/Fから進化が可能となり、一部のマップでは即生産も可能である。
 攻撃機という視点で見ると、前身のFw190G/Fが500kg爆弾を搭載するのに対し、こちらは250kg爆弾搭載と少々対地攻撃力は物足りなく感じる。
 ただ、移動力は13、燃料が80オーバー、対空攻撃130、精度16と優遇のされ方が半端でないため、武装によっては長距離進行用戦闘機としても使える。
 使い勝手は上位レベルであり、進化先もHo229と確実で、少なくとも数機はそろえておきたい。


Ho229 (Go229 戦闘攻撃機)

 子供のころより飛行機に憧れていた技術者、ホルテン兄弟によって開発された全翼型の戦闘攻撃機であるが、原型のみが完成しただけで量産に結びつかなかった機である。
 エンジン開発の都合上、初期型はグライダー的飛行試験が行われ、エンジン実用化後に正式な飛行試験が行われたが、何度かの試験の後、事故によってテスト機は失われた。
 だが、この飛行試験によって本機の優れた点が多く確認され、特に速度においてはかなりの性能を発揮し、たちまち軍部から期待されるようになり、正式開発・発注へと結びついた。

 本機には注目すべき技術が多く用いられており、幾つか挙げるだけでも簡易な構造、貴重な金属類を極力用いない、特殊な塗料を用いていたことなどが挙げられる。
 特にこの特殊な塗料というものは炭素材が用いられ、機体形状との組み合わせによりステルス性を機体に与えた。(模型を用いてナショナルジオグラフィックにて実証テストが行われた)
 ちなみにホルテン兄妹は4人兄妹であったが、ここで言うホルテン兄妹とは次男、三男のことである。

 ゲーム中では末期にDo335からの進化(最終進化)で手に入れることができ、数値上、異常なほど優遇された性能で超高性能戦闘攻撃機として登場する。
 対地防御、爆弾の大きさから対地攻撃にはやや劣るものの対して空戦能力は高い、が、移動力と燃料のバランスが悪く、実際に使ってみると数値ほどの性能を感じることはあまりない。
 しかし、時代にそぐわない超高性能機であることは確かであり、導入すれば戦力向上は確実であるため、使い勝手に疑問を持たなければ大量に導入するのも良いだろう。


Ar234B (ブリッツ 陸上攻撃機:爆撃機)

 細々と地味な自社軍用機、他社戦闘機のライセンス生産を行っていたアラド社が世に送り出した世界初のジェット爆撃機である。(厳密にはジェット爆撃機と言えないと思うが)
 本機の研究は比較的早く開戦後すぐに始まっていたのだが、肝心のエンジン開発が遅れ、さらにそのエンジン優先権をMe262に取られた事から初飛行まではかなり間が開いている。
 機体は出来てもエンジンが無い状況で大戦も中期を過ぎ、1943年代に入ってようやくエンジンの問題が解決して試作機は出来上がり、良好な飛行特性・性能から正式化された。

 この機体は一部欠点はあったが総合的に優れた性能で、特に速度に秀でたことから(高度によるが軽く700km/h以上)、当時の一般的な戦闘機では追跡すら出来ないほど高速だった。
 初期型はこの高速性を活かし激戦区の偵察任務に就き、後期型は爆弾吊り下げ式ではあるものの爆撃型としても採用され、有名なレマーゲンをはじめ少数が各地で活躍している。
 本機は「爆撃機に属すか」という話がよく出る、これは元々が偵察機であった事、爆弾倉が無かった事、爆撃用装備が乏しかった事などが理由として挙げられるだろう。

 ゲーム中ではB型が登場するが、純粋な爆撃機扱いでなくドイツ帝国軍唯一の「陸上攻撃機」となっており、末期にJu88Sの最終進化で手に入れることが可能である。
 防御力や機動力は高く問題ないが、燃料が少なく反撃装備は無し、兵装量も非常に少ないなど扱いづらい機体であることは確かで、コストが高い事からも趣味の兵器という感が強い。
 高速攻撃機としては魅力的だが、本機をせっせと投入するくらいならR型でもD型でもJu87を一度に複数生産し、一気に投入するほうが火力的にも効率的にも期待できるだろう。


Ju87 (スツゥーカ 急降下爆撃機)

 その頑丈な機体を活かした激しい対地攻撃と、大戦初期〜中期にわたり攻撃時に使用されたジェリコ(悪魔)のラッパと呼ばれる独特のサイレン音で有名な機体である。
 余裕のある搭載量、急降下爆撃に対応する柔軟な運動性を活かし、大戦初期には大活躍をした。

 サイレンは大戦初期〜中期にけて威嚇用として大いに使われたが、所在をも明らかにしてしまうため後に使われなくなった。(機体自体が発生させる音もあったようである。)
 初期の活躍は非常に華々しく、おかげでドイツ帝国内では急降下爆撃機こそ最高の攻撃機といった風潮が出ていたほどであった。
 しかし、目覚しい活躍はあったものの、次第に敵戦闘機の能力が上がってくるとたちまち損害が増大し、単独での作戦が厳しい状態に追い込まれることとなる。
 また、この風潮は後に、攻撃機・爆撃機に対する無理な急降下爆撃機能力の追加(要求含む)など、一時、ドイツ軍の航空戦力の迷走を招くことになった。
 よくも悪くも繁栄と衰退を描いたような攻撃機であるが、その良好な運動性と対地攻撃に対する生存性の高さは、かのルーデル大佐など多くの猛者を生んだ。

 ゲームでは対地攻撃に関する能力が際立って優れているものの、空対空の戦闘はまったく期待できず、進化先も含めて対地攻撃専用として存在する。(亜種C型は艦載型)
 最終進化D型の1.4t爆弾は魅力的だが対空戦闘力の無さ、航続距離の短さがネックとなり、後半は史実どおり甚大な被害を受けることも多く、扱い方の難しい機であろう。


He111 (爆撃機)

 民間輸送機を装い開発が続けられ、表向きの完成品(民間型)に装備品の調整、エンジンの改善などを施し、軍仕様として完成させたのが本機となる。
 大戦初期の欧州方面では主力爆撃機として活躍したが、爆撃機としては致命的なほど対空防御性能が低く、特に対英戦では著しい損害を出した。
 その後は次第に戦闘に用いられることは無くなり、主にグライダー部隊・輸送部隊へと転用され、大戦末期には戦闘に参加することはほぼなくなっていた。

 ゲームではドイツ帝国軍にとって無くてはならない「攻撃機」として非常に重要なポジションである。(もちろん爆撃機としても運用するが。)
 本作の爆撃機はユニット数が10となっており、250kg爆弾を兵装すればりっぱな攻撃機として運用が可能となっている。(MDのADV大戦略では爆撃機のユニット数は6)
 そのため、慢性的に航続距離の短さに悩まされるドイツ帝国にとって、長距離攻撃機として運用できる本機は貴重であり、爆撃だけでなく攻撃機としても積極的に使っていきたい。
 進化先はHe177(本作でのドイツ帝国最強の爆撃機)で優秀であるため、あまり使わずとも幾らかは育成・ストックしておいて損は無いだろう。

 本作ではグライダー機・輸送専用機の概念が無いため、その方面であまり活躍の場は無く、攻撃機としては大活躍なのだが・・・筆者的には複雑な気分である。


Do17 (爆撃機)

 軍備制限上の制約から秘匿的に郵便用の高速機という名目で開発され、軍用に最適化された後は空飛ぶ鉛筆と呼ばれ終戦まで活躍した機である。
 一応、名目上は郵便用とは言うものの、その機体形状は誰がどう見ても軍事転用が可能なものであり、本機の登場は周辺国の警戒心を大いに煽ったようである。
 その特徴は渾名のとおり鉛筆のようなスリムな機体で、その形状と反して比較的丈夫な機体であったが、残念ながら当初の計画にあったような高性能高速機ではなかった。

 初期型では性能的に満足な性能・装備には程遠かったために非常に多くの改良が施され、最終型であるZ型にてやっと「比較的」バランスの良い機体となっている。
 だが、大戦前の設計機では激しい大戦を戦い抜くことは不可能な上、幾ら改良をしたところでドーバーを飛ぶ頃には旧式化も激しく、被害の多さから本来の任務から引いていった。
 大戦中期には生産も終わり、残った機は東部戦線など一部の戦域で終戦まで戦い抜き、また、極一部の機は改良に加えエンジンも載せかえられ、新規にDo215へと転生した。

 ゲーム中ではZ型が登場し、序盤から即生産が可能であるが低性能が目立ち、ややコスト安という程度でこれと言った特徴の無い爆撃機となっている。
 性能から乱戦に投入すれば全滅は目に見えているため、運用するならば出来る限り制空権下での運用が好ましく、この点から積極的には使いにくい機体である。
 進化先はDo217系で矢継ぎ早に堅実な進化を望めるが、進化ペースが早い分Do217系が即生産出来る時期も速いため、進化元としても本機の価値は低い。(Do215は登場無し)


Ju88 (爆撃機)

 ドイツ帝国軍の主力爆撃機で、「様々な要因」から延命・改良が行われ、多用途種として多くの特殊任務・戦場に投入されている。
 本機は、当初、戦闘機よりも高速な高速・多用途爆撃機というコンセプトを持っていたが、当時の戦闘機の進化は極めて速く、活躍時期には既に高速とは言えない速度であった。
 また、ドイツ帝国軍爆撃機の例に漏れず、満足な性能ではなかったが、それでも爆撃機種の中では比較的良好な性能の部類であり、様々な改良種、運用法が生まれている。
 爆撃はもちろん、グライダー、輸送、ミサイル母艦、空中母艦(単発機)、哨戒、夜間戦闘ほか、主任務はもちろん雑用までもこなし、まさに多用途爆撃機と言える活躍である。
 しかし、幾ら活躍の場が多くとも絶対的な性能は運用法でまかなえるわけでもなく、前線では「本機の能力では戦闘力不足」と最後まで言われ続けたまま終戦を迎えた。

 ゲームではHe111と同じく重要なポジションにあるが、後々の型も性能の割にコストが高く、爆発的な進化を遂げるHe111(He177)に比べ、やや地味な存在となっている。
 史実では様々な運用・活躍をした本機も、ゲームではほぼ爆撃、対地攻撃専用となっており、その辺もさらに地味さに拍車をかける要因だろう。

 進化はS型→Ar234Bと唯一ジェット陸上攻撃機へと進化するが、進化先もいまひとつの性能であり、この種を主として運用するかどうかはかなり微妙なところである。
 性能的にはそれほど悪くないのだが、惜しい機体であると言えよう。(燃料は3桁に届かず、Ar234Bではさらに下がるところはやや痛いか)


Do217 (爆撃機)

 Do17の正統な進化型として開発・採用され、搭載容量の大きさ、汎用性の高さから高性能機として重宝されていた機体である。
 外見はDo17と似てはいるが、中身は最新の技術で良くまとめられており、出力・搭載量は十分で、ドイツ帝国軍爆撃機の中でもかなり優秀な機体であった。
 同期のJu88系、He111などと比較しても遜色はなく、寧ろそれらを上回る性能で、多くの作戦・特殊任務に従事した。

 航続距離は物足りないものの、持ち前の汎用性は非常に高く、フリッツXの運用や、対爆撃機駆逐・夜間戦闘タイプなど様々なタイプが生まれている。
 優れた爆撃機に恵まれなかったドイツ帝国軍ではあるが、本機の登場はまさに待望であったと言えるかもしれない。

 ゲーム中ではDo17Zから進化が可能であり、Do217Eに進化後はE→K→M型とマイナーチェンジが続く。
 K型からは一つの特徴であるASMミサイルが運用可能となるが、肝心の航続距離は短く(K型以降燃料66)、He系、Ju系の使い勝手におされ不遇な立場になっている。
 終盤間近ではK型が即生産可能となり、苦労せずにASMミサイルが使える強みはあるものの、機体自体のコストの高さから量産には向いていないだろう。
 メイン爆撃機として運用しようと思えば出来なくもないが、その場合、Do系爆撃機にやや物足りなさを感じるのは筆者だけではないと思われる。


He177 (グライフ 爆撃機)

 せっかく立ち上がっていた重爆撃機計画をキャンセルしてしまったドイツ帝国軍は、広大な領土を持つソビエトに対し、有効な戦術のとれる爆撃機を持たない状況に陥った。
 この流れは各方面で戦局が進むに連れて思ったよりも深刻な事態となり、本機はその状況を打破するために開発・生産され、第一線へと投入された。

 本機は当時の新技術を数多く取り入れ、2基のエンジンを1つにまとめた結合エンジンを持つ、急降下爆撃を考慮していたため機体が無駄に重く丈夫、など異質な部分が多々ある。
 その特異点が災いし、初期型は極めて能力が低く、戦闘よりも故障での機体損傷が多いという酷いものであったが、改良が進むに従い実用的な性能へとあがっていった。
 特異さゆえに他の爆撃機とは比較しにくいが、ドイツ帝国軍爆撃機の中では比較的性能が高く、生存製は高かったものと思われる。

 ゲーム中ではドイツ帝国軍最強の爆撃機であり、十分な燃料、大きい搭載量、対艦ASMが使用可能と汎用性が高く、素の能力から運用面においても高い性能を誇る。
 アメリカのB-29ほどの防衛能力は持たないものの、それでも長時間作戦を行う上で最低限必要な防衛能力はあり、250kg爆弾を兵装することで長時間の地上攻撃も可能だ。
 足の短いドイツ帝国軍機が多い中、一度の補給で長時間の行動が可能な本機は貴重であり、出来ればまとまった数を運用したい。
 本機のコストは非常に高く大量生産はしにくいものの、進化元のHe111のコストはそれほどでもないため、He111から進化させるのが最も現実的な入手方法だろう。


大日本帝国
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九七式戦闘機 (戦闘機)

 軍事国家としての道を歩んでいた大日本帝国では、先に開発された九六艦戦の成功に引き続き新たな陸軍機の開発を計画、複数のメーカーに対し試作機の開発を命じた。
 川崎、中島、三菱の各社は試作機を作成し、さっそく比較試験を実施したところ、バランスがよくさらに軽快な運動性能を持ち合わせた中島の試作機が本採用となった。
 この機の特徴は極めて高い運動性能であり、格闘性能だけならば同時期に存在した世界中のどの戦闘機よりも優れていたと断言しても良いほどであったと言う。

 大戦直前までの中国・ソビエト戦においては相手の戦闘機が旧式であったこともあり大きな戦果を残したが、時代の流れは非常に速く、活躍は減り急速に第一線から退いている。
 軽戦に属するであろう本機には、軽戦ならではの被弾時の防御性能が低い、武装の貧弱さ、高高度性能にも劣るなど多々の弱点があり、その点からも活躍期間は短かった。
 なお、伝統的に大日本帝国軍が重視した戦闘機の選考基準「格闘性能重視」の姿勢は本機がもたらしたものと言え、良い意味・悪い意味双方で今後の戦闘機開発に影響を与えた。

 ゲームでは序盤に登場し、史実同様、中国・ソビエト戦である程度の活躍が期待できるが、零戦はじめとする次世代機登場後は一気にその存在価値を落とす。
 はっきり言えば序盤のみの戦闘機であり、進化先も含めて無理に続けて使う必要は無く、零戦ほか次世代戦闘機の登場後はすべて廃棄してもかまわないだろう。
 進化先は隼になるが、こちらも進化を幾ら重ねても性能的には中盤までの戦闘機となっているため、本機や隼は趣味で少数を持つ程度にしたほうが無難である。


零式艦上戦闘機 (艦上戦闘機)

 いわずと知れた大日本帝国軍の艦上戦闘機であり、大戦初期の無双状態の活躍ぶりから伝説的とも言える戦闘機である。
 その正体は重要な部分を選別し、できる限りその部分を重視し、代わりにそれほど必要のないところをバッサリと切り捨てるという極端なコンセプトの戦闘機であった。
 このコンセプトは当時としては斬新なもので、登場時としては世界最速レベル、さらに20mm機関砲の大火力重武装とまさに攻めるための飛行機と言ってよい。

 過酷な軽量化のおかげで重武装であっても運動性能は非常に良く、極端なバランスではあったが大戦初期に大成功を収め、一躍脚光を浴びた。(熟練兵との組み合わせも大きい)
 しかし、この成功は本機の第一線配備を長引かせ、日本軍は後続となるべく新型戦闘機の開発が思うように進まなくなるという悪循環に陥ってしまうことになる。
 中には長い戦いの中で鹵獲され、アメリカ軍の手に渡ってしまった機体もあり、これらは解析研究に使われ弱点の暴露、対策戦術の確立につながった。

 ゲームでは二一型から登場し、長大な航続力、同世代機と比較して圧倒的な火力、搭乗員の高錬度、空母による機動戦が可能と、序盤ではインチキくさいまでの性能を誇る。
 しかし、中盤に差し掛かり敵国兵器の質が向上すると、改良種も含めて代わり映えない火力(精度)、被弾時のもろさ(防御力)が戦闘に追いつかなくなり、使い物にならなくなる。
 改良種は陸軍二二/三二型、海軍五二型となるが、まともなものは五二型のみ(それでも精度14)であり、終盤にはほぼ全てを疾風や紫電改などに切り替えることになるだろう。



coffee break
〜戦闘機としての零戦、工業製品としての零戦〜

 大日本帝国の三菱零式艦上戦闘機は世界的にも有名で、登場当時、ほぼ間違いなく世界最高峰の戦闘機である。持ち前の軽快さを活かした極めて高い格闘能力を持ち、非常に長い航続距離は進行や機動戦において常に大きな縄張りを維持できた。これは開発陣の涙ぐましい努力によって成しえたもので、その苦労が報われた瞬間でもあった。大戦初期の活躍は特にすばらしく、まさに無双状態と言って過言は無いほどであった。

 しかし、戦闘機として大成功を収めた零戦にも幾つか弱点はあり、防御特性や機体強度は決して良くなかった。そして広域の戦場に対応するため、兵器の数をそろえなければならない第二次世界大戦において重要な「生産性」も良くなかった。当時の大日本帝国は参戦国の中でも高度な技術を保持していた国だったが、現代でもおなじみの職人気質の国でもあり、生産工場を機械化するだけの国力・資金も足りず、結局は人の手による面倒な作業が多くなってしまったのである。その面倒さは、一般的に零戦とアメリカのP-51との比較では生産工程数に3倍の差があるとも言われるほどで(筆者は細部工程・コンポーネント単品でも見れば5〜6倍くらいの差はあるだろうと思っている)、このような生産を考えた「工業面」から見ると零戦ははじめから傑作機ではなかったのかも知れない。

 ともあれ、零戦が「戦闘機としての傑作機」である事に変わりは無く、戦闘機の歴史に新しい1ページを残した事に変わりは無い。


烈風 (艦上戦闘機)

 零戦の正式な後継機として開発されていた大日本帝国軍の艦上戦闘機であるが、試作機レベルのものが8機完成しただけで終戦までに間に合わなかった機である。
 参戦していないため活躍は無いが、おおよそ零戦と似たような立場に加え堀越技師による設計、目立つ名称、惜しくも戦場に出れなかった名残惜しさなどから人気は高い。
 設計の方針は重武装、高速かつ運動性能が高いというもので、劣勢を挽回すべく極めて都合の良い要求性能であったが、開発中はなかなかその要求に届かなかったと言う。

 機体は強力な武装、速度、運動性能を得るため、必然的に強力なエンジンが必要となり、飛行機としてのバランスを考えると大型にせざるおえず、零戦よりも大分大型となっている。
 試行錯誤の続く度重なる試作の中、エンジンの開発・最適化が行われた後は飛行テストにおいても比較的良い成績を収めるようになり、ここでやっと正式化された。
 しかし、当時の大日本帝国軍では戦闘機の種類の多さによる生産の混乱に加え、国力の低下から本機を量産できる余裕は既に無く、とうとう活躍することは無かった。

 ゲーム中では末期に零戦系から進化で得ることが可能となるが、最終進化の艦上戦闘機としては低い性能で、あまり良いところの無い機である。
 史実での活躍が無い上に国力の落ちた時期の戦闘機であるため、仕方がないと言えば仕方がないが、性能は鍾馗を少し強くした程度で戦闘力はやや頼りない。
 対空武装のみに特化されてしまうことも使い勝手の低下を招き、同時期には使い勝手の良い紫電改などがあるため、正直なところ趣味以外で進んで使う理由は無いだろう。


雷電 (局地戦闘機)

 海軍機であるものの、陸上での運用を前提に開発され、かつ大型爆撃機に対し確実な対処ができるよう設計された局地戦闘機である。
 雷電に要求された能力は、短時間で敵爆撃機のいる高度に高速上昇が可能なことと、その高速を維持できること、大型機に対して有効な火力を有することである。
 大型の大馬力エンジンを搭載する必要があったことと、後からチャージャーを増設できるよう設計されたことから胴が太く、この太い胴(特に前部)が特徴であろう。
 なお、爆撃機=B-29と連想してしまいがちだが、雷電が開発されるきっかけとなったのは中国戦線での爆撃被害であり、対米戦開戦以前からの開発機となる。

 開発段階ではある程度良好な成績を収めたものの、局所で問題が発生し、特にエンジン周りの問題は大きく、この問題は正式化された後も前線では不評を買ったようだ。
 しかしながら、全体的に目立った戦果はないものの、一部、好環境にて運用された本機が大きな戦果を上げ、潜在能力の高さをしらしめた。
 末期の大日本帝国機どれにも言えるが、本機も例に漏れずメンテナンスと高品質燃料があれば、と、惜しまれる機体だと思える。

 ゲーム中では火力120と抜群の攻撃力を誇るが、局地戦闘機ならではの燃料の少なさ、精度が低めの14と使い勝手が悪いのがなやましい。
 進化先は紫電改(空母着艦可)→震電→震電改と非常に優秀で、進化先の兵器を早く導入したい場合はストック・育成は必須である。


紫電改 (局地戦闘機)

 元のモデルである紫電はおおむね良好な性能を発揮したが、劣勢となった戦局のため開発途中で無理に生産が開始されたこともあり、どうしても問題点が残ったままであった。
 この欠点を改良し、加えて製造工程・部品点数を見直し、マイナーチェンジを図ったのが本機となる。
 ただ、マイナーチェンジとは言っても、かなりの改修がされており、ベースの強風、紫電と比較すると運用性能・飛行特性は結構な違いがあった。

 カタログスペック的にはアメリカ軍の最新鋭戦闘機と互角に戦える高性能機であったが、生産能力の低下から生産台数も限られており、戦局を左右するようなことはなかった。
 また、一部、極めて局地的には戦果が上がっていたようだが、そういった戦闘でも大日本帝国軍の損害は大きく、最終的なスコアでは結局のところ損害の方が大きかった。

 ゲーム中では雷電からの進化、時機到来による即生産で手に入れることが可能で、後半ならばいつでも手軽に生産できる。
 火力・精度(120/16)共に終盤にかけての戦闘機としては平均的な能力を持っており、かつ、艦載機扱いのため空母での運用も可能という、使い勝手の良い兵器となっている。
 性能は零戦五二型を軽く上回り、烈風以上の運用能力を持ち合わせているため、実質的な零戦の後継機として扱うのがお勧めできる。(烈風が勝るのは防御力程度)
 進化先は極めて強力な震電となっており、本機自体の運用性能のよさに加え、進化も優秀という、至れり尽くせりの局地戦闘機だ。


震電 (局地戦闘機)

 プロペラが後部設置という、その独特なフォルムから人気が非常に高い局地戦闘機である。
 後部プロペラの原理は他国でも研究はされていたが、いずれも実用化されておらず、本機も完成直前に終戦、開発破棄されることになり、結局は実用化できなかった。

 プロペラを後部につけた場合、航空学的に多くのメリットがあるが、反面デメリットも非常に多く、完成した実機で学術的結果を確認出来ないのは非常に残念である。
 ただ、メリット・デメリットを天秤にかけた場合、当時の航空科学ではデメリットの方が重くなると考えられるため、極端な高性能機の実現は無理では無いかと思われる。
 本機が完成し、実際に戦線へ投入されていたならば・・・と考えるだけでも夢があり、結局のところ完成しないほうがよかったのかもしれない。

 ゲームでは150という極めて高い火力を有し、精度も20と非常に強力な戦闘機で、主敵国アメリカのパンター(F9F)とは互角に渡り合うことが可能である。
 進化元も紫電改と非常にお手軽で、大日本帝国を使うならば、数ユニットはストックしておきたいところである。
 反面、弾薬や燃料、移動力は乏しく、空港の少ないマップや広域マップでは運用がしにくいため、初心者にはあまりお勧めの出来る機体ではない。
 進化先の震電改ではさらに使い勝手が下がるため、本機のまま運用するか、進化するか、はたまた秋水導入か、火力と進軍能力を考えて運用したい。


秋水 (局地戦闘機)

 アメリカ軍爆撃機に対し有効な攻撃手段を持たなかった日本軍は、ドイツ帝国と交換条件によりMe163の情報を手に入れることに成功、そのコピーとして開発されていた。
 もっとも、コピーとは言っても情報輸送中の被害により、大分情報が欠落した状態で届いているため、完全なコピーと言うわけではない。
 開発は日本軍史上例を見ぬほどの連携体制で行われており、陸軍、海軍、三菱と官民一体で進められた。
 しかし、急がれた開発もむなしく終戦を迎え、結局、開発機が数機完成したのみで、戦闘に参加することは無かった。

 余談だが2010年7月に、千葉で本機の燃料タンク保管場所と思われる地下施設が発見されており、このことから実用化が近かったことを感じさせる。

 ゲーム中の秋水はロケット戦闘機の性能・特徴を前面に打ち出した猛火力・低航続力が特徴で、終盤に生産可能となる。
 火力は140、精度は24(Ta183同等)となっており、空戦では向かうところ敵なし状態の超高性能機で、局地的制空権確保のための主力・補助と大活躍なのはほぼ間違いない。
 足の短さ、燃料・兵装の少なさが欠点となるが、筆者的には片道切符の使い捨て機と割り切って使う分には、この欠点もまったく問題ないかと思われる。
 また、本機は鋼鉄の旋風:インドで生産表に2個登録されていたりと変わった扱いもある。(同列に2個、作戦ファイルでは修正されていることからバグの可能性が高いと思われる。)


一式戦闘機 隼 (戦闘機)

 零戦に次ぐ生産数で大日本帝国の主力戦闘機の一端を担っていた戦闘機である。
 その軽量さ、控えめの武装から軽戦に属するだろう。
 設計思想による極めて優れた運動性能、軽量性を生かした加速性で、格闘戦においてはずば抜けた性能を発揮した。
 隼にまつわる話で特に有名なのが加藤隼部隊の活躍であろう。(エピソードは長くなるため省略)

 ゲームでは一型〜三型が順番に登場し、生産、進化が共に可能である。
 隼は運動性能が良くとも速度が出ない戦闘機のため、どうしても初弾を交わして格闘戦に持ち込むスタイルとなる。
 それを考慮してか攻撃精度がかなり低く、最高進化である三型でさえ中盤以降は先制攻撃が取れず、撃ち負ける。

 序盤は航続距離も長くバランスも良いため、使い勝手がよく史実どおりの活躍を見せるが、中盤以降は好んで使うこともないだろう。


二式単座戦闘機 鍾馗 (戦闘機)

 ソビエトとの戦闘により、欧州方面の戦闘機思想に触れた日本軍は、運動性を重視した軽戦のみの配備に疑問を感じ、新たな戦闘スタイルを持つ戦闘機の開発を試みた。
 その結果完成したのが重戦闘機としての本機、鍾馗である。
 本機の導入は、それまで似たような戦法を使わざるを得なかった日本軍に、新たな戦闘スタイルをもたらすことになる。

 本機は、運動性が劣ることから変化に適性のない老練な熟練パイロットからは敬遠されたが、優れた強度、速度、火力は若いパイロットからは大きな支持を集めた。
 一方で、離着陸時の癖のある特性が問題となり、しばしば事故が発生し、扱いにはある程度の錬度が必要であったようである。

 ゲーム中での本機は、零戦に限界が見え始めた時期に颯爽と登場し、攻撃力90、精度16という火力はドイツ帝国のFw190Aとほぼ同等で、使いかってもほぼ同等である。
 内陸地では零戦に変わる戦力として大きな力を発揮するだろう。
 進化先にも恵まれ、四式戦疾風の種であることから、中盤〜終盤での活躍も約束されている。


三式戦闘機 飛燕 (戦闘機)

 欧州機を髣髴とさせるスリムな機体、ドイツ帝国からライセンス取得し改良を施したエンジン、名前が目立つ点から人気の高い戦闘機である。
 大きな特徴としては空冷が主流であった大日本帝国軍機の中で高度な液冷エンジンを採用している点ではなかろうか。(相変わらず不調には付きまとわれるが・・・。)
 また、本機は軽戦の部類に入ると思われるが、実質的な装備品は軽戦を上回るため、一概に軽戦とは言えない分類の難しい機体であり、これも特長であろう。

 性能的には、速度は出るが運動性能は決して高いとは言えず、複雑な液冷エンジンは稼働率の低下を招いてしまい、熟練の整備兵でなければ手に余る機体であった。
 反面、メンテナンスが行き届けばとたんに暴れ回るようになり、低い部品精度を保守でカバーできれば本来の高いポテンシャルを遺憾なく発揮したと言われている。
 末期大日本帝国のお約束とも言える質の低下によって運用は極めて厳しいものであったが、それでも本土防衛のため果敢に何度も空へ飛びたった。

 ゲーム中では後半に差し掛かるあたりで生産が可能となり、進化は魅力に劣る五式戦闘機、橘花へと繋がる。
 火力・精度は120/16と十分であり、防御力もあって後半でも通用する性能である、が、機動力・航続距離に劣り、陸上機であるため艦載が不可という使いにくさがある。
 被害時の補充も少ないなどデメリットもかなり大きく、主力として運用するには問題が多いため、趣味で少数を運用するにとどめたほうがいいだろう。


四式戦闘機 疾風 (戦闘機)

 日本軍の持つ航空技術をうまく昇華させ、堅実な設計ながらも非常にバランスの整った戦闘機である。(戦後のアメリカ軍運用テストの視点による評価)
 同クラスの他国戦闘機と比較して一回り小さいのが特徴で、火力、被弾防御に関する性能は日本軍戦闘機としてはトップレベルに入る。

 本機は、メンテナンスが施され完調ならば思う存分高性能ぶりを発揮したが、部隊によっては稼働率が著しく低かった。
 登場した時期が時期のため、生産品質の低下や熟練工の損失と動員兵による無理やりなメンテナンス、ガソリンのオクタン価低下など様々な影響があったようである。
 一部の部隊では努力によるメンテナンスで驚異的な稼働率を誇ったが、それは一部の特別な話であって、全体的な稼働率で見るとやはり低い。
 戦後の評価では優劣極端に評価されることが多いようではあるが、筆者的には単体性能は高かったが、戦争中に使えない=運用性能は極めて低かったと考察する。

 ゲーム中での本機は鍾馗からの進化、時機到来による生産が可能である。
 性能はアメリカのマスタングに似ており、目立つところでは兵装がやや劣る程度で、他日本軍戦闘機と違って大型爆弾も積める。
 登場〜終盤にかけて非常に頼りになるが、精度が16ということで終盤は先制が取れない事態も出てくるため、できるだけ錬度の高い状態で運用したい。


五式戦闘機 (戦闘機)

 大日本帝国最後の戦闘機であり、運用期間があまりにも短く、ほかの陸軍機のように名称の着かなかった機体である。
 機体は三式戦飛燕のものであるが、これは本来、三式戦で使われる予定であった機体が、エンジン歩留まりの低さから余剰となってしまい、機体が流用されたことによる。
 三式戦は元々液冷エンジンを搭載していたが、試行錯誤の上空冷エンジンへ換装してこれを試験したところ、想定外の良好なバランスを示し、ここに五式戦が誕生した。

 本機は頑丈で扱いやすく、運用・整備もしやすいと良好な評判であったと言われているが、活躍した時期が末期、それも短期であるため真偽は明確ではないだろうと筆者は考える。
 ただし、大日本帝国軍とアメリカ軍の交戦スコアを照らし合わせて考えると決して低い性能ではなく、むしろ時代に見合った高い性能であったと言えるのではないだろうか。
 機体がそのまま流用された初期型をはじめとし、最適化・改良も短期間で積極的に行われており、そのことからも本機への期待が大きかったことも伺える。

 ゲームでは終盤へ差し掛かるあたりに登場し、三式戦飛燕からの進化、一部マップでは即生産で手に入る。
 登場時期を考えると火力120・精度14という性能は純粋な戦闘機としてはかなり低く、同時期のそれらより劣る性能であり、良い点は対空防御性能が秀でているくらいである。
 新化先は橘花で運用しにくいジェット戦闘機となってしまう上、同時期の陸軍機、海軍機には多種の戦闘機があるため、積極的に本機を使う理由が無い点が惜しい。


九九式艦上爆撃機 (艦上急降下爆撃機)

 大戦初期〜中期にかけて非常に高い命中率を誇り、数多く連合軍の艦船を沈めた名機として有名な艦上爆撃機である。
 本機は製造元の愛知航空機がドイツのハインケル社と提携していたこともあり、日本機というよりも、どちらかと言うとドイツ機に近い性質を持っている。
 正直なところアメリカのSBDに比較して勝る面は少ないのだが(=性能は高くない)、搭乗員が高度教育済、零戦・九七艦攻との連携が可能であったこともあり大戦果を上げた。
 しかし、その活躍も大戦半ばまでであり、アメリカ軍の戦闘態勢が整い始めると防弾装備の貧弱さが災いし、次第に被害は増大、一転して空飛ぶ棺おけ状態に追い込まれる。
 本来ならば、大戦半ばで次世代機種に交代されるはずであったが、例に漏れず開発・生産の遅れは改善されず、性能に限界が来ても終戦まで使い続けられることとなった。
 序盤こそ華々しい活躍をしたものの、最終的には生産配備された殆どの機体が撃墜・破壊されており、これは本機の帰還率(搭乗員の生存率)が恐ろしく低かった事を意味する。

 ゲーム中では割と頑丈な急降下爆撃機として登場しており、しばらくすれば後期生産型の二二型も運用が可能となる。(二二型への改良は必要ないだろう。)
 大日本帝国キャンペーンでは初期〜中盤にかけて機動部隊の主力攻撃機であり、無くてはならない存在だろう。
 だが、史実どおり中盤以降はちょっとした隙に即全滅と言う場合も見られるため、後継の進化先、彗星が配備されるまでは出来るだけ護衛随伴で運用したいところである。
 なお、対艦船の場合は、本機の生産・配備数は零戦・艦攻との連携にもかかわるため、自分でどのくらいの数が必要か、じっくり考えてほしい。


彗星 (艦上急降下爆撃機)

 艦上爆撃機の能力不足(特に速度)問題を認識しつつあった大日本帝国では、艦上爆撃機=低速と言う現状を打ち破るべく新型高速艦上爆撃機の開発に着手した。
 要求された性能は、当時の大日本帝国では到底到達できるものではなかったが、小型の機体に最新技術を惜しげなく積み込むと言う形で何とか完成させている。
 これが本機であり、それまでの低速な艦上爆撃機とはまったく違う、艦上爆撃機としてはこれまでに無い速度性能を持つ異彩を放つ存在として登場した。

 前期生産分は水冷エンジンを搭載していたが、このエンジンは当時の大日本帝国の技術力では扱えるものでなく、性能向上とは逆に著しい稼働率低下を招いてしまっている。
 中期からは空冷エンジンへ仕様変更がなされ、機体自体の技術的問題は大分解決したが、時は既に大日本帝国の衰退期に入っており、品質劣化から満足な性能は出なかった。
 評価の低い機体ではあるが、高速性、機能の有効性は比較的高く、軍全体で芙蓉部隊のように優れた整備、運用方法が施されていれば、大きな成功を得たかもしれない。

 ゲームでは終盤に差し掛かる頃に九九艦爆より進化、または即生産が可能となり、自己防御性能、爆弾搭載量、航続距離、どれをとっても非常に頼りになる存在である。
 本機は非常に高い優遇がされており、ある程度の自己防衛をしつつ対地攻撃が可能と言う、極めて理想的な艦上爆撃機となっていることから、できる限り早く部隊に加えたい。
 一方で進化、または終盤の一部マップでの強制進化では流星改となり、若干の使いかって低下が発生してしまう、これには注意が必要だろう。(流星改自体は高性能艦攻)


九七式艦上攻撃機 (艦上攻撃機)

 これまで艦上攻撃機の開発失敗が続いていた大日本帝国軍では、本機の開発にかける意気込みは高く、開発人員・機体素材など多くのリソースが惜しげもなく投入された。
 幾つかある特徴の一部としては、プロペラピッチ、風防に特徴的なものが導入され、フラップ技術が採用されていることである。
 その成果として完成した本機は、日本史上初の全金属製単座艦上攻撃機となり、当時としては世界的に見ても最先端技術満載の最新鋭・最高峰艦上攻撃機となった。
 なお、この種には中島飛行機製(前期、改良後期型)、三菱製のものが存在するが、一般的に九七式艦上攻撃機と言えば、中島飛行機製である。

 大戦初期には大活躍をしたものの、旧式化が著しく早く進み、敵の対空砲火火力が上がり始めると被害はたちまち増大し、華々しい活躍はごく短期間に終わっている。
 例に漏れず後継機の開発は進まず、末期には特攻にも使用され、最終的に残存したのは1割強、結末は他の大日本帝国軍航空機と同様の運命であった。

 ゲームでは零戦と共に登場し、海軍機の一員として零戦・艦爆とトリオをなす。
 性能はそれほど高くは無いが、策敵範囲が広く、魚雷が搭載可能であることから、零戦・艦爆との比率を考えながら海戦時には必ず本機を混ぜておきたい。(混ぜ過ぎは禁物だ)
 進化先は天山で、こちらも性能は決して高くないものの、良い部分の特性は受け継いでいるため、進化解禁後は出来る限り早めに進化をお勧めする。


天山 (艦上攻撃機)

 旧式化が著しく進んだ九七式艦攻の後継機として開発され、大きな被害を被りながらも終戦まで我慢強く戦い抜いた機体の一つである。
 本機は、乱暴に見ればエンジンによって前期型・後期型に分ける事が出来、前期型では誉エンジン、後期型では火星エンジンが採用されていた。
 開発中の試験機では火星が用いられていたものの、諸事の事情もあってまず誉が採用され、後に火星へと改修されている。(誉エンジンは品質に大きな問題があった。)

 技術面では蝶型フラップ、4翅プロペラなど時代に沿った多くの新技術が投入されており、これらは当時の艦上攻撃機としては特徴的とも言えるだろう。(見た目的にも特徴あり。)
 反面、空母での取りまわしから寸法に制限が求められたり、機体強度問題、前述のエンジン問題など、多く問題も抱えていたが、それらも改良をごとに改善されていった。
 艦上攻撃機としては非常に高性能な本機ではあったが、登場した時勢では既に本機を活かせるだけの制空権は存在せず、誕生の遅さが悔やまれる。

 ゲーム中では終盤にさしかかる時期に進化、終盤で即生産が可能となり、時代遅れとなった九七式艦攻の更新機としては最適な機体となる。
 艦上攻撃機という性質上、格闘戦も出来ず派手な活躍は殆ど期待できないが、対艦防御力の高さ、策敵範囲の広さ、魚雷の搭載が可能と対艦任務では活躍が期待できる。
 進化先は流星改となっており、確かに強化+万能化するものの、得意分野を持たない機体となる点をどう考えるか、それで本機の運用方法は決まるだろう。


流星改 (艦上攻撃機)

 大戦末期、一機種において通常攻撃、急降下爆撃、雷撃をこなせる万能機が必要であるという声に答えるため、開発・生産された機である。
 万能機ということで要求される性能は非常に高く、試作機の開発は難航を極め、初期試作機と終期試作機ではまったく別の機体といってよいほどの改良が加えられていた。
 このことから流星という元々の名前に「改」という後付が加わり流星改と呼ばれるに至り、極少数の生産ながらも軍部の大きな期待を背負って戦場に赴いた。

 大日本帝国軍機としては珍しく逆ガル翼が採用されているが、これは強度や重量などの問題から結果的に採用されたものであり、本機の大きな特徴の一つと言ってよい。
 この逆ガル翼、機体の先進的な概観とスマートさから非常によくまとまった外観を得ることになり、兵器としてではなく、純粋に飛行機として美しいと言う人もかなり多いようである。
 しかし、大日本帝国では既に機動部隊は壊滅状態、熟練工が居なくなっていたなど、本機を整備・運用する力は残っておらず、残念ながら目覚しい活躍をすることは無かった。

 ゲームでは大戦末期に登場し、彗星、天山の進化にて得ることが可能で、一部マップでの即生産・強制進化によっても手に入る艦上攻撃機の最終進化型である。
 万能機ということで確かに多目的用途に使える高性能、兵装を持ち、比較的使いやすい部類に入るのだが、逆に得意な分野が無いため若干インパクトに欠けるのが惜しい。
 異常なほど優遇されている彗星の存在から本機の存在が霞んでしまう事も惜しい点であり、使い勝手や性能にそれほど難は無いにも関わらず、やや不遇な機となっている。


一式陸上攻撃機 (一式陸攻 陸上攻撃機)

 大戦前、当時の世界的な軍縮の波により、計画どおりに海軍力を増強できなくなった海軍は、埋め合わせに陸上から雷撃・爆撃に出撃できる機体を計画した。
 計画時の要求性能は非常に高いもので、開発には多く問題が付きまとったが、最終的に航続力を優先し、大馬力かつ極端な軽量化を行うという手法で完成したのが本機である。
 軽量化は極めて過酷で、運動性能を稼ぐために防弾装備は省かれ、翼にいたってはさらに燃料タンクとして利用されるなど、とても雷撃まで考えていたと思えないほどであった。

 初期型では大損害を出し、後に防弾装備・消火機器の追加装備が施されたが、ワンショットライターとあだ名されるほどの打たれ弱さはほとんど改善されなかった。
 一部ではワンショットライターと言われるほど打たれ弱くないのではと言われているが、生産数・被害・終戦時残存数を考えると生存率はかなり低く、打たれ弱さは事実のようだ。

 ゲームでの本機は航続力の長さが最大の特徴で、設計意図どおり陸上攻撃・雷撃に最適な機体となっている。
 一方で対空能力は皆無に等しく、戦闘機に攻撃されれば大損害はほぼ確定という、運用に気を使わなければならないデリケートな機体である。
 コストも高めであるため、損害が出ないよう出来るだけ敵戦闘機を駆逐した地域で運用するのが理想であろう。
 進化先は大型爆弾の兵装が可能な銀河となるが、大戦末期に近づいての登場のため、中期に性能的な限界を感じたら数機を残して二式大艇への切り替えも考えると良い。


銀河 (陸上攻撃機)

 大戦中期を過ぎたあたりに採用された爆撃機で、急降下爆撃、雷撃能力も付与されていたことから多任務をこなせる器用さを持ち合わせた機である。
 開発時の要求は零戦並の速度、急降下に耐える機体強度、一式陸攻同等の航続距離、ある程度余裕のある積載量という過酷な条件だったが、試作機はおおむねそれを実現した。
 しかし、その性能を得るため武装は削られ機体の軽量化も徹底、搭乗員数も削減するなど性能と引き換えに犠牲にした部分も多い。(ただし、一式陸攻の反省から防弾装備はある)

 試作機は大柄な機体ながらよくまとまったスマートな機体であったが、設計が複雑で生産性が著しく低く、結局は再設計によって簡略化がなされ性能が低下したものが量産化された。
 さらに不幸なことに採用されていた誉エンジンが不調からトラブルの多発を招き、全般的な信頼性・稼働率はかなり悪くなってしまい、前線の兵からは不評であったと言う。
 お国の事情とは言え、高性能だった原型は量産化のために低性能になってしまい、エンジンの都合から稼働率も悪い、美しい名前とはかけ離れてしまった不運な機であろう。

 ゲーム中では終盤に差し掛かるあたりに一式陸攻より最終進化、時機到来によって即生産も出来る陸上攻撃機となっている。
 爆弾搭載量、航続距離に不安はないが、一式陸攻同様に対空防御がほぼ無いに等しい機となっているため、運用するならば制空権を得た上で対地・対艦任務へ投入したい。
 対地特化された機と考えれば使いやすく性能は妥当であるが、ややコストが高く、二式大艇、爆撃機系など使いやすい機は他にもあるためその時の判断で運用すればよいだろう。


二式飛行艇 (二式大艇 陸上攻撃機:飛行艇)

 大型4発機であり、その名前が示すとおり、水上への着水が可能(というよりもそれが主)な飛行艇である。
 本機の特徴は、飛行艇としては当時世界最高レベル、現代においても非常に高いレベルの性能であり、速度、航続距離、安全性、強度、防御火力、全てにおいて群を抜いている。
 また、任務においては地上攻撃はもちろん、雷撃、爆撃、場合によっては軽い駆逐戦闘もこなせるという万能機であった。

 登場から終戦まで170機前後生産され、多くの戦闘・輸送任務をこなしたが、末期には飛行艇という兵種自体に性能的限界が見え始め、最終的に生き残ったのは数機であった。

 ゲームでは時機到来により九七式重爆から進化、または即生産が可能となる。
 九七式重爆から一気に性能が上がり、手に入れることで手数を大幅に広げることが出来るため、迅速に進化・生産で手に入れておきたい。
 防御火力、搭載量は低めだが、それ以外はB-24の使い勝手に近く、加えて雷撃可、空港・港の双方で補給可と大日本帝国軍の陸上攻撃機としては別格の扱いである。
 実際には万能機であるが、ゲームではあくまで陸上攻撃機扱いのため、防御火力は極めて低く、運用時はあくまで攻撃機・爆撃機と割り切って使うのが良い。
 進化先は飛龍→富嶽と正統な爆撃機に戻るが、それぞれ一長一短であるため、好み、時期によってうまく進化させたいところである。


九七式重爆撃機 (爆撃機)

 当時の大日本帝国軍に編成されていた九二式、九三式爆撃機は性能が低い上、自国生産が出来ていないと言う致命的欠点があり、新たな爆撃機計画が持ち上がった。
 軍部の要求したものは実現の難しいものが多く、さすがにその全ては盛り込めずに高速性(高速爆撃機は当時の流行であった)を最重要視されて設計されている。

 結果的に総合的な機体性能では近代的な能力を持ち合わせていたが、1つ1つの部分を観察すると、搭載能力の不足、航続距離の短さなど、妥協して劣る部分も多い。
 唯一の長所であった高速性も、重爆撃機という性質との相性の悪さ、他航空機の著しい性能向上で相殺され、役に立っていたとも言いがたく、中期からの被害は大きかった。
 だが、大日本帝国軍の航空機としては機械的信頼性は極めて高く、他国重爆撃機よりも一回り小さいその機体は運用性に富み、爆撃はもちろん他にも多くの任務についている。
 大戦中期過ぎから性能不足により徐々に第一線を退いているが、実用性は十分で信頼性も高かった事から、大戦初期の傑作機と言って問題は無いだろう。

 ゲームでは序盤から安価に即生産が可能ではあるものの、進化先の登場がかなり遅く、中盤を過ぎるあたりまで本機を運用することになる。
 とは言え、大日本帝国では陸上攻撃機を初め、空軍はラインナップに富んでおり、本機でなければならない場面は序盤のみで、序盤以外は必須というわけでもない。
 序盤こそ爆撃、対地攻撃と活躍はしてくれるが、性能に不満を感じたら素直に陸上攻撃機や艦上急降下爆撃機を使うほうが自軍の強化に繋がる事になる。
 進化先は強力な二式大艇となっているが、登場までには大分間があり、運用するよりも、むしろそれまでに本機のストックをどれくらい割り当てておくかが重要になるだろう。


飛龍 (四式重爆撃機 爆撃機)

 運用中の爆撃機は旧式化が進んでおり、本格的な爆撃機、それも生産性、運動性を重視したものが求められ、この開発・研究が開始された。
 前機種、呑龍(百式重爆)が期待はずれの性能であった事もあり、開発にはかなりの力が注がれ、大日本帝国の技術力が最大限に投入されている。
 本機は、他爆撃機と比較し、相変わらず燃料搭載量・速度面の能力不足が指摘されたが、それを補うほどの有り余る運動能力を得る事に成功し、正式化される事になった。
 登場時期が時期だけに、戦闘への投入は少なかったものの、運用された部隊ではおおむね好評を得ていたようで、その事から高い性能を持っていたことが伺えるだろう。
 本格的な大量生産計画は国力の低下した大日本帝国では無謀であったが、それでも粘り強い生産が続けられ、大戦末期としては比較的多い600機以上が生産されている。
 余裕のある能力で雷撃など多くの他任務に適用できる上、性能を生かした高い任務遂行能力は大日本帝国にとって待望の物であったが、如何せん配備時期が遅すぎた。

 ゲーム中では終盤に差し掛かる時期に進化・即生産が可能となり、搭載能力の大きい「局地的な陸上攻撃機」的な爆撃機として扱う事が出来る。
 大戦末期の爆撃機(他国機も含む比較)としては燃料が少なめとなっており、燃料の多い一式陸攻・銀河・二式大艇を扱った後では若干使いにくさを感じる事も多いだろう。
 しかし、余裕のある搭載量は非常に魅力的になっており、本来の爆撃任務に加え、500kg爆弾を搭載すれば強力な陸上攻撃機としても運用できる点が頼もしい。
 また、進化先は富嶽となっていることから、使いにくさを感じて敬遠していても、数機はストックして育てておきたい。


富嶽 (爆撃機)

 アメリカ、ソビエト本土を効率よく爆撃するため、大日本帝国、ドイツ帝国勢力範囲を往復出来るよう長大な航続距離、反撃を受けない超高高度飛行、大搭載量を計画した機体である。
 本機に要求された性能は当時の大日本帝国の技術力では到底実現出来ないものであり、現実的な性能を考慮され要求水準が下げられた後もそれは変わりないレベルであった。
 始まった開発は困難を極め、エンジン性能、機体構造、超高高度に耐えられる耐久性、実用に耐えうる装備品など問題はあまりにも多く、もはや開発というよりは苦行に近かったようだ。

 開発は陸海軍共同によるもので、航空機メーカ数社がそれに加わっていたが、その内部でも開発は無謀であるという理由から計画の見直し、中止の声は常にあったといわれている。
 6発超大型機という時点で実現困難なことは明確で、同時に超高高度飛行、大搭載量という要求はもはや無謀と言え、大戦中の完成見込みが立たずに最終的にキャンセルされた。
 戦艦大和といい本機といい、大日本帝国軍の構想するものの大きさには驚かされるが、兵器として実用的、実戦的、効率的、現実的であったかと問われれば、否、であろうと思う。

 ゲームでは、鋼鉄の旋風ならば世界征服ルート末期、作戦ファイルでは末期に飛龍から進化で得ることができ、大日本帝国の爆撃機最終進化形態である。
 莫大な搭載燃料を持ち、500kg爆弾の搭載が可能な上、さらにB-36を上回る防御力を持ち合わており、爆撃、対地攻撃機としては参戦国中で最強レベルと言っても過言ではない。
 しかし、反撃用対空火器が無いために敵戦闘機にはさまれるとたちまち身動きが出来なくなってしまうため、戦闘機に気をつけ、使いどころをわきまえて有効に運用したい。


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F2A バッファロー (ブファロー 戦闘機:艦上戦闘機)

 大戦前に旧式化した海軍機の更新を行うため、開発・本採用された艦上戦闘機である。
 旧式化の著しかった前機を踏まえ、当時の新技術・航空理論の多くが投入されて開発は行われ、同世代の戦闘機と比較しても遜色の無い、むしろ優れていた戦闘機であった。
 しかし、その性能はあくまで登場当時のもので、実践への投入時にはすでに陳腐化した機体となってしまったため、大戦へ参戦した戦闘機としての評価は高くない。

 本機の特徴はなんといってもその機体の頑丈さであり、この特徴は後の海軍機、F4Fなどのキャット系に引き継がれていった。
 太平洋戦線では軽装・軽快な日本軍機に翻弄され早々と運用が取りやめられてしまったが、欧州方面では活躍が見られ、特にフィンランド軍での活躍は有名である。
 一般的な評価は決して高くなく、生産された機数もそれほど多くはなかったが、アメリカ海軍機の方向性を明確に示した名機であるといえるだろう。

 ゲームではその性能の低さから存在感が薄く、序盤のみ生産が可能という微妙な機体であるが、後にF4F、F4Uへと進化・改良が可能となる。
 本機の真の価値は日米両国の艦上戦闘機が精度14の時期に精度16を誇る「艦上戦闘機」F4Uへの進化が可能な点、この一点につきる。
 鋼鉄の旋風では存在価値はほぼ無いが(※キャンペーンでは確か生産できない)、作戦ファイルではいち早く精度16を持つF4Uへ進化できるため、うまく運用したいところである。


P-40 ウォーフォーク (戦闘機)

 欧州方面での戦闘機の活躍を知ったアメリカは、それらのエンジンに注目し、欧州方面で活躍する戦闘機と同じ方式のエンジンを採用した戦闘機を開発した。
 その戦闘機が本機であり、総合的な性能は凡庸であるものの、設計は非常に優秀で汎用性は極めて高く、改良機種も含めた生産台数は10,000機を軽く上回る。

 本機は中国方面で大日本帝国軍機と激闘を繰り広げたフライング・タイガースをはじめ、フランス、イギリス他多くの国にも供給されており、あらゆる戦線で活躍している。
 大戦中期からは続々と最新鋭戦闘機が登場し、徐々に生産数は減っていったが、それでも大戦後期まで新規生産は続き、数々の戦場に投入された。

 ゲームでは序盤から生産が可能で、史実どおり凡庸すぎるその性能は主力としては若干頼りないものの、練度さえつめば十分な戦力として運用が可能である。
 同時期の他国戦闘機と比べ、どうしてもやや劣るイメージはあるが、逆に大きく劣る部分は無く、カバーできない絶対的な性能は数で対応したい。
 進化先はP-47サンダーボルト、そこから続いてP-51マスタングと優秀な系統となっているため、陸戦の多い作戦ファイルでは序盤からコツコツと育てて行くことが理想的だ。
 一方、アメリカキャンペーン(鋼鉄)では対日、対独によって活躍の機会が大きく増減するため、ルートによっては活躍の場は少ないが、最低でも数部隊はストックしておきたい。


F4F ワイルドキャット (艦上戦闘機)

 主力戦闘機の座をかけた採用競争にてF2Aに負けたものの、潜在性の高さを見抜いたアメリカ海軍に正式採用され、艦上戦闘機として配備された戦闘機である。
 本機は採用競争時こそF2Aに劣ったが、その後の正式採用前の改良で大幅な性能向上に成功、そして徐々に数を増やし、一躍主力艦上戦闘機として不動の座を築いた。
 特筆すべき点として、機体の頑丈さが上げられ、この機体の丈夫さによる恩恵で急降下性能も非常に高かった。

 本機はスペック上のデータや大戦初期の被害がイメージとして付きまとい、どうしても劣った艦上戦闘機と見られることが多いようだが、実際には特別劣るわけではない。
 初期こそ零戦に一方的に打ち負かされたが、格闘戦を避け一撃離脱に徹する、単独でなく必ずチームで戦闘に当たる等、戦闘スタイルの確立後は互角以上に戦った。
 低い評価がされがちな機体であるが、当時としては十分な火力を持つ上に防弾装備も充実しており、戦闘スタイルの確立まで時間がかかった点が悔やまれる。

 ゲームでは比較的序盤から生産が可能であるが、零戦に比べて火力・精度は劣り、戦闘力は低い部類に入る。
 特に、アメリカキャンペーンでは対する大日本帝国軍が高練度であることもあり、下手な運用をすればたちまち大被害を被ることになってしまう。
 戦局が見出せるまでは積極的に攻めない、うまく待ち伏せする、複数による囲い込みを利用するなど、うまく戦術を使って運用しなければならないだろう。
 進化先は実に正統なものとなっており、F6F→F8F→F9Fと段階的強化は確実であることから、うまく運用し育てていきたい。


F6F ヘルキャット (艦上戦闘機)

 本機は、本来F4U開発失敗時の保険的な開発機であったが、そのF4Uは肝心の艦上機能に難のある部分が判明、一躍、正式艦上戦闘機として採用された。(対日戦前より開発)
 F4Fの後継機であり、各戦線で得られたそれまでの戦闘結果をフィードバックし、それらに対応した能力を詰め込んだ結果、全般的に高い性能を持つ機体となった。
 極めて高性能と言う部分は無いのだが、F4Fを踏襲した素直な操縦性・丈夫な機体は健在で、かつ「元が保険機」としての性質から堅実な設計であり、大型ながらまとまりはよい。

 F4F同様、こちらもやはり機体の丈夫さから急降下性能が高く、ある程度無理な操縦をしても問題なく飛行できたようである。
 各能力は零戦と比較して互角〜上回る部分が多く、性能的優位を生かし、最盛期を過ぎ衰退期に入った零戦を徐々に駆逐していった。

 ゲーム中では時期的に零戦五二型と争う形で登場となるが、艦上戦闘機と言うことで同軍陸上機に一歩及ばない性能となっている。
 そのため、主に海上で使用することになるが、零戦五二型と比較して燃料・兵装・防御力に優れているため、練度さえ上げてしまえば有利な形で戦闘が可能となるだろう。
 精度14と若干低いのが気になるが、同時期には艦上戦闘機として運用可能なF4Uコルセア(精度16)も存在するため、連携を用いて零戦を一方的に落としたいところである。
 進化先はF8F(精度18)、レシプロ艦上戦闘機としてはほぼ最上位の進化先であり、海戦のないキャンペーンルートでも幾つかはストックしておきたい。


F8F ベアキャット (艦上戦闘機)

 ヘルキャットの登場で戦いを優勢に進めていたアメリカは、次世代機との戦闘かつ高性能、そしてどの空母でも運用できる艦上戦闘機の開発に着手した。
 この機体は迎撃能力が重要視され、それに伴い低空性能、上昇能力、運動能力の獲得に力が入れられている。

 機体の大きさはF6Fよりも小柄で比較的小さな空母でも運用が可能であり、この小さな機体に搭載された大型エンジンのおかげで高い性能を得る事になった。
 反面、機体の縮小から来る燃料搭載量の減少による航続距離の低下、ペイロードの減少は避けられず、汎用性にはやや劣るものとなっている。
 迎撃機としては理想的ではあったが、登場時期がレシプロからジェットの過渡期(大戦末期)であることから大戦中の活躍は少なく、むしろ戦後に他国にて運用される事が多かった。

 ゲームでは終盤にさしかかる時期にF6Fから進化が可能となり、マップによっては即生産も可能である。
 燃料の関係から航続距離は劣るものの、精度は14から18と大幅に向上(火力は同じ)、さらにロケット弾も装備可能と陸上機に負けず劣らずの良好な性能を持つ。
 進化元はF6F、進化先はF9Fパンターと系列そろって優秀で、特に太平洋方面ではグラマンの誇る優秀な艦上機を思う存分に満喫したいところだ。


F9F パンター (パンサー:クーガー 艦上戦闘機)

 アメリカ海軍初のジェット艦上戦闘機だが、完成・配備は大戦が終わってからであり、実際には大戦後の戦争で活躍した戦後の機体である。
 開発はキャット系で有名なグラマン社が手がけており、キャット系譲りの頑丈さは本機にも受け継がれ、また、もう一つの特徴である保守的な設計も健在であった。
 ジェットへの過渡期である機体らしく、本機にもエンジンや運動性問題など多くの問題があったものの、なんとか実用までこぎつけ正式化された。

 保守的な設計であるがゆえにレシプロ機との比較でも武装・運動性・運用性は優れているとは言えなかったが、同海軍初のジェット機ということである程度の大量配備がされている。
 しかし、その性能はジェット機としてはあまりにも半端で、後に後退翼や改良されたフラップなど当時先進の航空技術が投入され、大幅な性能向上が図られた。
 改良された機はクーガーと呼ばれ、相変わらず純粋なジェット戦闘機には劣っていたものの安定性・信頼性は非常に高く、一部の非戦闘型はベトナムへも参戦している。

 ゲームでは末期にF8Fからの進化で手に入る「実質的に同軍最強の戦闘機」で、特に鋼鉄では「対大日本帝国戦かつ本土戦」でしか見られない貴重な機体となっている。
 火力、精度がやや低めであるためにドイツ第三帝国、大日本帝国軍の同種に見劣りするが、高い空戦能力に加え補正優遇のついたロケット弾、進化のしやすさはそれに勝るだろう。
 各キャンペーンでは本機の大量配備がしやすい環境が整っているため、進化条件が整えば次々と進化させ戦闘を優位に進めたいところである。


P-51 マスタング (ムスタング 戦闘機)

 アメリカの開発力、工業力を見せつけ、驚異的といえるほどの短期間で開発された戦闘機である。

 本機には元々アメリカ製エンジンが使われていたが、イギリス軍へ支給されるとイギリス軍はこれを自国のマーリンエンジンへと換装した。
 この換装により苦手であった高高度性能は驚異的な改善・向上を示し、これ以降の生産機はすべてマーリンエンジンが搭載される。(アメリカでのライセンス生産含)
 また若干の火力不足はあったものの、兵装と共に火力不足も常に改善され、大戦中では大きな成功を収めた戦闘機の1つに入るだろう。

 ゲームでのマスタングは攻撃力、兵装に優れ、登場時には第一線級戦闘機として重宝し、Me262やFw190D9がうろつくような後半でも超高性能ヤーボとして重宝する。
 何しろ航続距離の長さ、ロケット弾・大型爆弾搭載可、攻撃力120・精度16、終盤は即生産可能と、その使い勝手のよさは最高レベルである。
 制空権の確保、地上敵戦力の威圧・撃破とプレーヤーにとっては頼りになる戦闘機だろう。


F4U コルセア (艦上戦闘機)

 逆ガル翼と巨体が特徴的な艦上戦闘機で、主要艦上戦闘機の座はF6Fに奪われたものの、大馬力のエンジンを生かした高性能、兵装重量の大きさから正式採用された。

 本機はテスト結果は良好であったが、当時のアメリカ海軍一自重が重く、操縦席からの視界がよくない、ある一定の速度で運動性能が下がるなど幾つかの問題があった。
 しかし、大型機ならではの兵装重量の大きさ、適度な速度を保つことで空戦能力を確保できることから持ち前の器量を徐々に発揮し、大戦中期以降は活躍の場を増やしている。
 レシプロ機であるのにMig-15の撃墜記録を保持していたり、コルセア・ライダーと言われるソト大尉の話があったりと、本機は地味ではあるが話題の多い機体でもある。

 ゲーム中ではF2Aバッファローから進化が可能で、時期到来後は即生産も可能である。
 本機はマスタングよりも先に配備される「アメリカ軍初の精度16を持つ戦闘機」であり、進化解禁後に即進化できれば極めて高い戦力になる。(F2Aからの進化が前提)
 大型爆弾、またはタンクが2搭載可能で、性能的には燃料・移動力の少ないマスタングといったところであり、マスタング登場までのつなぎとしては非常に優秀だ。
 ただし、進化はF4Uで止まってしまうため、空母との組み合わせによる使い勝手の良さに引かれても、本機を主戦闘機として運用するのはお勧めできない。


XP-79 フライングラム (局地戦闘機)

 全翼型という当時としては異例の形状を採用し、加えてロケット推進を利用するという意欲的な開発機である。
 局地戦闘機という性質上、高いG耐性を備え急上昇能力を求められたことと、未発達で有害なロケット推進を使う手前から、機体は極めて丈夫な素材・構造で出来ていた。
 このことから空戦中に接触・衝突が発生しても、ある程度は耐えられると考えられており、これが元で体当たりが主攻撃だと勘違い?されていた時期がある。
 結局のところ、ロケットエンジンはおろかジェットエンジンへの代替でも運用は困難で、試験時に死亡事故が発生し開発は打ち切られ、完成することは無かった。
 現代でこそ体当たりはありえないと言われているが、追い詰められた国は特攻をするのが自然で、アメリカがもし追い詰められていた場合は、体当たりにも使われたと思われる。
 民主主義のアメリカでは、人命軽視の特攻自体が政権の存続、戦争継続を揺るがす戦い方のため、仮にそういった構想があっても隠されて表には出てこないだろう。

 ゲームでは空戦のみ可能という代わりに、火力160・精度20という極めて高い戦闘力を持っており、生産専用進化無しといういわゆる使い捨てユニットとなっている。
 鋼鉄の旋風ではアメリカ本国への侵攻マップに登場し、プレーヤーのユニット展開次第では毎ターン生産されることもしばしば。(筆者は7ターン連続でやられた)
 敵対するときには下手に空戦を仕掛けると返り討ちに合うことがほとんどなので、出来る限り地上から打ち落としたい。
 一方、作戦ファイルでは中盤から即生産が可能となり、プレーヤーが自由に使うことも可能で、各マップ開始直後の制空権確保に大いに力を発揮してくれるだろう。


P-38 ライトニング (戦闘攻撃機)

 本機はもともと高高度戦闘を考え速度重視で作られたため、運動性能は決して高くないものの、総合的には当時の戦闘機に迫る戦闘力を持つとして正式採用された。
 ドイツ帝国軍陸軍からは「双胴の悪魔」、大日本帝国軍からは「ぺろはち」などと呼ばれ、国や時期でこれほど評価の変わる兵器も珍しいだろう。

 本機は航続距離が長く、双発の馬力を生かした重武装は火力十分であったが、登場からしばらくは適した戦闘スタイル・任務がなかなか見つからず、大きな被害を被った。
 特に大日本帝国軍では本機を低高度に誘い込んで性能を落としつつ格闘戦に持ち込み、これを撃墜することがセオリーとなっていたようである。(日本での低評価原因)
 しかし、次第に本機に最適な戦闘スタイル・任務が確立され始めるとたちまちキルレシオは逆転し、万能的な性能も手伝って数多くの戦果を残した。
 中でも有名なのは山本五十六大将の乗った一式陸上攻撃機の撃墜で、この暗殺を成功させたのは本機である。

 ゲームでは、H型とその進化型のL型が登場し、特にL型は鋼鉄の旋風、作戦ファイルで空戦能力の評価が極端に違い、天と地の差がある。(鋼鉄は90/13、作戦は110/15)
 それぞれ太平洋戦線(対日)、欧州戦線(対独)での評価であると思われるが、鋼鉄の扱いでは精度が低くすぎ、「戦闘」攻撃機としてはほとんど使えないことに注意したい。
 全体的に防御力の高い攻撃機として運用することになるが、作戦のL型だけは別格であり、「作戦ファイルのP-38Lは強い」事だけは頭に入れておくべきである。


P-47 サンダーボルト (戦闘攻撃機)

 通常の設計方法とは異なり、まず武装、エンジンなどの選考から始まり、その後に機体設計・改良が行われたという少し特殊な誕生経緯を持つ戦闘機である。
 この設計方法に至った理由としては本機に対するアメリカ軍の要求性能が非常に高く、その実現には高出力高性能エンジンなどが必要があったことが挙げられる。
 プロトタイプの性能はいまひとつであったが、当時最高のエンジン性能と、カートベリ技師を主とする優秀な開発陣による様々な改良によって、最終的に極めて優秀な機となった。

 難点を挙げるとすればエンジン選考後から設計が行われているため、必然的に機体がエンジンサイズに伴って大型化してしまった事だが、機体性能からして大した問題でもなかった。
 元々、頑丈、高速、重武装と優秀な性能を持ち多くの改良種機を生み出したが、特に欧州では大量生産されたD型、太平洋戦線ではやや生産数は少ないもののN型の活躍が有名だ。
 本機は打たれ強く大火力、そして速度も優れていると、パイロット達からすれば非常に頼もしい存在であり、その存在自体が頼れるものだったと言われている。

 ゲーム中では種別は無く中盤〜終盤にP-40からの進化もしくは即生産で入手が可能で、精度は劣るが火力は十分、大型爆弾、ロケット兵装可能と、すさまじい汎用性を誇る。
 区分は戦闘攻撃機ゆえに戦闘機にはかなわないものの防御力は高く、ロケット弾は優遇措置が取られており、攻撃機などの駆逐を始め、対地攻撃も可能と使い勝手はかなり高い。
 進化時期の都合から使える期間の限られる惜しい点のある機体ではあるが、アメリカ軍には他に攻撃機も多くあり、進化先もP-51と優秀であるため、特に問題はないだろう。


A-20 ハボック (ハヴォック 陸上攻撃機 ※イギリス名はボストン)

 ダグラス社の開発した軽爆撃機(攻撃機)で特殊な装備や秀でた点の無かった機だが、高い汎用性に操作のしやすさ、機体の丈夫さから多くの国で広く使われた機である。
 登場当初、本機を軽視したアメリカ軍では採用されず、フランスやオランダなどで採用・活躍後、ようやく同軍でも本機の優秀性に気付き、遅れて採用されたエピソードは有名だ。
 ソビエト軍に大量供与された点は興味深く、ソビエト軍では本機を手に入れた後に積極的な運用を行い、ドイツ帝国軍との戦いを優位に進める手助けとなった。

 武装、搭載量においても特に優れていたわけではなかったが、機体のサイズ、飛行性能を考えるとバランスは良いと言え、これが高評価の所以(ゆえん)ではないかと思われる。
 イギリス軍では一部の機体を改良し夜戦支援機としたり、後期型では若干の改良によってよりいっそう対地攻撃機としての性質を高めたりと、多くは無いが改良種も誕生した。
 地味でありながらも多くの国で運用され多くの戦地に赴き、忠実に任務を遂行した本機はまさに質実剛健と言うに相応しい機であった。

 ゲームでは序盤過ぎに登場し、進化・改良の無い独立した地味な種として存在しているため、やや使い捨て感の強い機となっている。(イギリス属では索敵などが劣化)
 飛行・防御性能は高いとは言えないが、代りに対地火力には非常に恵まれており、攻撃力だけならば急降下爆撃機同等であることから「一撃」を加える任務には最適だ。
 同軍では爆撃機が優秀すぎるため存在感は薄いが、それでも対地・対艦火力の大きさは魅力的である事から、1、2ユニット持っていると面白い使い方が出来るかもしれない。


B-25 ミッチェル (陸上攻撃機)

 本機は、奇襲による日本本土爆撃を成功させた事で有名であり、西側諸国だけでなく、一部東側諸国でも運用され、戦後も多くの戦場、地域で活躍した双発陸上攻撃機である。
 当時、新興メーカのノースアメリカンが開発を担当したが、自主開発機を転用した事もあり、発注から1年前後で完成と言う異常なほど短期間で作り上げた事は特筆に価する。
 B-17のような大型機に比べ派手な部分は無いが、比較的堅実で丈夫な設計であり、何より中型機と言う扱いやすさ、コスト的な優位性から大量生産が可能であった。

 前述のとおり大型機のような派手さはないものの、中型機ならではのバランスのよさが売りであり、地味ではあるが素直な操作性、機動性、高い耐久度は高い評価を受けている。
 また、爆弾搭載量を増やした改良機や、哨戒任務機、はたまた75mm砲を載んだ重攻撃機なども存在しており、その事から高い汎用性を持っていたと言えよう。
 あまりにも地味で目立った点も少ないが、逆に欠点らしい欠点も目立たず、筆者的には、戦場において日常生活に欠かせない必需品のような存在だったのだろうと考察する。

 ゲームでは比較的初期から生産が可能であり、進化・改良は一切無しの使いきり兵器として登場する。
 コスト的にそれほど優位性も無く、同じ陸上攻撃機ならばA-20ハボックの優秀さが目立つため、多くのプレーヤーが「本機を使うくらいならハボックを」という流れになると思われる。
 特殊な特技が存在するわけでもないため、使うならば数機を趣味で運用し、できる限り他の兵器を生産したほうが良いだろう。


SBD ドーントレス (艦上急降下爆撃機)

 大戦前に登場したにもかかわらず、画期的な技術・構造を多用し、開戦から終戦まで全般に渡って使用された傑作機である。
 本機は急降下爆撃機という性質上、一般的な戦闘機よりも丈夫な設計となっており、なおかつ運動性能も優れているという、理想的な急降下爆撃機と言えるだろう。
 日本軍の猛攻を防ぎ反攻に転じるまで、アメリカにとって一番厳しい時期に非常に良い働きをし、多くの日本軍正規空母を沈める活躍を見せた。

 なお、得意分野ではないものの、軽い空戦ならばこなせたようで、零戦の撃墜記録まで持っていたりする。
 油断をしていたとはいえ、日本軍のエースパイロット坂井中尉機を撃墜・負傷に追い込んだのは本機である。

 ゲームではドイツ帝国のJu87と似た使いかってで、さらにそれと比べ燃料が多い、対空防御が高い(対艦防御に至っては60)、空母へ搭載が可能と至れり尽くせりである。
 史実のように空戦までとはいかないものの、若干の防御力がある分、戦闘機一回の攻撃でほぼ全滅確定のJu87に比べると生存性は遥かに高い。
 空母と連携し、うまく機動部隊の一員として運用したい戦力である。


SB2C ヘルダイバー (艦上急降下爆撃機)

 SBDドーントレスの更新のために開発され、当時としては異例な初期大量生産による一線配備がされたが、期待とは裏腹に現場での評価はあまりよくなかった機体である。
 悪評のついた点には、操縦性の悪さ、脆弱な機体、特定条件による酷い失速性などが挙げられ、二流のろくでなしなどという不名誉なあだ名が付けられてしまった。

 しかしながら、悪評にも関わらず長い期間運用される結果となっているが、それは長所が短所を上回るからであり、本機の航続距離、兵装重量が極めて優れていたからである。
 これらの長所は当時のアメリカ軍、特に海軍にとっては都合のよいものであって、結果的に大日本帝国の誇る大和、武蔵など、連合艦隊の艦艇の殲滅に大きく貢献した。
 なお、使いにくさはあったものの機体的にはそれなりに成功を収めた部類に入り、生産が止められた後も、大戦後、しばらくは数カ国で運用されている。

 ゲームでは中盤から登場し、ドーントレスからの進化、または即生産が可能で、ドーントレスを確実に上回る性能で登場となる。
 ドーントレスに比べ生産コストは上がっているものの、時代に沿った正統な性能向上を経ており、使いやすさ、特に対艦攻撃に対する高い能力は、空母運用時に重宝するだろう。
 進化先はAD-1スカイレーダーとなっており、強力な進化が可能であるため、海戦の続く大日本帝国戦線では大切に育てておきたい。


TBD デバステーター (艦上攻撃機)

 当時、来たるべく大戦に備え、新型の空母に搭載する艦載機の一つとして開発されたアメリカ軍の艦上攻撃機(雷撃機)である。
 単葉の採用にくわえ、金属性の機体や最新技術を投入された本機は、完成当初は世界最高レベルの性能として注目され、晴れて軍に採用された。
 しかし、航空機の発達が著しい大戦期において、採用から数年を得ての実践参加は旬を大きく過ぎての参戦となってしまい、活躍する場を無くした状態での参戦であった。

 幾つかの海戦に借り出されているが、時代遅れとなってしまった本機では対空火砲、他国最新鋭戦闘機の網を潜り抜ける事は難しく、著しい被害ばかりが増えている。
 一度の出撃でほぼ全滅と言う事も起こっており、この状況を理解していた軍部では次世代機(TBFアヴェンジャー)への切り替えを急ぐ事となった。
 時代の流れと言えばそれまでであるが、もう少し時勢がずれていれば、本機にも活躍の場はあったのかもしれない。

 ゲーム中では空母に所属するSBDドーントレスとのコンビで対艦船、対地任務を担当する機体となる。
 燃料が少なく機体性能も高くないため若干の使いにくさを感じるが、策敵範囲が広く(策敵5)、魚雷の搭載が可能である事から空母を含んだ艦隊には幾つか混ぜて起きたい。
 進化先はTBFアヴェンジャーと堅実な進化が可能で、扱い易さは一気にはね上がるだろう。


TBF アベンジャー (TBM:アヴェンジャー 艦上攻撃機)

 もはや開戦直前という時点においてアメリカ軍に配備されていたTBDデスバーターは、性能不足、機動部隊としての航続距離の短さが明確となっており、早期更新を迫られた。
 本機はその更新機でありTBD最大の弱点であった航続距離問題の解決をはじめ、時代に見合った装備・特殊構造によって当時の標準的な雷撃機よりも一歩上の性能を秘めていた。
 元々、名の無い機であったが正式な採用・発表が行われた当日に真珠湾攻撃が発生し、後に同軍の決意を表すかの如くアヴェンジャー:復讐者と名付けられた事から有名な機である。

 雷撃機としてはかなり重く、TBDとの比較では大分差のつく重量であったが、大型大馬力のエンジンが強力な性能を本機に与えていたため、速度的な問題はさほどなかった。
 重量があった分機体はやはり大きく、そのままでは艦載に極めて不利であったため翼は折畳み構造が採用されているが、この時期としては折畳翼は非常に先進的なものである。
 緒戦こそ護衛や運用の仕方からやや大きい被害を被ったものの、雷撃機として非凡であった本機は次第に頭角を現し、大日本帝国海軍の重要艦船を多く海に沈めている。

 ゲームでは対艦任務に強い機として登場し、中盤に差し掛かるあたりにTBDから進化・時機到来で即生産が可能となる。(魚雷も搭載可)
 進化元からの性能向上は大きく、雷撃機でも総合的に高い性能を持っていることから、海上だけでなく陸上で攻撃機+レーダー代わりの機として使うのも面白いかもしれない。
 進化先は高性能万能攻撃機AD-1で、総合性能はさらに上がるものの索敵範囲だけは縮小してしまう、よってその場の状況をよく判断した上で進化を行いたい。


AD-1 スカイレーダー (A-1 艦上急降下爆撃機)

 単座・複座・雷撃・攻撃機と入り乱れた兵器をまとめるために計画された機であり、大戦中の大量配備は間に合わなかったが高性能ぶりから戦後ベトナムへも参戦した機である。
 性質的には雷撃機・攻撃機の双方を兼ね備えた非常に器用な機体で(大日本帝国軍の流星改に近い)、小型・軽量でありながらも前任の機種を遥かに凌ぐ性能を持っていた。
 他社との開発競争を有利に進めるためとはいえ、アメリカ海軍の過酷とも言える要求を見事短時間で達成したダグラス社、ハイネマン氏の開発逸話はあまりにも有名である。

 性能の中でも特に積載量は双発機・四発機に迫るほどで余裕があり、本機の配備先では「運べないのはキッチン(台所)くらいだ」とジョークが飛び交うほどのものであった。
 爆弾、ロケット弾、魚雷など豊富な兵装を使いこなす事もよく考えられており、かつペイロードを活かすためのパイロン箇所の多さはその特徴を良く現していると言える。
 ベトナムでは兵士達のジョーク話から実際に便器が爆弾代わりに投下されるなど冗談まみれの嘘の様な機体であったが、レシプロ攻撃機としてはそれほど高性能であった。

 ゲームでは高性能万能機という史実どおりの高ステータスを誇り、使い勝手の良い攻撃機として登場するのだが、惜しくも登場までも史実どおり末期となっている。
 SB2C、TBFのどちらからでも進化可能と言う珍しい機で、入手性が良いことから先述のどちらかが使いにくいと感じたらその機だけ進化するなど、柔軟な進化も可能だ。
 艦攻の特徴である索敵範囲のみ大きく弱体化してしまうが、総合性能では勝る部分が多いためステータスが気に入れば次々投入しても損は無いだろう。


B-17 フライングフォートレス (爆撃機)

 当時、鈍足であるとされた4発でありながらも極めて高速に飛ぶ事が可能で、火力・防御性能も極めて高く、あらゆる戦線で大活躍した超高性能爆撃機である。
 本来は進攻してきた敵の迎撃に当たるために特定能力を重視された爆撃機であり、結果的にこれが高い火力・防御力を得る事に繋がった。
 敵の進攻から海岸線を守る要塞、そんな「防衛思想」からフライングフォートレス(空飛ぶ要塞)と呼ばれ、その名に恥じる事の無い数々の功績を挙げている。

 特に欧州戦線への投入数は多く、この戦線では数多くの作戦・爆撃に従事し(特に長距離任務)目覚しい実績をあげ、ドイツ帝国軍の資源を派手に食いつぶしていった。
 一方で太平洋戦線にも比較的早くから投入されており、こちらの戦線では頭数のそろわない不利な状況にも関わらず、零戦など大日本帝国軍機を梃子摺らせている。

 ゲーム中での本機は初期から生産が可能で、序盤としては桁外れに性能の高い爆撃機となっている。(ちなみに本作では4発爆撃機は優遇されていると思ってよい。)
 コストは3000と高いものの、その性能の高さはコストに見合ったものであり、機銃精度の悪さ、爆弾搭載量の少なさを差し引いても生産するだけの価値はある。
 他国が終盤で使用可能になる爆撃機よりも高性能で、爆撃、陸上攻撃と大活躍はほぼ確定、序盤から本機を大量投入するのは反則と言っても言いすぎでは無い。
 進化先は本機をさらに強力にしたようなB-29となっており、B-17、B-29、そして最終進化のB-36とアメリカ軍の恐ろしさを見る事が出来るだろう。


B-24 リベレーター (爆撃機)

 大戦中に設計・開発・生産され、大戦が終わる前に生産が終了したと言う一風変わった経歴を持つ爆撃機である。

 登場当時のアメリカ軍では同期の爆撃機、B-17の人気が非常に高く、本機は主にイギリスへの供給用という不遇な位置に立たされていた。
 しかし、供給を受けたイギリス軍では本機の航続距離の長さ、B-17より大きい積載量を上手く活用し、輸送、対潜、長距離爆撃と柔軟な運用を行い、一躍脚光を浴びた。
 その後はアメリカ軍でも積極的な運用が開始されると共に、優先的な生産強化が行われ、爆発的に数を増やし、ついにはアメリカ軍で生産数の一番多い爆撃機となった。
 大戦末期にはドイツ帝国領内への爆撃にも従事しており、製油所、工場など、終戦を早めるべく多くの軍事施設を破壊する活躍をした。

 ゲーム中では序盤から生産が可能で、防御力こそB-17に劣るものの、航続距離、搭載量では勝り、B-17同様、爆撃機として重要な位置を占める。
 B爆弾、250kg爆弾の搭載量にも若干の余裕があり、空港の少ないマップでも武器補給を気にせず安心して使えるのが強みだろう。
 正直なところ、強力な爆撃機、B-17の影に隠れがちな本機であるが、地味に強く航続距離にも余裕があるため、B-17では運用時間が足りない場面では積極的に使いたい。
 進化時期は終盤となるが、極めて強力な爆撃機B-36に進化可能で、B-17と違いB-29をスキップして一気にB-36への進化が可能である。(使わずとも前半からストック推奨)


B-29 スーパーフォートレス (爆撃機)

 大戦中期から現れ、その爆弾搭載量、高高度性能、超高性能空対空防衛能力を併せ持ち、猛威を振るった爆撃機である。
 大日本帝国の戦争継続能力をじわじわと削り、削るものがなくなった後は徹底的な破壊活動を行ったことは説明するまでもない。
 原子爆弾を投下したのはエノラ・ゲイ(広島1945年8月6日)とボックスカー(長崎1945年8月9日)である。

 本機は当時としては異常なまでの高い性能を持ち、航続力、兵装重量、防衛能力、その他もろもろ全てに秀でており、全ての中で群を抜いた性能であった。
 その高性能は数々の技術に支えられることから成り立っており、兵器としての完成度も非常に高く、アメリカの底力が伺える。
 日本では原爆ばかりに目が言ってしまいがちであるが、爆撃任務も数多くこなしており、むしろ一点集中の原爆よりも地味な爆撃による広範囲被害の方が凶悪だろう。

 ゲーム中では元々4発爆撃機が優遇されていることもあり防御力が高く、爆撃に使ってよし、対地攻撃に使ってよしと非の打ち所のない性能となっている。
 本機を含む進化順はB-17→B-29→B-36の流れになり、進化元、進化先も強力な爆撃機で、序盤でB-17を生産しておけばトントン拍子で進化できる。
 できるだけ早めに数をそろえて起きたい爆撃機だ。



coffee break
〜恐ろしく高性能で圧倒的だったが無敵ではなかった爆撃機・B-29〜

 B-29と言えば日本を破壊しつくし、広島、長崎を原爆で壊滅させた事で有名な爆撃機である。この爆撃機は当時の先進技術の塊で非常に高価な機だったが、アメリカの強大な国力によって大量生産され対日戦に多く投入された。大日本帝国には優秀な戦闘機が幾つかあったものの、それらをもってしても高高度を飛行し強力な自衛火器を持つB-29の迎撃は難しく、対抗するには多くの努力・工夫が必要であった。下手に迎撃を試みた戦闘機は逆に撃墜されるほどで、B-29「が」撃墜・撃退した戦闘機は百単位で数えられるほどである。文字どおり日本を爆撃しつくし蹂躙したB-29はそれほど圧倒的な爆撃機であったのである。

 だが、B-29がいくら強力で圧倒的な存在であっても無敵ではなかった。護衛機の居ない状況下では迎撃機の不意打ちを喰らってやられる場合もあったし、大日本帝国軍の高射砲は門数自体は少なかったが意外なほど優秀で多数のB-29を撃墜、または戦闘・飛行不能に追い込んでいる。また、欧州戦線におけるベルリン空襲の甚大な爆撃機被害の記憶が鮮明であった事から日本本土爆撃では被害を警戒し純粋な軍施設への爆撃は控えられ、変わりに海路へ航空機雷をばら撒くなど大日本帝国軍の戦力を過小評価せず冷静な運用も行われた。そして末期には低高度からの強行無差別爆撃が行われたが、この時にはさすがのB-29でも多く機が被害を被っている。B-29は確かに強力無比な爆撃機であったが、無敵ではなかったのだ。


B-36 ピースメーカー (名称は正式なものでなくコンカラー他複数あり 爆撃機)

 ヨーロッパ方面の砦であるイギリス帝国が陥落した場合を想定し、アメリカ軍が開発していた大型爆撃機である。(この「計画していた」というのは開発中に終戦を迎えたためである)
 初期型ではレシプロエンジン6発を用いていたが、後に能力不足が指摘され、後期型ではさらにジェットエンジンが4発追加されるというすさまじく大スケールな機体であった。
 大戦中には完成しなかったことから戦後に運用・活躍していた事のほうが有名であり、レシプロからジェットへの過渡期に誕生、運用されていたことから活躍期間は意外と短い。

 機体の大きさから性能面ではかなりの余裕があり、航続距離、搭載量はB-29を軽く上回るほどで確かに高性能ではあった、が、反面、コストは極めて高く、これが最大の欠点であった。
 アメリカ軍らしくない高コスト、高性能という贅沢な機体であったが、調達コスト問題、改良型を含む後継機争いであらゆる面で極めて優秀なB-52に敗北し、徐々に退役している。
 短い期間の活躍ではあったが、原子炉搭載試作機、様々な改良などが盛んに行われ、失敗した部分も含めてそのノウハウは軍にとって有意義なものだったのではないだろうか。

 ゲームでは超兵器の部類に属するため圧倒的な性能を誇り、アメリカ軍爆撃機の最終進化として末期にB-24、B-29からの進化で得ることが可能である。(鋼鉄では日本本土戦のみ)
 B-29以上の長大な航続力、搭載量、防御性能、反撃火力はいずれも強力なもので、特に反撃火力は中盤〜終盤の戦闘機並みに強力であることから使い勝手は極めて高い。
 爆撃機としてはあまりにも強すぎ、筆者的に「強い」以外に書くことがあまりない、それくらい強いため、敵国を廃墟に出来るような爆撃機部隊を作ってみてほしいところである。


PBY カタリナ飛行艇 (陸上攻撃機)

 対日戦開戦前より運用され、開戦後は旧式化が早かったにもかかわらず、運用性、汎用性の高さから大戦中はもとより、戦後も非常に重宝されたアメリカ軍の傑作飛行艇である。
 本機は主に哨戒、雷爆をはじめとした海上任務のほか、救援、輸送、曳航などの任務が割り当てられ、どちらかといえば攻めるためよりも守備的、補助的な任務に着く事が多かった。
 派手さは無いが、多くの任務を無難にこなせるその汎用性は連合各国でも好評で、アメリカ軍のみならず、イギリス軍やカナダ軍など多くの国でも採用・運用されている。

 改良型も多く存在し、中でも5A型は特殊な構造により車輪を搭載し水陸両用機になるなど、元々の素行のよさに加えて多くの改良を受け入れる余裕のあった設計であることがわかる。
 飛行速度はかなり遅い部類に入り、ずば抜けた性能も無く地味な機体であったが、堅実で多くの任務に耐えうる高い汎用性は誰もが認める傑作飛行艇であった。
 大戦後も各国で消防・防災活動機としてしばらく活躍し、大きく時の流れた現在でも設計は流用され、新技術の投入と共に血筋は続いている。(ボンバルディア系飛行艇など)

 ゲームでは陸上攻撃機として作戦ファイルで登場し、時機到来により即生産、改良進化なしの単体として運用が可能となる。
 実際の活躍とは程遠い評価で、実スペックに沿ったステータスが採用されているらしく、結果的に大日本帝国の二式大艇を劣化させたような性能のため使い勝手は至極悪い。
 アメリカ軍では陸上攻撃機に代用できる高性能爆撃機が目立ち、その上海軍も強力、いざとなれば大量資金で駆逐艦の量産も可能であることから、本機の活躍はそれほどないだろう。


ソビエト連邦
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I-15 (戦闘機)

 大戦初期に活躍した戦闘機だが、実際には大戦よりかなり前に配備・運用され、大戦前におけるスペイン、ノモンハンなどの小競り合いでの運用の方が有名な機である。
 本機は当時流行していた形状・機能のほとんどが取り入れられており、複葉機で脚は固定式と言う時代相応の設計に、特徴的な緩いガル翼が与えられている。(bisはガル翼廃止)
 基本的に性能に劣る国産エンジンが使われ生産されていたが、当初の計画よりも性能が低くなってしまったため、一部の機体にはアメリカから輸入したエンジンが使われた。

 高性能な国産エンジンの生産が軌道に乗ると(と言ってもライセンス改良品だが)こちらへの転換が進み、この機体が後に中国方面やスペインで戦いに参加する事となる。
 大戦突入時には旧式化も著しく満足に空戦の行えない機体となっていたが、極めて良好な運動性能から改良型I-15bis(bisは2の意味)が生まれ、対地攻撃に従事した。
 武装は強力とは言えなかったが、対地攻撃にロケット弾など変わった兵装も可能であったため、明らかに見劣りする性能でも最終的に大戦半ばまで運用された。

 ゲームではごく初期において即生産で手に入るが、性能の方は著しく低く、本来の任務である戦闘機としては使えない機となっている。
 はっきり言えばほぼ生産の価値は無いが、初期の戦闘機としては珍しくロケット弾の兵装が可能であるため、安価な点を活かして使い捨ての対地攻撃機として使えなくもない。
 進化先がI-16と振るわないためキャンペーンでの運用意義はまったくないが、生産種が限られるスタンダードマップでは場合によって対地攻撃機として導入するのも良いだろう。


I-16 (戦闘機)

 I-15同様ポリカルポフによって設計された戦闘機であるが、I-15が複葉機であるのに対しこちらは単葉機で、世界初となる引き込み脚を実用化した機体として有名である。
 本機は登場時点ではほぼ世界最速と言える速度性能を誇り、同時期に各国で主流であった複葉機に対して性能でも大きく差を付け、高い完成度の機であった。
 戦いに投入されるにつれて洗練・改良されていった事で非常に効率的な性能向上も図られており、武装、エンジン、装甲など様々な面で著しい強化が施された事も興味深い。

 高性能は多くの先進的な技術によって支えられており、その技術の多くが後の単葉機において当たり前になるものであったことから本機は単葉機の先駆けと言っても良いだろう。
 運用時期がI-15同様に大戦前〜大戦初期だった事から開戦時には既に旧式化しており、大戦における運用方法もほとんどI-15同様であったが、生産自体は大戦中も行われていた。
 初期型と後期型では改良によってかなりの性能差があり、初期型では軽快な単葉日本軍機相手に極めて劣勢だったのが後期型では立場が逆転するなど面白い機でもあった。

 ゲーム中では序盤にI-15からの進化、もしくは即生産で手に入り、I-15から大きく性能向上しているものの、やはり空戦は厳しい性能となっている。
 大戦ごく初期ならばなんとか空戦に使えるレベルまで性能は上がっているのだが、同期他国戦闘機との比較では明らかに劣勢であり、それらとの直接戦闘は出来れば回避したい。
 性質はI-15とほぼ同質である事から「どうしても」という場合以外は使う必要は無く、使うならばロケット弾の兵装による対地攻撃機としての運用が適任だろう。


Mig-3 (戦闘機)

 現在でも有名なミヤコン・グレビッチ設計局のミグ戦闘機の祖である。

 欠点が多く、早々に生産が打ち切られてしまった1型に対し、数多くの改良・設計見直し・強化を施し、実践に耐えうる性能まで進化させたのが3型、本機となる。
 本機は高度での戦闘が得意であり、高度ではその性能を存分に発揮できたが、低空での能力不足が災いし、ドイツ帝国機に一歩及ばない性能であった。
 しかし、当時としては抜群の速度を誇り、同時期のヤコブレフ戦闘機、ラボーチキン戦闘機よりは勝る面がやや多かったようである。

 ゲーム中のMig戦闘機はソビエト軍にとってはなくてはならない戦闘機である。
 火力・精度に難があるものの、対空防御はやや高めで打たれ強く、錬度の高い3型を7型へ進化させればMe262に対する壁としても十分使える。

 なお、Mig系の運用を楽しみたければ、作戦ファイルのソビエトキャンペーンをお勧めする。
 精度の補正がされ、鋼鉄の旋風よりも若干精度が高くなっており、ソビエト戦闘機による攻守を思う存分楽しめるだろう。


Mig-7 (戦闘機)

 空に関わる戦闘に対し、一時劣勢に置かれたソビエト軍では高高度からの進入機に対抗すべく迎撃戦闘機の開発を決定、完成したのが本機である。
 しかし、完成とは言うものの登場時にはすでに大戦後期に入っている上、制空権は連合軍・赤軍側に移りつつあり、高高度からの脅威はほとんど無くなっていた。
 その結果、正式採用はされず、少数が実験・研究機として完成したにすぎない。

 これまでのソビエト軍機と違い、機体の設計思想・装備品はいろいろと改良や新設計が施されており、後の戦闘機開発に影響を与えたと言われている。
 大戦中のミヤコン戦闘機で代表的なものは3、5、7、9と幾つかが研究・開発されているが、正直なところ、いずれの機体も大成功を収めたとは言えず、資料は実に少ない。
 本機も例に漏れず情報が少なく、もしかすると致命的な欠陥があったり、また性能は良いがコスト面や運用面での問題で正式採用されなかったのかもしれない。

 ゲームでは終盤の最終進化型ということでソビエト軍最強の戦闘機として君臨し、Mig-3からの進化、大戦末期に即生産で入手が可能となる。
 対空火力・精度はBf109kと同等程度(80/18)とやや劣るものの、防御性能は70越えとジェット機並みにかなり高くなっており、防衛用に最適と言える性能・位置付けになっている。
 兵装は機関砲のみ、さらにその機関砲の火力不足から若干の頼りなさは感じるものの、コストは抑えられてるため性能は数でカバーすると良いだろう。


Yak-7 (戦闘機)

 大戦初期〜中期、ソビエト軍では、慢性的に遅れ気味だった戦闘機配備が何とか整いつつあったが、依然として「急場作りの戦闘機」ならではの低品質に悩まされていた。
 その中で優秀な練習機であったI-27に注目し、これをベースに改良・戦闘機として必要な調整を行って完成したのが本機である。
 前モデルのYak-1で評判の悪かった重心の件も慎重に調整されており、元が複座であったため、これを単座にしたりと、改良は多岐に渡る。

 本機は効率化をよく考えられており、そのおかげで短期間に相当数が生産され、並行して改良も同時に進み、初期型と後期型ではかなり能力・質が違った点も面白い点である。
 より高性能な9型がすぐに登場したことにより、本機は生産期間が短いものの、大戦全般をはじめ、戦後も共産圏では練習機として息長く使われた。

 ゲームではYak-1からの進化、時機到来により生産が可能となる。
 純粋な戦闘機としては正直なところ力不足であり、あえて運用することが前提ならばロケット弾を装備し、戦闘攻撃機として使うのが正解か。(それでも対地攻撃力は低め)
 大陸国家の陸上機という性質上、燃料は控えめで足が短く、爆弾搭載不可というマイナス点も存在し、プレーヤーにとっては使いにくい兵器の一つになるだろう。
 進化先のYak-9でやっとBf109Gと同レベルというなんとも言えない微妙な性能ではあるが、空軍のバリエーション不足を補うため、数機は保持しておきたい。


Yak-9 (戦闘機)

 中〜高高度戦闘に最適化された改良版Yak-7を基に開発され、大戦中におけるヤコブレフ系戦闘機のなかでもっとも優れているとされる戦闘機である。
 それまでのヤコブレフ系戦闘機は低高度での格闘戦に主眼に置いたものであったが、本機は基となった改良型Yak-7の性能を引き継ぎ、中〜高高度性能をさらに伸ばしている。
 武装には強力な20mm機関砲も搭載されており、さらにやや小柄な爆弾ならば問題なく兵装可能と、対空、対地において余裕のある火力を持ち合わせていた。

 機体の素材には木と布、金属が用いられ、機体の大きさや同世代の金属製戦闘機を考慮すると、やや過重気味である事は明白であり、この点から最高速度は控えめである。
 速度以外にも幾つか問題はあったが、小柄な機体に強力なエンジンという組み合わせは極めて相性が良く、結果、高い汎用性にも恵まれ、同世代戦闘機との比較でも遜色なかった。
 やや操縦の難しい戦闘機であったようだが、反ナチフランス人部隊の評価では好評を得ており、戦後も全金属製にされる等改良が加えられ長く使われた名機であった。

 ゲームではYak系最終進化として終盤に同系から進化が可能となり、性能、登場時期から兵装に劣るMig-7の補佐役的な存在である。
 性能的に優遇されている部分は皆無で燃料も少なく、兵装は多彩でも弾数が少ないなど使いどころは難しく、防御力が比較的高いところから局地戦闘攻撃機としての運用が正解か。
 空戦のみできれば良いという事ならば、本機を無視して全ての戦闘機をMig-7で揃えても問題はないが、対地攻撃を視野に入れるとやはり本機も必要であろう。


LaG-3 (LaGG-3 戦闘機)

 世間的に、低性能かつ著しく評判の悪い事で有名な、ラボーチキン製のソビエト軍単座木製戦闘機である。
 本機の特徴は、前述の悪い評判に加え、戦略物資として貴重である金属を使う事を避け、機体の殆どの部分を木造で構成している事があげられるだろう。

 戦略物資を節約できると言うメリットは一時期大いにもてはやされたが、機体は重く、総合性能は多少機動性が高い程度で、全体的な能力は同期戦闘機に比べ著しく低い。
 あまりの性能の低さから、「棺桶」などと不名誉な呼ばれ方がされているものの、木造ならではの丈夫さは大戦初期には比較的有効であった。(それでも空中分解等は多かった)
 木造と聞くと、同種の優秀な陸上攻撃機、イギリス軍モスキートを思い浮かべるが、本機においては大量生産ゆえの雑な作りがそれと比べ物にならない低品質を招いたようだ。
 ソビエト軍では戦略構想から少数の高性能機よりも、作りが雑でも大量の戦闘機を必要としていたため、丁寧に作られていたならば、ここまで低性能ではなかったかもしれない。

 ゲーム中では序盤から即生産が可能で、進化、改良は一切無しと言う、ある意味硬派な戦闘機として存在する。
 史実同様に性能は低く、先制が取れない、火力不足、防御力も低いと、運用方法を決めるべく悩んだすえに結局使いどころが無いという困るほど微妙な性能である。
 せめてLa-5後期型、La-7あたりに進化が可能であれば価値はあるのだが(La系は本作に登場しない)、残念ながら趣味としてストックするくらいの価値しかないだろう。


Il-2 (シュトルモビク※非正式名称 攻撃機:戦闘攻撃機)

 イリューシン氏率いる開発陣が完成させた攻撃機で、生産総数は36,000機を越え、飛行機史上において最も生産された軍用機である。(参考:民間機DC-3が10,000、軽セスナが40,000超)
 本機は非常に優れた防御性能を持っており、その性能は優れた設計に加え、被弾を考慮した部品配置、さらに随所に施された装甲によって実現されていた。
 装甲厚によって機体は重く、速度や運動性は決して優れていたとは言えないが、ありあまる装甲はその欠点を上回る価値を持ち、パイロット達は本機に信頼をよせていたという。

 生産時期によって単座、複座、金属翼、木製翼、また武装にもばらつきがあるが、これはドイツ帝国軍の侵攻によって劣勢か有利か、その時の情勢で柔軟な改良があった事による。
 特に後期型では複座、後方機銃装備が当たり前となっており、この事からは本機が頼れる護衛も無い状態でどれだけ熾烈な戦場に送り込まれていたかが伺える。
 重厚な機体で群れて飛び回る本機は軽対空機関砲ではなかなか撃墜できず、ドイツ帝国軍からは黒死病、空飛ぶ戦車などと恐れられ、祖国防衛のために大いに暴れまわった。

 ゲームでは比較的序盤から生産が可能となっているが、足が短い、火力は控えめ、中途半端な防御力、コスト高、とかなり癖の強い機体となっている。(Il-10よりもコスト高)
 高性能な機を持たないソビエト軍では使うしかないという状況のため、本機を我慢して運用か、それともSB-2でも突撃させた方がいいか、プレーヤーはそんな判断を迫られる。
 進化先はIl-10(仮想では終盤即生産可、史実は進化でのみ入手可)だがこちらも高い性能とは言えず、結論的にこの系列は趣味の兵器と判断するしか無いのかもしれない。


Il-10 (攻撃機:戦闘攻撃機)

 高い防御力を誇り各地で暴れまわったIl-2も大戦が進むにつれ旧式化していき、被害が目立つようになると「新たなIl-2」を求められるようになってきた。
 これに答えるため開発中であった戦闘機を流用し、Il-2並みの防御力、そして時代相応の速度、機動力を持ち合わせた攻撃機の開発が行われ、完成したのが本機である。
 元々の機体が戦闘機(正式化されなかった戦闘機だが)であるため、Il-2比では格段の空戦力向上に成功しており、同時期の戦闘機と比較しても劣るものではなかった。

 防御性能はIl-2同様に極めて高く、加えて空戦能力まで上がっているという理想的な攻撃機であったが、完成が大戦終盤であったために生産数、前線への配備数は多くない。
 武装は23mm機関砲、爆弾、ロケット弾などありふれた平凡なもので、総合的に目新しさは無いが、斬新さを求めなかった事は逆に本機の完成度を高めた一因であったと筆者は思う。
 大戦後は東側諸国で広く用いられ、朝鮮戦争に投入された一部の機は若干ながら活躍を見せたが、ジェットの波・レシプロ機の宿命か、運用期間は短く短命であった。

 ゲーム中では戦闘攻撃機として登場し、史実キャンペーンでは末期にIl-2からの進化で、仮想キャンペーンでは加えて末期に即生産もできるようになる。(最終進化)
 Il-2譲りの防御力はさらに強化されているが、特に優遇も無く弱点も引き継がれているために中途半端な感が強く、運用時には癖を感じることが多くなってしまう。
 爆弾、ロケット弾が同時に装備できる武装面の贅沢さはあるものの、実際に使って難を感じるようであれば、素直に爆撃機を対地攻撃爆装で使ったほうが良いだろう。


SB-2 (SB高速爆撃機 陸上攻撃機)

 ツポレフ設計局によって大戦前に開発された爆撃機で、機体の規模からして軽爆撃機に属すが、むしろ陸上攻撃機に近いといえる機である。
 外見的には斬新な部分の無い機体ではあったが、全金属製など個々の部分では先進的な技術をかなり取り込んでおり、ソビエトでは大きく成功した機体であったと言ってよい。
 誕生当時としては非常に優れた飛行速度を誇り、初期型では300km/h以上、改良型では450km/h前後の速度をたたき出し、これは当時の一般的な戦闘機よりも速いものであった。

 高性能なだけに活躍は目覚しく、中国、フィンランド、スペインなど大戦前の小競り合いに投入され、かなりの戦果を残した事から敵対国からは警戒すべき爆撃機とされていた。
 しかし、活躍も開戦から大戦初期までがいいところで、これ以降は進化した戦闘機に大きく性能を引き離され、戦闘以外の任務に就くもの、使い捨てにされるもの、各々の道を歩んだ。
 最終的に6000機を軽く上回る機が生産され多くの任務に就いたが、悲惨な最期を遂げる機も多く、良くも悪くも共産主義的な色合いの濃い機体であったのではないだろうか。

 ゲームでは爆撃機でなく陸上攻撃機として登場し(多分、索敵範囲優遇のため)、大戦前の機種であるため性能は低いが序盤から即生産が可能となっている。(進化・改良は無し)
 対地火力は控えめで航続距離が他欧州機と同じように短く、反撃能力がほぼ皆無で打たれ弱いと欠点が目立つが、索敵範囲が4と広く、この点だけは評価できる。
 戦闘攻撃機相手ですら大損害は確定であるため、スターリン風に言えば「被害はどうでもよい、ともかく敵に一撃加える」と言ったような使い捨て用途にしか使い道はないだろう。


TB-3 (爆撃機)

 戦術面から爆撃機を重要視していなかったソビエト軍では、爆撃機の採用には常に消極的であったが、本機はそんな中でも珍しく正式化された重爆撃機である。
 設計は、著名な数名による合作のようなものであり、大型機の設計に定評のあるツポレフ氏以外にも多くの技術者が参加していた。

 四発の大きく力強い機体はソビエト軍機としては極めて高い積載量を誇ったが、設計・生産は大戦前のものであり、大戦初期〜大戦中期にかけて早く旧式化が進んでしまった。
 大戦中期には既に前線からは退いており、その多くは輸送任務、グライダー・空挺部隊などの戦闘以外の任務で運用され、地味ながらも堅実な働きを見せた。
 ツポレフ氏は粛清時代にある疑惑から投獄(後に釈放されたが)されてしまったが、もし、投獄されずに居たら、本機の改良や正式な後継機の開発が進んでいたかもしれない。

 ゲームでは序盤に生産が可能で、有効な攻撃機を持たないソビエト軍にとって、唯一まともな攻撃機へ代替できる貴重な機体である。
 防御性能などは褒められた性能ではないが、爆弾搭載量、燃料(行動範囲)に関してはソビエト軍の中でも上位クラスであり、積極的な運用で陸軍を支援したいところだ。
 キャンペーンでは、なぜか序盤以降は生産不可という罠が仕掛けられているため、若干無理をしてでも予算と相談しながら出来るだけ確保しておきたい。
 進化先は同じく四発機のPe-8(非常にコストが高い)で、一気に性能が引き上げられるため、進化解禁後は経験値が溜まり次第、すみやかに進化させるのが良い。


Pe-8 (爆撃機)

 ソビエト軍で唯一大戦に投入された「戦術」爆撃機であり、基礎的な設計はツポレフ氏が担当していたが、粛清の影響からペトリャコフ氏へ引き継がれ完成した機である。
 TB-3の後継とされた本機は先進的な技術、防御思想を持って機体は比較的良好な出来であったが、残念ながらこれを生かすエンジンが無く、性能は振るわなかった。
 正式採用された時点のエンジンはミクーリン1,350馬力四発であったが、これは爆撃機用途に向かず、それ以下の馬力であったB-17のエンジンに比べても無理があったのだろう。

 性能が少々劣る機でも、高高度の飛行が可能で長距離飛行も可能であった事から、試験で一定の性能が確認されると少数が正式化されベルリンへ爆撃などへ従事している。
 後にアメリカ製エンジンを手本とした強力なエンジンが完成すると、一部の機体にこれが採用され若干の性能向上を果たしたが、戦略的思想から大量配備はやはりされなかった。
 爆撃機を重視しないソビエトで生まれた事が既に不遇な運命を決定付けており、大きな改良もされず満足な性能を得られなかった本機はいささか可哀想な機と言えるだろう。

 ゲームでは終盤あたりにTB-3からの最終進化、コストは高いが一部マップでの即生産で入手出来るソビエト軍最強の爆撃機である。
 史実ほど性能評価は低くなく、同年代の他国爆撃機との比較でも大きく劣る部分は少ないため、非常に扱いやすい機体で対地攻撃・爆撃の双方をこなせる点も高評価だ。
 まともな攻撃機を持たないソビエト軍では「攻撃機へ転用できる爆撃機」という貴重かつ高性能の機体であり、TB-3の上手な運用・ストックで速やかに進化を行いたい。


イギリス帝国
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グラジュエーター (グラディエーター 戦闘機)

 イギリス軍で大戦前より運用していた複葉戦闘機、ブルドッグは飛行性能・整備性に優れ、総合的に優秀な戦闘機であったが、なかなか良い後継機に恵まれなかった。
 そんな中で戦闘機の更新に迫られていたイギリス軍では幾つかの計画進め、その中でもっとも優れた性能を発揮し本採用されたのが本機である。
 金属製の機体に飛行速度、装備品、武装はそれまでのイギリス軍複葉機とは比べ物にならず、複葉機としては最先端かつ斬新、芸術的ともいえるものとなっている。

 ただ、時の流れとは残酷なもので、本機が配備・運用されるころには単葉機のハリケーンやスピットファイア、Bf109が登場しており、複葉機は既に過去のものとなっていた。
 このことから活躍の場は当然限られ、大半の機体は早々に第一線から離脱し第二線に送られたが、一部は海軍で運用されシーグラディエーターとしてある程度の活躍を収めている。
 時代という大きな壁に翻弄された不運な戦闘機だが、複葉機という分類では確実に進歩しており、イタリアのフィアット系と共に航空史上での存在意義はあった機体だと筆者は思う。

 ゲーム中では序盤も序盤、初期にしかその姿を見ることが出来ず、一応、進化が可能でシーファイアへと繋がる。(こちらも性能は悲惨なものだが)
 複葉機ということで性能は極めて低く、Ju-87を迎撃するにもやや有利という有様で、本機を生産する予算があるならば攻撃機など他の兵器を生産するほうがまったく有意義である。
 もはやゲームに存在する事を同情するレベルで生産を躊躇ってしまう飛行機だが、思い出したらたまには生産して空を飛ばせてやると本機も浮かばれるだろう。


スピットファイア (戦闘機)

 特徴的な大きな楕円翼、長い月日に渡り施された改良、その外見と改良により、ついには救国戦闘機と呼ばれるまでになったイギリス帝国の象徴とも呼べる戦闘機である。
 ドーバーを渡り押し寄せるドイツ帝国機を粘り強く駆逐・撃退し、その後の反撃でも大活躍していることから、傑作戦闘機の1つと思ってよいだろう。

 本機は歴史も長く、数えきれないほど繰り返された改良の結果、初期型と最終型では別戦闘機と言えるほどの性能差で、大幅な性能向上が図られている。
 しかし、基礎的な設計は初期型を踏襲しており、初期型〜最終型をとおして伝統的な基礎設計を継承していると言ってよい。

 ゲームでのスピットファイアはIX型からその真価を発揮し、次のXIV型にてイギリス帝国レシプロ機中で最高の性能を発揮するに至る。
 IX型は対空火力100、精度16、ロケット弾による強力な対非装甲攻撃力という能力を活かし、制空権確保はもとより、地上敵戦力の威圧にも用いることができる。
 純粋な戦闘機として使うよりも、兵装でロケット弾を装備し、ヤーボとして使うことでさらに戦果を期待できるだろう。


ミーティア (戦闘機)

 グロスターの開発したイギリス軍初のジェット戦闘機であり、連合軍側でまともに大戦へ参加した唯一のジェット戦闘機と言ってよい。
 初期のジェット機としては設計はオーソドックスであり、むしろレシプロ機に近い保守的なもので革新的なものはほとんど持たず、見た目、性能、共にまさに凡庸と言える。
 ただ、それはパイロット達にとっては慣れ親しんだレシプロ機に近い感覚を持ち合わせることを意味し、レシプロ機から容易に移行しやすいという思わぬメリットを得る事に繋がっている。

 エンジンなどの問題から初期〜中期型に関してはお世辞にも褒められたものではなく、むしろレシプロ機同等かそれに劣るような性能で、任務もV1迎撃など限定的なものであった。
 しかし、改良が進み、エンジンなど各部の問題が解決され始めると共に性能は飛躍的に上がり続け、ついにはMe262をやや上回るか肩を並べるほどの力を得ることに成功している。
 大戦中の活躍は少ないが、戦後はさらなる改良も進み、性能、コスト、パイロット教育などの面で有利なことから多くの国で導入され、息長く1970年前後まで運用された。

 ゲーム中では「一応」登場するのだが、一部マップでの即生産のみでキャンペーンでは取得不可という扱いを受け、イギリス軍に同情したくなるほどである。(いつもは鬱陶しいと思うが)
 性能はアメリカ軍のF9Fパンターと同等で、火力140・精度20とレシプロ機相手ならば大抵は有利に戦闘を仕掛けることができるが、やはりキャンペーンで使えないの事は厳しい。
 進化に何か厳しい条件があるのかもしれないが、ドイツ帝国軍機のような強烈な性能でもないため、一部のスタンダードマップでしか使えないと完全に割り切ったほうが良いだろう。


タイフーン (戦闘機)

 ハリケーンの旧式化に伴い、代替機として設計・開発され、試作型トーネード→先行生産トーネード→本機という経緯を得て、晴れて正式化された。(正確にはやや違うが割愛)
 本機は能力的にはスピットファイアに劣る部分が多く、戦闘機としては使い物にならないレベルであったが、低高度性能の能力が高く、戦闘攻撃機として運用されている。
 一時は総合能力の低さから、生産終了間際まで追い詰められたが、他のイギリス軍戦闘機がそうであったように、数々の改良が施され、第一線級の戦闘攻撃機に成長した。

 兵装は良好なものであり、機銃、爆弾、ロケット弾のいずれの火力も力強いもので、陸上兵器の排除に猛威を振るった。

 ゲームでは中盤が過ぎたあたりから生産が可能となり、史実同様、戦闘機としての運用は厳しいものの、兵装に優れ、戦闘攻撃機としてはまずまずの能力である。
 大型爆弾は2搭載可能、ロケット弾ならば4搭載可能と対地攻撃に限れば兵装は非常に充実しており、「ある程度空も戦える攻撃機」と割り切って使うのも面白いかもしれない。
 若干の空戦能力も持ち合わせており、自己防衛程度の戦闘ならばある程度可能であるため、この点は攻撃機よりも運用しやすいだろう。
 進化先はテンペストとなっており、こちらも同コンセプトの戦闘機で、似たような使い方が出来る。


テンペスト (戦闘機)

 イギリス帝国ではタイフーンの改良後継機としてタイフーンIIを開発していたが、様々な改良を施した結果、それはもはやタイフーンとは別物の設計になっていた。
 そこで名称をテンペストと変更し、正式化することとなったのが本機である。

 本機はエンジン特性、形状設計から低空での加速をもっとも得意とし、低空で運用することが前提であれば、大戦中で最速レベルの速度を誇る。
 V-1の迎撃に適する速度であったため、これらの任務に多く採用され、戦地によってはMe262の迎撃にも採用された。
 ただし、その性質上、運動特性はそれほど良いものでなく、本格的な格闘線は苦手であり、空戦では一撃離脱が主な戦法であったようである。

 ゲーム中では終盤にさしかかる辺りからタイフーンからの進化、即生産が可能となる。
 精度は14、大型爆弾の搭載数が2と、どちらかといえば戦闘機よりも戦闘攻撃機としての性質が強い。
 分類は戦闘機ではあるが、正直、戦闘機として運用するには性能が足りないため、兵装で大型爆弾を積み、戦闘攻撃機としての運用が適しているだろう。


ハリケーン (戦闘機:戦闘攻撃機)

 フューリー複葉戦闘機の旧式化にともない、これの更新のために開発・生産された単葉単座戦闘機である。
 本機は同期開発のスピットファイア(全金属)とは異なり、旧式な技術が多く採用されたやや設計の古い木金混在の戦闘機で、簡素かつ生産が容易である特徴を持つ。
 大戦初期には生産性の容易さから多くが生産されており、かつ技術的にも整備が容易な事から防空任務で活躍し、アジア戦線にも投入されている。

 簡素な作りは結果的に高い被弾性能を持つ事につながり、被弾した場合でも損害は低く抑える事ができ、生存性はかなり高かったと言われている。
 また、当時としては強力なエンジンを積んでおり、ドイツ帝国軍戦闘機に対して若干劣る程度、それ以外に対しては優勢に戦闘を仕掛ける事ができた。
 地味な存在ながらも堅実に戦果を積み重ねていたが、スピットファイア増産が進み数がそろうようになると、純粋な対空戦闘任務以外への投入が増えていった。

 ゲームでは序盤に戦闘機、後半に対戦車攻撃機という中途半端な位置づけで存在し、性能的には低めの評価でステータスはかなり低く抑えられている。
 純粋な戦闘機としては使い物にならないレベルであり、正直なところ使いどころに悩む機体ではあるが、IID型より対地40mm機関砲という化け物を搭載し、対装甲火力は跳ね上がる。
 次期はややずれるが殆どの型は即生産が可能で、進化はマイナーチェンジ一色の初代→II→IID→IVと続く、IIDからは実質的に対戦車戦力で必要なときに生産をすれば良いだろう。


ソードフィッシュ (雷撃機:艦上攻撃機)

 対戦前から大量に生産され、そのまま大戦へ突入、ドイツ帝国戦艦ビスマルク撃沈の手助けをするなどヨーロッパ・大西洋で大活躍した機体である。
 複葉、昔ながらの骨組みに布張りの構造、鈍足と言うことから開戦時には既に旧式化した機体となっていたが、幅広い用途に使える汎用性と素直な操作性は高い評価を得た。
 この高評価の理由としては、ヨーロッパ・大西洋方面では機動・艦隊戦の規模が小規模で活発な交戦が少なく、自由な運用が出来た事が主な大きな理由であると思われる。

 大戦中期には性能の限界から後継機種にその座を譲り、第一線から徐々に退いていったが、第一線を退いた後も護衛機として機動部隊に入り、Uボート狩りなど任務に就いている。
 兵装に関しては意外なほど柔軟で、後期型では対潜レーダー、ロケット弾なども装備されるまでになっており、こういった事も第一線を退いた後の活躍期間を延ばす要因でもあった。
 全般的な性能は低く、敵と互いに認識しあう状態での交戦では保身すら危うい機体で、実際に被害も多かったが、配備方面、運用の仕方に恵まれた機であったと言えるだろう。

 ゲーム中では序盤から生産が可能で、トータルでは低性能なものの索敵5/潜索2、対潜火力50、227lg爆弾でありながら対地火力がやや高め、着艦可能という優遇を持つ。
 はっきり言って対空火力の高い兵器に攻撃されればほぼ全滅は確定ではあるが、コストが安く、爆弾数3(または魚雷1)と使い捨て的な対地攻撃機としてはまずまずである。
 しかし、使い捨てで使い続けるにも後半生産は不可、進化先は低性能のバラクーダであることから、無理に使う理由はほとんど無く、大半のプレーヤーには存在価値の低い機だろう。


バラクーダ (雷撃機:艦上攻撃機)

 ソードフィッシュの旧式化に伴い、その担い手として開発された機であるが、多々の問題を抱えたために前線への投入が遅れに遅れた機である。
 問題の多くはなんとか改善できるレベルのものであったが、機体強度の不足が出たことによる補強、武装の見直しなどから発生した重量に関する問題は最後まで改善できていない。
 反面、運用では補強されたことによって得られた堅牢な機体は安定性が高く、コクピットの視界も良好であったため、パイロット達からはそれほど悪い評価ではなかったようだ。

 多くの機体は哨戒任務に当たり、着実に任務をこなしていることから実用性では大きな問題は見られなかったが、しばしば油圧液の液漏れ関係から事故を引き起こしていた。
 ドイツ帝国海軍テルピッツを果敢に攻撃し、何度も大打撃を与えた機としても有名であり、不名誉な点、名誉な点、双方を持つ珍しい機体であるだろう。
 総合的な性能、事故の件から現代においては評判の良くない、言い切ってしまえば悪い部類の雷撃機ではあるが、同時に堅実で勇猛な機であったとも言えるのではないだろうか。

 ゲームでは中盤〜終盤にかけてソードフィッシュより進化、時機到来による即生産で使う事が出来るのだが、雷撃・対潜が出来る特徴を考慮に入れても存在はやや微妙である。
 索敵範囲は広いのだが小型爆弾の対地火力は低く、燃料が少ないため戦闘継続力も劣る、さらに防御性能もやや低めと、始めに本機を運用する価値があるかどうかが頭に浮かぶ。
 最終進化のため性能は打ち止め、陸戦が主の作戦ファイルではそもそも不要に近い、そういったマイナス面を踏まえると趣味で数機を使う程度というところか。


スキュア (スクア 艦上攻撃機:急降下爆撃機)

 イギリス帝国軍初の急降下爆撃機であり、結果的にそうせざるおえなかったとはいえ冒険的に多くの新技術が盛り込まれ、アンバランスではあるが一定の成功を収めた機体である。
 過去、戦闘機として広く認識されていたことから低性能な戦闘機で急降下爆撃も行えたという評価であったが、実際には急降下爆撃機に空戦能力を付加したという方が正しいだろう。
 旧式化が著しく優良な艦上機を持たなかったイギリス海軍では、どうしても一機種によって多くの任務をしなければならない状況下にあり、本機の導入もその結果からと思ってよい。

 性能ははっきり言って低性能で、本来搭載されるはずのエンジンが供給されなかったり、照準機が最適化されていなかったりと、不運に加え調整不足であった感は否めない。
 しかしながら、低性能でも最低限の性能は確保されており、軽爆撃機程度ならば戦闘もこなせた事から失敗作とも断言できず、ドイツ帝国海軍やイタリア海軍を相手に奮闘した。
 大戦中期になると運用と戦術でカバーしていた性能もさすがに限界に達し、被害の多さから第一線より退いていったが、迷走期のイギリス海軍を支えた機であると評価できる。

 ゲームでは中盤から即生産で得ることか可能な艦上急降下爆撃機であるが、悲しいくらいに超低性能で、イギリス帝国に実用機動部隊ないため運用性も極めて低い。
 空戦能力はJu87並、爆弾の搭載数も1と戦闘継続力・生存能力は著しく低く、良い点は索敵範囲が広いくらいと、もはや存在自体がいじめに近いと言える。
 生産するほどの価値はほぼ無く、進化改良なしの単体で存在するため存在自体が忘れ去られがちだが、どうか存在くらいは忘れないでいてやってほしいと切に思う。


ブレニム (爆撃機:陸上攻撃機)

 大戦前、新聞にて富を得たロザミア卿がブリストル社に発注した高速旅客機が原型という、一風変わった生い立ちを持つ軽爆撃機である。
 機体は双発である力強さに加えて全金属製が採用され、これに当時の最新設計思想も多く加わり総合的な性能は高く、同時期のグラジュエーター戦闘機よりも高速であった。
 これは、軍や民間企業による「商業的・効率的かを考慮に含めた開発」と違い、「ある程度潤沢な資金があって明確な方向性が示されていた開発」であるゆえの結果であろう。

 いろいろな経緯もあってロザミア卿から原型がイギリス帝国空軍に送られると、テスト結果から空軍は本機を優秀有用と判断し、たちまち正式化・量産され各地に配備された。
 本機は飛行機としては極めて高性能であったが元が純粋な旅客機であるため、軍用に向かない部分も多く、特に防御面に劣ることは致命的で大戦初期から被害は常に出ていた。
 それでも持ち前の軽快さ、性能を活かし多任務をこなしていたが、大戦中期に入るころには性能的にも限界が近づき、次世代機との交代で第一線から退いている。

 ゲーム中では序盤から生産可能な陸上攻撃機として登場しており、非常に平凡な性能で存在感は薄いものの、コスト安、索敵範囲4と使いやすい面もある。
 性能的にはアメリカ軍のミッチェルをやや弱体化させたような性能で、可もなく不可もなくまさに凡庸というところであり、使うか使わないかはプレーヤー次第と言ったところか。
 進化先はモスキートで安定した性能向上を見込めるが、モスキートは終盤即生産も出来、性能・使い勝手を考慮するとその時期まで本機を運用するかどうか悩みどころである。


モスキート (陸上攻撃機)

 全木製の機体をもち、イギリス軍のみならず連合軍において大成功を収めたイギリス軍の双発陸上攻撃機である。
 本機は非常に高い木工技術によって製造されており、性能・強度についてはまったく不安はなかったが、金属製でない事を嫌う軍部からは正式化への猛反発・抵抗があった。
 しかし、試験飛行などが行われるようになると、戦闘機並みの(もしくはそれを若干上回る)速度を軍部に見せつけ、能力的な疑問を払いのけて正式化されている。

 デハビランド社の目論見どおり、性能・速度は折り紙つきで、当初予定されていた爆撃任務のほか、夜間型、偵察型など亜種も非常に多く、器用な機体であったと言えるだろう。
 また、自己防衛能力の高さも本機の特徴であり、激しい任務においても損傷率は非常に低く(=生存率が高い)、前述の特徴も考慮すると、総合性能は極めて高いと言える。
 唯一、木製と言う事で、兵器としては高温多湿が酷く苦手であるという特殊な弱点が存在するが、アジア方面へ展開された機体以外はそれほど問題とならなかったようだ。

 ゲームでは中盤を過ぎたあたりで登場し、即生産、またはブレニムからの進化で得る事ができる。(本機の進化・改良は無く、対空攻撃は反撃のみ)
 防御性能が高く打たれ強い反面、火力が物足りなく半端な感じはあるものの、乱戦時に投入される本機は独特の存在感があり、激戦区に投入しても踏ん張ってくれる事も多い。
 火力不足から大打撃を加える用途には向かないが、防御力を生かした粘り強くじわじわと戦力を削る用途には最適だろう。(無理に投入するほどの性能でもないが・・・)



coffee break
〜金属に負けなかった軍用機素材、木材、布〜

 第二次世界大戦ではいずれの兵器も世代交代が著しく早く進み、過去の兵器は次々と第一線から退いていった。軍用機の分野でもこれは同じで、金属製単葉機といった仕様がメジャーとなり次々とこのタイプが生まれていった。ただ、形状こそ時代に見合った物ながら、布、木材など昔ながらの素材が多く使われたものも存在した。有名なところではソビエトのYak系戦闘機は木材(ソビエトは元々混合素材の機が多い)、イギリス帝国のハリケーンは布・木材が多用されていたし、アメリカのB-29でも一部の部品に布張りが採用されていた例もある。第二次世界大戦ではまだ布・木材といった素材も枯れた熟練加工技術を使える信頼性の高いものだった。そして布・木材の使用は金属の節約にもなった。

 中でも全木製であるイギリス帝国のモスキートはあまりにも有名である。これは性能・生存性が極めて高かった事もあるが、大戦の影響で稼働率の落ちていた家具を作る木工製作所や加工員を有効に活かし、同時に高い加工技術を実証した「工業的にも軍需的にも合理的かつ有意義なものだった」からであると筆者は思う。モスキートの成功は他国へも影響を与え、木材に再度注目を集めさせるほどだったが(例えばドイツ帝国ではTa-154などが研究された)、残念なことにこれらは形が整っても性能が低かったり、完成しなかったりと散々であった。ちなみに大日本帝国の軍用機はほとんどが金属素材を前提とされていたため、大規模な木材の混合化や木製化は難しかったようである。(特殊な機や資源が無くてどうしようもない場合は布・木製化された部分もあったようだが。)第二次世界大戦で軍用機に金属が多用されるようになっても、布や木材は重要だったのだ。


ボーフォート (陸上攻撃機:雷撃機)

 大戦前より沿岸警備・雷撃または対潜を目的として計画され、ブレニムの機体設計を流用して作られた雷撃機で、イギリス帝国軍だけでなくオーストラリア軍でもライセンス生産された。
 開発にはエンジンの問題や生産ラインの問題が付きまとったため、計画の発動が早かった割りに前線への配備、本格的な戦闘への参加は遅く、大戦初期を過ぎてからの登場であった。
 元がブレニムという大戦時には既に旧式化した機体であったため、総合的な性能は良いとは言えないものであったが、雷撃機としての装備は十分で、その面では積極投入されている。

 先に書いたように、本機は飛行機としての性能は高いものではない、が、装備面ではしっかりと機雷・雷撃・対潜装備が整えられており、最低限の装備は施されていた。
 このため、計画どおり「沿岸警備・雷撃・対潜」に積極的に投入され、ドイツ帝国艦隊への攻撃にも参加しているが、性能面の懸念から船団攻撃へまわされたほうが多かったようである。
 低性能な機体でありながらも忠実・堅実に任務を遂行した本機は、一般的には低評価であってもイギリス帝国軍にとっては重要な機であったのではないだろうか。

 ゲーム中では比較的序盤から即生産が可能な陸上攻撃機となっており、兵装によって雷撃も可能な機体となっている。(進化・改良、対潜火力は無し)
 ゲームにおいても高性能ではないが、単に全般的に能力が低めと史実どおりの堅実な機体となっており、著しく低性能でもない事から同軍ならではの中途半端さが目立つ。
 ボストン、モスキートと言う何らかの一分野に秀でた陸上攻撃機がある中、中途半端な本機を運用するかしないかはプレーヤーの判断に委ねられるだろう。


ウェリントン (爆撃機)

 ビッカーズ社の爆撃機であり、同社の前爆撃機、ウェルズリに続いて大圏構造という独特の構造を持つ。
 大圏構造とは、金属の線(骨組)を籠のように組み、その上に布を張り付ける非常に手間のかかる工法だが、当時ではそれほど珍しい工法ではない。(メジャーでもないが)

 この工法で生産された航空機は、全金属性に比べ重量が軽く、飛行距離・速度が稼げる上、極めて小さい被弾ならば、貫通して大破に繋がることが少ないという利点がある。
 反面、その手間ゆえに大量生産には向かず、かつ設計の古さから旧式化は思ったよりも速く進み、新たに高性能な爆撃機が登場し始めると、裏方で運用されるようになった。
 昼間爆撃がこなせないような低性能であっても、運用性能・使い心地は非常に高く、戦闘以外の任務にも使用され、イギリス軍の中では桁外れの1万機以上が生産されている。

 ゲームでは初期から生産が可能で、足の長い攻撃機を持たないイギリス軍としては爆撃・対地攻撃、双方に使える使い勝手の良い兵器になるだろう。
 機体自体の性能は低く、激しい任務に従士させるとたちまち被害は膨れ上がるが、兵装次第では序盤から使える長距離攻撃機として非常に魅力的である。
 進化先はハリファクスとなり、比較的早く進化が可能な上に性能向上は確実であることから、若干多めにストックしておいても損は無い。
 ランカスターがあればウェリントン系は要らないという考え方もあるが、ランカスターは性能の割にコストが高いため、筆者はウェリントン系も混ぜたほうが賢明だと考える。


ハリファクス (爆撃機)

 ウェリントンの後継として開発され、ランカスターと並んでイギリス軍を代表する重爆撃機となった機体である。
 当初の設計では双発機であったものの、性能不足から4発機へと変更、さらに細部の不都合などにより開発は思うように進まず、いわゆる難産の末での正式化であった。
 正式化後も不都合はまばらに存在していたが、バージョンを重ねるごとに適切に問題は改善され、最終的には汎用性の高い機体に仕上がっている。

 本機は平凡で特筆すべき点は見受けられないが、生産・保守しやすい設計がなされており、大量生産がしやすく、戦地で受けた被害も短時間で修理が可能であったと言う。
 平凡であるがゆえに著しく劣った点も少なく、戦後もイギリス連邦以外の数カ国で運用されている事から、実際の運用においては一般的な評価よりも能力は高いと思える。
 対潜・輸送・空挺・電子戦任務などにも投入され、多彩さを見せ付けるあたり、もしかすると名声を得たランカスターよりも活躍の場は広かったのかもしれない。

 ゲーム中ではランカスターとの双璧爆撃機のような扱いで、比較的早期にウェリントンより進化、または時機到来後は即生産で手に入る。(進化はここで打ち止め。)
 戦力に乏しいイギリス軍の中で、進化元のウェリントンを大きく上回る性能・搭載量は頼もしい限りであり、ランカスターと並んで即戦力に相応しい性能となっている。
 大型爆弾の搭載はきないものの、高コストのランカスターに比べこちらはコストが抑えられており、局面によって使い分ける事で軍事費の節約にも結びつくだろう。


ランカスター (爆撃機)

 マンチェスター爆撃機はエンジンが特殊な設計であったため信頼性が低く、現場パイロットからの不評はすさまじく、イギリス帝国軍は早急な対応が必要であった。
 このエンジン問題は思っていたよりも大きく、アブロでは根本的な改良が図られ、機体拡張、エンジン機種変更、双発を4発に変更するなど設計に大きな変更が行われたのである。
 これによって完成したマンチェスター爆撃機「改」こそが本機、ランカスターであり、施された改良によってマンチェスター爆撃機とは比較にならないほどの高性能機となった。

 本機は、同クラスの爆撃機としてはやや小ぶりな機体ながら4発ならではの安定した性能を持ち、B-29をも上回る量の爆弾搭載が可能と言う非常に優秀な爆撃機である。
 さらに改良された機は対艦任務についたり、ダムバスター、トールボーイ、グランドスラムなど様々な特殊/大型爆弾を積載し、ドイツ帝国軍の重要施設を破壊しつくした。
 高い値段の機体ではあったが、爆撃任務以外に使われる亜種も多く、また、性能面、搭載量、運用面で優れていたことから戦後かなり長い間運用していた国もあった。

 ゲームでは全航空機中最高の対地対艦攻撃力を誇る「5t爆弾」を搭載できる機として登場し、進化、改良なしの即生産で導入する事が可能である。(比較的早くから即生産可能)
 ユニットコストは高いが5t爆弾の攻撃力はそれを差し引いても魅力的であり、後攻となるゆえの被害を気にしなければ火力面では非常に頼もしく、戦術に幅をもたらしてくれるだろう。
 対空戦闘は苦手であるため出来る限り制空権下で運用したいが、激戦中でも被害無視でうっとうしい敵をほぼ一発で排除するなど、面白い使い方はあるかもしれない。


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ハウニブ (UFO)

 何処からとも無くやってくる謎の円盤。
 ふらりと近づいては敵対するものを血祭りにして去っていくという。

 飛行する原理はもとより、その存在の一切が謎である。



ゲームソフト・攻略本・書籍

   ワールドアドバンスド大戦略〜鋼鉄の旋風〜 セガサターン

 これがなければはじまらない。


   ワールドアドバンスド大戦略〜作戦FILE〜 セガサターン

 単体でも遊べる、多彩なスタンダードマップ、分岐なしソビエトキャンペーン、史実にこだわらなければ何度でも繰り返し遊べる仮想キャンペーンが特徴。

 作戦ファイルは好きではないという人も多いだろうが、経験値の少ない大日本帝国タイプを操れるのは本ソフトでないとできない。
 鋼鉄の旋風であれだけの強さを誇る零戦が、性能の調整された鬼ソビエト軍が、無茶苦茶な設定のスタンダードマップが、鋼鉄の旋風では味わえない、そんな新鮮さがある。

 また、仮想キャンペーンは勝利条件がある程度ゆるく、選択肢によりある程度進軍過程が変わるため、うまく進めれば鋼鉄の旋風よりも進化・改良を楽しめるだろう。
 ちなみに、まったく経験値のない日本軍は、フリーマップ、フォートレスなどで味わえる。


   ワールドアドバンスド大戦略~作戦ファイル 公式ガイド  単行本

 攻略本その1。


   ワールドアドバンスド大戦略 鋼鉄の戦風―世界新秩序建設マニュアル 単行本

 攻略本その2。

 ファミ痛の本なので、あまり期待してはいけない。


   ワールドアドバンスド大戦略鋼鉄の戦風コンプリートファイル 単行本

 攻略本その3。

 吉原幹也氏によるイラスト付兵器解説、簡単なマップ解説・進化表、ゲーム進行の分岐表がある。
 正直なところ、これだけあれば他はいらないかもしれない。


   THE 歩兵〜戦場の犬たち〜 (PS2 FPS風アクション)

 値段の割りに遊べる要素が多く、お遊び用の武器も数種ある。
 難易度もぬるく、気軽に遊べる点が良い。

 わかる人にはわかるであろうが、筆者が始めて遊んだときは「お買い物キャノン」であった。


   THE 最後の日本兵〜美しき国土奪還作戦〜 (PS2 FPS風アクション)

 上記、The 歩兵と同じようなものかと思ったのだが、かなり難易度が高い。
 操作性、カメラワークも悪く、万人向けではないが、スルメのような味付けで慣れれば慣れるほど思うように進む。

 変わったものをプレイしたいという人向けか。
 筆者は一応、遊び終わっている。


   SEGA AGES アドバンスド大戦略 ドイツ電撃作戦 (PS2)

 もはやマニア向けSLGの代名詞となりつつあるMD版アドバンスド大戦略のPS2移植版である。(かなりの改悪あり)

 あまりのバグの酷さに一度修正版が出されたが、それでもMD版に比べて出来ることがかなり削られており、特にマップエディタが無いのが致命的だろう。
 しかしながら、PS2の処理速度を生かした思考時間はMD版に比べて恐ろしく速く、かつ筆者の遊んだ感覚ではルーチンも変更されているようで、これだけは若干新鮮だ。
 正直なところ、サウンド、ミュージック、思考時間だけグレードアップしてそれ以外はMD版を全て流用でよかったと思うのだが・・・、開発陣の考えがよくわからないソフトではある。

 筆者が固唾を呑みながら「こ れ は 酷 い」とつぶやいてしまった初版は赤ラベル、修正版は青ラベルである。
 赤ラベルならば交換が可能なので、メーカーに問い合わせるべきである。


   Call of Duty: World at War (輸入版 北米)

 FPSゲーム。
 太平洋戦線の戦闘が楽しめる。

 ときおり異常なほどの手榴弾が飛び交ったり、鬼配置の固定軽機関銃、待ち伏せ奇襲はあるが、難易度も適度で比較的楽しめる。


   Medal of Honor 10th Anniversary Bundle (輸入版)

 FPSゲーム。
 メダル・オブ・オナーのエア・ボーンをはじめ、それまでのアライドアサルト、パシフィックアサルトが同梱されている。
 メインはエア・ボーンになるだろう。

 エア・ボーンはシナリオモードのボリュームが短めだが、チェックポイントが多く、手軽に遊ぶのにちょうどいいだろう。
 名前のとおり、シナリオゲーム開始時は基本的に落下傘での降下から始まるため、通常のFPSとは一味違った戦闘への入り方を体験できる。


   ビジュアルガイド WW2戦車(1)電撃戦

 兵器に興味があれば、このような本を見てみるのもよいだろう。


   ビジュアルガイド WWII 戦車(2)東部戦線

 兵器に興味があれば、このような本を見てみるのもよいだろう。


   それでも、日本人は「戦争」を選んだ 加藤陽子

 戦争に関する書籍、その1。



DVD・ブルーレイ

   ヒトラー 最期の12日間 スタンダード・エディション DVD

 大戦末期の雰囲気はよくできている。
 ヒトラーの人物像表現も良好で、「このような人なのだ」とイメージをつかむのに良いだろう。


   よみがえる第二次世界大戦 カラー化された白黒フィルム Blu-ray BOX(3枚組)

 映像資料的価値はあると思われる。